としのブログ

大工の とし の日々の出来事

陣太鼓 その3

2015-01-31 23:01:30 | 日記
さて、陣太鼓ですが、ようやく使えるように。



この状態になるまで、何度かの研ぎ・削りの繰り返し。
古鉋を直す時はたいがいクラッカーを何度も作りながら、
この状態までに。
自分の視力と指先の感触が鈍いのはわかっているんですが、
とりあえずまともな刃がついた、と思っても
何度も現れるクラッカー。
一度ここまで持って来れば、あとはいいんだけどね。

そしてチャレンジですよ!
裏の当りをを8000番のダイヤを使って確認して、

切れ刃を中砥でとぎとぎ。
そして今回はエビの純白仕上げ砥石でつなぎー、

仕上げはここの所出しっぱなしの奥の門の巣板。
研ぎは平面研ぎ、ゼロ(になってほしい)バージョンで。
現在の刃角は31度。

で、引き始めは材料の艶が無くなる…。
やっぱゼロにはなってねーや。
気を取り直して、5回目の削りでー、

あら、いいじゃない!
目盛はー・・・

この檜では現在最薄。測るときに割れが出てますが、屑自体に割れはないです。
調子づいてすこーし刃をさげると、

てきめんに屑が割れました。

さて、研ぎ方を変えるとどこまで薄くなるのか?
次はしゃくり研ぎでチャレンジ!
砥石は同じで、仕上げの最後に鎬の角をしゃくるように浮かせて研ぐと、

刃毀れしてるだんべ!
そんなことで、今日はおしまい。
しばらくはこの組み合わせで研ぎ方を変えて結果を確かめるつもり。
結果は随時報告します。
え、興味ないって?

陣太鼓 その2

2015-01-30 00:10:40 | 日記
さて、今朝も冷たい水で江戸城を研ぎ、
奥の門の巣板で仕上げ、同じ条件で檜2号を削ったわけなんですが、
昨日より悪い結果に。だから写真は無いのよ。

それで夜は気分を変えて、現場で刃が出るように馴染みを付けた陣太鼓を。
この刃、端に大きな欠けがあるので、思い切って荒療治。



ダイヤ砥石には黒名倉を使ってます。滑らかになって研ぎやすいです。
この欠けを取るころには、刃角は32度くらいになる予定。



序盤戦は刃返りがある程度になったら裏を押しちゃいます。
焼成ダイヤの3000番で。



落ちた返りがたくさん。
普段の研ぎでもマクロ的に見れば、こんなのが砥石の上にたくさんあるんだ、
と思って研いでます。
(終盤ではこんな荒っぽいことしないですよ。キチンと刃を引いて研ぎ進めてます(笑)。)
こういう研ぎはかなり疲れるので、休憩中に台のお化粧を。



薄めたウレタンをすりすり。今日はとりあえず2回ほど。

そしてとりあえず完成。



刃先の角度は31度でした。
刃角の違いを確かめる実験、本来なら28度で使っていた刃を鈍角にしなけりゃ
比べようがないんだけども、まあ今回は大欠けを落とすのにちょうどよかったということで。
あとは裏隙をもうちょっと直したいけど。



それから今回、切れ刃をさわる前に裏を平面に押してから始めたんですが、
これだけ切れ刃を落とすと裏の狂いも相当な量ですね。
鋼にストレスをかけてる地金が無くなるんだから当然だけど。
思った以上に変なところが砥石に乗らなくなっててたまげました。

檜の削り材 その2

2015-01-28 21:12:34 | 日記
檜の削り材。油分の強い方を試してみました。
使った鉋は江戸城。
研ぎは平面研ぎで。


今朝はなぜか傷が多い?


材はこんな感じ。

側面、木裏側は。目、荒!

そして木口。


今朝の研ぎはいまいちでした。
何度か合わせ砥(先日と同じ奥の門の巣板)に突っかかってしまい、

割れずに削れたのはこれが限界。
少し刃をさげると・・、

割れちゃいます。
押さえ棒にプライヤー傷があるのが原因というのもあるけど、
刃があまり切れてないのが根本的な原因かと。
削り屑の艶が無いしね。

削り材その1、と比べるには今朝の刃研ぎじゃダメだいねー。
もう少し切れる刃に研いで削り比べてみます。
でも明日は零下3度らしいから、無理かも(笑)。


研ぎについて思うこと 2015年1月

2015-01-26 21:34:10 | 日記
今朝は2本の檜の内、油の少ない素直な方を。



魔法の水の効果か?艶はよく出ていますが、平面研ぎの細かい刃毀れのせいでしょう、
これより薄くすると屑がばらけます。
使った鉋は、田中昭吾作・江戸城。



鋼は与板の有名人・M品さんの観察によると、スウェーデン鋼だそうです。
M品さん、ルーペでの観察で鋼の種類を当てられます。
白紙と青紙の違いはもちろん、白紙とスウェーデンの違いまで分かるなんてスゴー!
自分も観察のコツを教えていただきましたが、・・わかんね(笑)。

