としのブログ

大工の とし の日々の出来事

続・続裏金

2015-07-24 20:55:21 | 日記
4月の初めに上棟した現場も昨日でひと段落。
最後の仕事は杉の集成材を使った可動棚の木端仕上げ及び面取り。




今回の現場ではこの小鉋を使って仕事をすることが多かったんですが、
kuniさんのアドバイスもあって最終日の朝に裏金の土手の角度を変更しました。
今回の角度は60度。最初の75度、2度目の45度の中間です。
が、その他の要素もあるんでしょうがこの日、確かな手ごたえを掴んじゃいました。



なんか今までとは違う鉋屑。



順目部分では裏金の存在を感じないピンと張った屑ですが、逆目部分になるとチリチリに圧縮された表情。
これが裏金の役目なのね~。
鉋を使い出して20年ほど、裏金の本当の効き目を初めて実感したみたい(笑)。



こんな板なんですが、



逆目部分の掘れもなく、艶も合格。(自分の中では、ですが)

そんなこんなの報告がてら、きむけんさんの現場にお昼から急遽お邪魔しに。
きむけんさんの杉削りの考え方、裏金の効果的な仕立て方、さらには切れる鉋とはどういう鉋なのか、
の講義をきむけんさんの後輩大工、T君を巻き込んでたっぷり伺ってきました。
動画はいっぱい撮ったんだけど写真撮るの忘れた~!
だもんで、次は写真撮影込みで杉削り大会、お願いします!

さて、掴んだつもりの裏金の仕込み方、寸八でも通用するのか?
まずは宗秋の刃毀れから直さなくちゃです。

続・裏金

2015-07-21 22:22:34 | 日記
先日簡単な治具で研ぎ直した宗秋の裏金でいつもの杉を削ってみました。
色々な実験で深く掘れた逆目部分を削ってみるも、



まだわずかに新しい逆目を掘っているようです。



削っていて、鉋屑が裏金の2段刃部分の土手を乗り越えている感触があります。

裏金の事は今まできちんと考えたことがなく、今回頭の中を整理してみました。
まずは現状の確認から(笑)。

仕込み勾配は、



ん?俺この台8分5厘勾配で打ったみたい。んん?
まあそれはそれで良しとして、裏金の治具に当たる面。



ん?ということは45度から75度の角度で研がれている2段刃の角度は、台下端に対して120度!
これって台下端に対しては30度のオーバーハングですよね?
切れ刃裏に対しては80度。
んんん?なんかあまりにも無理やり鉋屑を曲げすぎてないかい?
つーかここまで曲がらんのじゃなかんべえか?

kuniさんからは角度はあまり重要ではないとはアドバイスを頂きましたが、どうにも気になります。
ということで、簡易治具を45度に作り直して、2段刃が台下端に90度になるように研ぎ直してみました。
(台下端に対して90度が良さそう、というのではなくて基準としてわかりやすいのでね)



宗秋の実験はまだですが、(現場で切れ刃をだいぶ欠いてしまったのさ。涙)
現場使いの小鉋で杉の集成板の木端削りをした結果は非常に良好。
たまたまなのか?逆目も起こさず艶も上がってます。
出てくる屑もきむけんさんに出された課題、虹のような鉋屑になってますよ~。

小ネタ

2015-07-19 21:06:38 | 日記
新築現場の木工事も大詰めに入っています。
そんな訳で裏金の検証もままならず。
現場ネタを少々。

先日削った(仕上げたとは言わない(笑))杉板も机の形になり、



机と言えば本棚。



この中に可動棚が付くんですが、それはさておきこんな箱モノを組むときダボ穴をあけてビス打ちをすることが多いですよね?



こんな感じに。(特に大工が短時間で箱モノを組むときなんかはね)
そんなときの丸棒の面取りはこれが欠かせません。



鉛筆削り。の太軸用。



いい具合に面が取れます。
みんな知ってるネタでしたらあしからず。
ご勘弁を(笑)。

裏金のこと

2015-07-17 21:53:52 | 日記
先日の逆目で困っている件について、ブログのコメントやフェイスブックのコメントで、
いくつかのアドバイスを頂きました。
とにもかくにも実践(笑)。

逆目の実証で使っている材は、



人工乾燥の杉の間柱。
裏金を抜いた状態で少しでも厚く削ると、



こうなります。
今朝はかつての現場削りのエース、昭寿にて。



この鉋ではさほど逆目で困った覚えは無いんだよねえ。



先程の逆目掘れも徐々に無くなっていきます。
その昭寿の裏金を見てみると、



割合広めな二段研ぎになってます。
対して今回の宗秋用に研いだ裏金は、



明らかに2段刃が幅狭。
そこでkuniさんから頂いたアドバイス通り、一先ず0.5ミリ程に2段刃を広げてみました。



削りの結果は、



今までより裏が効いてる!
が、まだいまひとつ逆目が止まりきらない様子。
これはきっと2段刃の角度がいい加減なのと、面のシャープさかな?
ということで、現場で簡単な治具を作って研ぎ直し~。



コッパを75度に切っただけですが、



こうして焼成ダイヤ800番の上で引き研ぎしてみました。
で、試している時間は無かったのでまた明日ですが、
75度ってこんなに立てなくちゃだったのね。
今までの角度はカナーリいい加減だったようで・・・。
これで調子よくなるといいなあ。

宗秋 ちょっと改造

2015-07-14 20:58:19 | 日記
連日の杉削りで、改めて杉の逆目の洗礼を受けています。
で、使い始めでまだ調子の出きっていない宗秋ですが、刃持ちが非常にいいので裏金を仕込んでみました。



裏金は適当に手元にあったもので。
切れ刃の角度を20度を目標に、鋭角に研ぎ直すだけで小一時間。



刃口を2枚台用に切り直して、祈りを込めて・・・



こんなドリルで穴あけ~。

が、やはり祈りは通じなかったらしく、



写真左側、当たってないがな(泣)。
ですが・・・、あまりお勧めできない方法で押さえ棒をゴニョゴニョして、
とりあえず本刃と裏金の密着は確保。
柾目ではそれなりに裏が効いている様なんですが、



板目のほうはまだ調整が必要な様子。
つーか杉の板目での逆目は、裏金を効かせただけで止まるのかいな?
根本的にキレキレの刃じゃないとダメなような気がしてる今日この頃。
止まりきらない逆目に気温以上に暑くなってバテバテです(笑)。