在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Chiaroro 2013 Cameli Irene

2017-02-16 23:36:57 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
Chiaroro 2013 Cameli Irene



友人パオロが夕食に誘ってくれた。このところパオロのお気に入りの小さなエノトラットリア(このところちょっと聞く新らしい造語)。
まだ比較的新しくて、ワインの品揃えがすごいわけではないが、なかなか良いものを揃えている。

魚が中心なので白が多い。
パオロも私も白ワインは結構好きなので白で良いのだが、二人で選ぶとなると結構、あーだこーだ。
結局選んだのは軽めのヴェルディッキオ。

ヴェルディッキオを選んだからか、もうすっかり友人になっているオーナーが、飲んでみて、と出してきたのが、これ。
これもヴェルディッキオで、ビオディナミだそう。
2日前に開栓したとのこと。



このワインは知らない。初めて。

ビオらしいかなり濃いめの色。
香りは、オーナー氏曰く、すぐにミントを感じたと言うが、ミント、ユーカリ、サルヴィア、そして、コルベッツォロのハチミツ風の香りが混じっている。微妙にスモーキーな香り。
思うより酸味が感じられない。マセレーションから来るタンニンをわずか感じる。余韻はまずまずの長さ。
全体に複雑なわけではないが、ビオによくある臭みがなく、安定した香り、飲みやすい。+++(+)

前菜のマグロのタルタルに実にぴったりだった。

La pelle del l'orso di Marco Segato イタリア映画の紹介 「クマの皮」

2017-02-16 12:36:47 | 何故か突然イタリア映画
La pelle dell’orso クマの皮
監督 マルコ・セガート



50年代の北イタリア、ドロミテ。
今でも、冬はスキー、夏はトレッキングのできる、山岳風景の素晴らしく素敵なところである。
そこに大グマがいる。

そのクマが、とうとう家畜小屋の家畜まで襲い、退治することになるのだが、名乗り出たのがピエトロ。
掛けをすることになった。
掛けの相手は、地元の石屋。
もしもうまく仕留めることができれば1年分の報酬。
もし失敗すれば1年無償で働く。

ピエトロには14歳になる息子、ドメニコがいる。
母親はいない。

クマ退治に出た父親を追い、山に入るドメニコ。

最後は、傷を負って暴れたクマに襲われたピエトロ。
その瞬間、息子のドメニコがクマを仕留める。
(ネタバレ〜)

全体に画面が暗いが、山の自然が見事に綺麗に描かれている。
今回のインタヴューには、映画の画像制作のディレクター(なんと若い女性)も出席したが、自然をリスペクトすることを最優先してほとんどいじらなかった、自然はそれだけで絵になる、ということを言っていたが、まさのその通り。
山が好きな人には特に、見とれてしまうくらい綺麗な画像が多い。

そして、セリフが極端に少ない。
役者の表情、目がセリフを語っている。
特に、少年役の役者はなんと13歳だというので、結構すごい。
よくある可愛い少年ではなく、骨格のしっかりした少年で、13歳とは思わなんだ。


監督と少年役の少年

ドロミテはヴェネト州。
ここにもこんなに方言があるんだぁ、とちょっと驚き。
ナポリ弁、シチリア弁は有名だが、50年代のヴェネト州にもこんなにきつい方言があったとは。かなりわかりにくいセリフもあった。

クマは本物。
今時、CGでもいいのだが、と言いながら、ドキュメンタリー畑から出た監督が使うのは、絶対本物。
大変だっただろうなぁ、と思う。
クマにその気がないときは、数時間の待ち時間にもなったらしい。
あっちにハチミツ、こっちにハチミツ、の作戦だったらしい。


ホンモノのクマさん

ストーリーの中、セリフが少ないとはいえ、いろいろなエピソードを散りばめている。
亡くなった母親の親友の女性との出会い、父親が蛇に噛まれてしまう、などなど。
親子の関係の描きかたも含め、それらのエピソードに好感を持つか、いらないんじゃない〜と思うかはそれぞれ。

そして、実はクマが家畜小屋の中にいる家畜まで襲うことはないそうな。。。なーんだ。

個人的には、山の画像の美しさ、骨格がっちりの少年の好感度を含めて、結構良かった。
そして、昨年、日本で話題になったクマ、スーパーX(?)を思い出した。
そう、日本にはまだ凶暴なクマはいるんだよね。。。。

今日のイタリアのオンライン新聞から:オーストラリアの空港でイタリア人女性、コカイン所持で逮捕

2017-02-16 00:24:33 | もろもろ、つれづれ
今日のオンライン新聞を見ていて気がついたこと。

オーストラリアの空港でイタリア人女性、5キロのコカイン密輸で逮捕、とある。

中身を読むと、オーストラリアのメルボルン空港でイタリア人の39歳の女性が捕まった。この日曜日のこと。
この女性は、ローマから搭乗、彼女の持つバッグのひとつがエックス線でのコントロールに引っかかり、二重底、コカイン5キロを所持、現行犯で逮捕された。
最悪、終身刑の可能性もある。

以上が記事である。
なるほど。

この記事を読んで気がついたこと。

その1
到着空港での検査は、人間の検査は基本的にないので、スーツケースだったと思われる。
二重底ならなおさら。

オーストラリアでは、入ってくる荷物の検査をちゃんとするんだぁ。

その2
空港出発は人間も検査をする。というか、人間と手荷物がしっかり検査される。
しかし、スーツケースは??
こちらもエックス線を通すはずなのに、ローマの空港では誰も気がつかなかった。

もし、ここでちゃんと検査をしていれば、コカイン5キロはオーストラリアではなくローマの空港で見つかったはず。

その3
ローマの空港では、出発のスーツケースでこのざま。
つまり、どこかの空港でうまく通ったスーツケースは、ローマでは、検査があれどほぼ簡単に通るだろうということが予想される。

その4
この女性は、おそらくその手の組織の一員なので、かわいそうだとは思わないが、オーストラリアで終身刑にならずともかなりの刑になる可能性があり、もしこれがローマで見つかっていたとしたら、そう大した刑にはならなかった可能性もある。

要は、ローマの空港はいい加減。。。。。。。。ということがわかった。ここはイタリア、なんでもあり。