仕上げたのはこいつ。



奥の門の巣板です。ちと荒い目。
裏を人造の仕上げ砥で磨けばもう少し薄くなったかも。

それとここからは備忘録。
おかしなこと言ってたら突っ込みお願いします。

この冬、研ぎについて思うこと。
小僧の時から平面研ぎにこだわって研ぎものをしてきたわけですが、
数年前、刃先研ぎの威力を知ってしまってから色々迷走してきました。
水色のコンパウンドも使ってみたし、WAの粉での2段研ぎも。
そんな迷走の中で、この冬、やっと自分の目指す方向が固まった気がしてます。

それは、平面ではない平面研ぎ。

わかりづらいですが(笑)。
この冬、平面の研ぎの限界をはっきり感じました。
まだまだ手が決まらないときもありますが、
単純な平面の研ぎはそれなりのレベルで出来ている自信はあります。
しかし時間をかけずに、少ないストロークで切れる刃に仕上げられるようになればなる程、
脆い刃先になっていく。
確かに薄く、艶も上がるようにはなったのですが、いかんせんデリケートすぎる。
なぜか?
おそらくそれは当然のことなんだと。

じゃあ?どうするか。
それが平面ではない平面研ぎ。
鎬の肩を浮かせることがない程度での丸刃とでもいうのでしょうか。
指先の力加減で鋼の先を多めに研ぐ。
決して潰さない様に。
まだ上手く行くことは少ないですが・・。
上手く行ったときは、しゃくり研ぎをしたときと同様以上に切れてくれる。
刃持ちも悪くない。
じゃあ、しゃくり研ぎ(2段研ぎでない刃先研ぎ)を突き詰めた方がいいんじゃないの?
と思われるでしょうが、ここは個人の趣味ってことで(笑)。

ちなみに2段研ぎは自分の場合細かく毀れます。
WAの粉を使ってザクザク刃先を下すようにしないと細かい刃毀れが出ます。
現場では重宝している研ぎ方ですが、自分には薄削り向きじゃあない。
かなり試しましたが、一桁突入までは簡単に行きますが、そこから先は無理なんじゃないかと。
何より自分の趣味じゃないんで(笑)。
追及はやめました(笑)。

それから平面研ぎについて今年中に一つ試しておきたいことがあります。
それは切れ刃の角度。
たとえば24度の切れ刃で檜を削って刃毀れをしても当然でしょ、って思います。
では28度で完全に平面に研がれた刃はどうか?
実は鋭角すぎるんでは?と。
28度の鎬角で刃先を丸めた研ぎをしたとき、
自分の場合は最終的な刃角は32度程度かと。
ならば32度で平面に研げば細かい刃毀れは減るんじゃあないかと。ニヤニヤ。
すくい角については問題ない範囲だと思っています。
憶測ですが(笑)。たぶん5度もあれば全然問題ない。

とりあえずこの冬研ぎについて思っていること。
32度の実験については、まずどの刃を生贄にするか考えなくちゃ。

長文、失礼しました!

弁財天石堂

2015-01-25 19:59:33 | 日記
今日は久々に家族サービスのつもりが、
消防団の放水訓練。
午前中いっぱいポンプ車の使い方を学んできました。

で、あまりネタもないので、先日の初削り・同一材削りで使った刃の紹介を(笑)。
弁財天石堂。石堂さんの刃でないことはたしか(笑)。



中古で購入して裏を透き直し、薄削りでは有名どころの刃よりもコンスタントにいい感じ。
鋼は炭素鋼。地金は極軟鉄。いわゆる安物ですが、鋼の入りが薄いからか?
極軟鉄がサクイからか、すごく研ぎやすく、刃付きも早いです。



ねずみ年生まれのとしには嬉しい刻印も。



初削り・日曜の朝は刃先だけを丸める研ぎで挑戦しました。



直線の刃でこれと同じように切れるようになりたいんですが、
研ぎでは上手くいっていても削る際の刃毀れは如何ともし難く・・。
小屋での練習の時はもう少しピンピンの直線刃、追求してみます。

おまけ



俺が泣かしたんじゃないよ。
兄弟げんかを言いつけに来ただけだよ。
通報しないでください(笑)。