urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

Cocco 『ザンサイアン』

2006年07月27日 | listening
もう、圧勝だろ。
彼女の音楽家としての才能…作詞作曲から楽曲全体のイメージ構成、そして何度も言ってるけど傑出したボーカリストとしての表現能力、その総合的な才能…はもう史上最強。そして根岸&長田との完璧なコンビネーション。この好相性に比肩できるのは現在、YUKIと蔦谷好位置ぐらいのもんだな。
SINGER SONGERは結構カラーの統一されたバンドだったけど、このアルバムは冒頭から実にバラエティ豊か。綺麗でエロくてかっこいい。楽曲ごとに音像がくっきりと自己主張して、Coccoの多彩な音のイメージが炸裂する。
根岸は相変わらずエロ・グランジ上手いね。②とか⑦とか⑪とか。まあでもこの辺の曲はぶっちゃけ俺は良いリスナでもなくて、なにより⑨でのロックシンガーとしてのCoccoを完璧に引き立てる彼の仕事に、無条件の信頼感を再確認したのでした。で、長田も実にいい仕事。構成美の極みに達した③、詞のリズム感と美メロが心地いい⑤、ホーンセクションとのジャジーな絡みを聴かせる⑥など、この「新しい」アルバムの新鮮さを違和感なく表現しています。
で。やっぱり「Happy Ending」はすげえと思うよ。唄うのを止める決断をした彼女が睨んでいた《ムラサキの雲》の晴れた先にあった光景…《大きなクジラ/美しい/稲光りキラリ/輝いて》。Coccoという音楽家の歴史とこれからの未来が鮮烈なイメージと軽やかな音像の中に結晶したド名曲。これほど感動的なエンディングを迎えるアルバムを僕は他に知りません。次点は『サングローズ』ですがw

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Cocco

曲名リスト
1. 音速パンチ
2. 暗黙情事
3. 夏色
4. Beauty C
5. 四月馬鹿
6. Swinging night
7. 野火
8. 唄い人
9. 愛うらら
10. インディゴブルー
11. 陽の照りながら雨の降る
12. Happy Ending

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