うりゃの映画あれこれ

貴君の好物を私も好きとは限らない。同様に私の好物を貴君は嫌いかもしれない。ひとそれぞれ。
主にレンタルDVDで鑑賞。

オーケストラ!

2010年11月10日 | 洋画 ドラマ
オーケストラ! Le Concert (2009年 フランス 119分)

フランス映画だが主人公たちはロシア人。舞台も前半はモスクワ。
言語もロシア語とロシア語なまりのフランス語が大半を占める。

予告編だけの予備知識で見た。予告編は、しみじみ系のコメディというノリだったが、
いや、さすがはフランス映画。
コミカルな話に重くて哀しい話の裏打ちを忍ばせ、さらに感動のラストまで持っていってしまう。
この展開の上手さ。たいしたもんだなぁ。

アンドレイはロシア・ボリショイ交響楽団で劇場掃除夫をしている。
しかし、かって彼は天才指揮者としてタクトを振っていた。
ソ連邦ブレジネフ政権時代、「国益に反する行動」を理由に失職したまま30年不遇の人生を生きていたのだ。
ある日、支配人室を掃除中にパリ・シャトレ劇場から出演依頼のFAXが届く。
それを見たアンドレイは、とんでもない起死回生策を思いつく。
かつて一緒に楽団を追われた仲間たちを寄せ集め、ニセのボリショイ楽団としてパリ・シャトレで演奏を!!

前半は昔の楽団員たち(今は救急車の運転手、蚤の市業者、ポルノのアフレコ、などなど)を訪ねたり、
仇敵の元楽団支配人・共産党幹部を取り込んだりと、無茶なロシア出国までのドタバタ。
ニセ楽団がパリに着いても混乱は続く。公演はできるのか?
ソロ・ヴァイオリンに若いスター女性ヴァイオリニストと契約したが、なにやら彼女が知らない因縁があるらしい。
彼女の『亡くなった両親』とは誰なのか? 30年前になにが起きたのか?
そして、感動のラスト12分の『チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35』。
無茶な展開だが、音楽のちからは偉大だ。

出演はアレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン、ミュウ=ミュウほか。


ブレジネフ→アンドロポフ→チェルネンコ→ゴルバチョフ→エリツィン→プーチン→メドヴェージェフ。
ブレジネフ時代は遠い昔のような気がするが、たかだか30年前なんだよなぁ。
200年続くロシア最高権力者のツルフサ法則によれば次はまたプーチンか(笑)。


※ 交響楽団や協奏曲に疎い私でも楽しめました。名曲多数。


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