乱鳥の書きなぐり

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『東海道中膝栗毛 初編』 甲斐の猿ばし〜白旗村〜鴫立沢 狂歌(4首)

2020-04-03 | 十返舎一九
法隆寺


 『東海道中膝栗毛 初編』

 此に白旗村といへるは、そのむかし、義経の首こゝに飛び来たりたるをいはひこめて、白はたの宮といへる、今にありと聞て弥次郎兵衛へ(やじろべへえ)
  首ばかりとんだはなしの残りけり
       ほんのことかはしらはたのみや

 それより大磯にいたり、虎が石を見て北八よむ
  此さとの虎は藪にも剛(かう)のもの
       おもしの石となりし貞節

 弥次郎兵衛へ(やじろべへえ)
  去りながら石になるとは無分別
       ひとつ蓮(はちす)の上には乗られぬ
 
 斯(かく)打(うち)興(こう)じて大磯の街を打過、鴫立沢にいたり、文覚(もんがく)上人が刀作と聞こえし、西行の像にむかひて、
  われ/\も天窓(あまた)を破(わ)りて歌よまん
       刀(なた)づくりなる御影(みえい)おがみて


 

 甲斐の猿ばし(山梨県北都留守桂川にかかる日本三奇橋)〜白旗村〜鴫立沢(西行 三夕の一首 大磯の東の小磯の路傍に堂があった)


 こじつけたような数々の掛詞で、狂歌を形成しているところが面白い。
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