としのブログ

大工の とし の日々の出来事

もう少し小鉋

2016-06-29 22:50:17 | 日記
なんだか最近研いでないんですが、その代わり以前からの課題だった小鉋の台打ちに没頭しております。

先ずは裏・THE鉋から。



素材は三条鍛冶、石田さんの裏金。



仕込みやすいように表をスリスリ。

台は近所の植木屋が伐採した屋敷樫。



この樫、ノミ打の時に日にあたると細かいヒビがたっくさん!
だもんでアロンアルファで全面コーティングの後いつものウレタン仕上げ。

刃の耳も落として、



一先ず完成。



横から。



調子に乗って、先日の六分鉋の埋め木に使った赤樫台の残りで、



立ちガンナ作りました。
が、色々失敗。
一番の失敗はコッパ返しがほぼ無くなってしまったこと?
他にも色々ありますが、



コッパ返しは早速の口埋めでリカバリー。
ついでにシノギ隠しも埋めてやって、



けがの功名か?



一ミリ刃口達成!(オイ)
ついでなので、(何の?)台上端を甲丸にしてみます。



使ったのは先日打った兼行銘の豆鉋で。



実はこの台、



噂の53度の仕込み角度です。
確かに逆目は起きずらい気がします。

そんなこんなで、



二丁完成ですが、クオリティ低すぎます。
とにかく小鉋は押え溝の鋸引きがシビアですね。
精進あるのみ、です。

形見の小鉋

2016-06-25 22:01:34 | 日記
いつぞやある程度の形にしておいた婆ちゃんの姉ちゃんの旦那の形見の小鉋をようやく台打ちしてみました。



取り敢えず荒堀してみて気が付いたのですが、押え溝を引くのに適当な鋸が無い!



こんなのがあったのでチョットやってみたけど、ウ~ん、無理。(笑)
なので、



こんなの調達してきました。
アサリなしの細かい刃で切れ味は非常に良好。
こいつの両刃は仕事でも使っていますが、一寸の刃では入りませんでした。

無事に溝も切れて何とか完成。



今回は少し甲丸に。



小鉋の台打ちは八分や六分の鉋台より難しいと、師匠より聞いてはいたのですが、ホント手間っ喰いでした。
ある程度の幅のノミなんかほんのちょっとしか使えないし。

で、今回使ったノミたち。



今回初めてガンガン叩いたので、鋭角過ぎた刃を刃毀れを落としながら修正したので、



こんな研ぎですが、七分の大入れ・四分の平待ち共に良く切れます。



左は清久さんの五厘・右は国慶一分。
一分はマアマア研げてますが、五厘はどうにも難しい。
さすがに五厘は治具作ろうかな~。

預かりもので

2016-06-24 20:52:15 | 日記
先輩から預かったモノで楽しんでおります。

先ずは菊王銘の鉋。
台打ちを考えていましたが、使っていなかった六分鉋の台を流用することに。
今回は新たな試みとして、表馴染み側を埋め木して、



こんなところからスタート。



実際、樫の木をケチらなければ新たに打ったほうが早いでしょうが、




こんな風にして、



こうなって、



こう。
やっぱり最初から打ち直したほうが早かったです。(笑)

で、甲穴も掘りなおして押え溝も刃口寄りに切り直して完成。



新たに手を加えたところに薄めたクリアウレタンを染み込ませて、



汚れ止めとちょっとしたお化粧も。(笑)
明日には本研ぎして試し削りが出来そうです。

この鉋の刃の地金ですが、



小さなゴマが散っているのに層になっていない初めて見る地金です。
研ぎ感はほぼ極軟鉄ですが?
因みに研ぎは預かりものの五十嵐砥。
人造中砥から天然合わせ砥へのつなぎには非常によろしい感じでしょ?

それからナナメの砥石は、



ワシンの人工ウルシで養生の後、墨を使って砥石台に光付けです。



砥石表面に墨が付いて、まるでカラス砥の様に。(笑)
しかしバッチいなあ。
そんなこんなで、お金を掛けずに楽しんでおります。

預かりモノ

2016-06-19 21:38:30 | 日記
いつも としに色々なものを預けてくれる先輩から、新たに預かりものです。



今回は天然砥石を三本。
実は今回、としの強めのプッシュで我が家に。(笑)

先ずは合わせ砥。



裏は30年以上前に購入したものと言うだけあって、



ハツリ目。
皮付きのほうが有難みがあるような気がしますが、これはこれで。
硬さは柔らかめ。

二本目も合わせ砥。



濡らすと柾目模様がキレイなこの石は程よい硬め。



裏はこんな風にかなりのナナメです。
層に平行でない取り方のような気がしますが、そのせいか?研磨力はあるようです。

そして三本目。



中砥です。
五十嵐砥かなあ?
今使っているたぶん五十嵐砥とほぼ同じ見た目と研ぎ感。
かなーりイイです。

それから鉋も一丁。



菊王。



不思議な形の反り台に仕立ててあります。



カエサキのローマ字が時代を感じさせます。
そして残念ながら、裏には深~いそして無数のピンホール状のサビが・・。
ですが久しぶりの再生。めげません。



取り敢えずはこんなところ。
刃先は一分ほど研ぎ落して、裏を思いっきり叩き出し。
ピンホール状のサビがなくなるまで叩いては研いでの繰り返し、
その都度裏スキ修正を数回繰り返して、ひとまず使える状態にはなったようです。

で、いつも色々預けてくれる先輩。
ほれ、って渡してくれるけど絶対にお前にヤル、って言わないんだよねぇ。
そんなところがいい関係なんでしょうか?(笑)

与板ミニ削ろう会に行ってきました!

2016-06-13 20:41:51 | 削ろう会
昨年は前日の夜から長男の季節外れのインフルエンザでドタキャンになってしまった与板の削ろう会。
2年ぶりのこの体育館、僕の削ろう会デビューはこの体育館だったなぁ。

今回の削り台は、



べっぴんシャンと一緒。



舟弘さんの挨拶や、



来月イベントを行う山形の実行委員の方の挨拶をお聞きして、さあいっちょやりますか!

としの今回のお楽しみは杉削りの初挑戦!



山形の金山杉の送り鉋仕上げコンテストです。
参加希望者16名でのトーナメント形式?と言うのかな?
としの順番は3回目の試技ですが、前に削っている方たちの上手いことったら!



ばっちり仕上げられたシラタに、



景色が映る仕上がり。



鉋から出てくる屑もピーンと張った、虹ですよ~。
そして沢山のギャラリーの中、としも削ります。



持ち時間3分の中で、全然思うように仕上げられず。(涙)
削った材の写真を撮る心の余裕もなく一次予選敗退~。
使った鉋は、



均しに宗秋・仕上げに6分5厘勾配に仕込んだ吉國。
鉋は悪くないです。
正直な所結構切れてました。
が、研ぎと仕込みの硬さから耳が立ってしまい、結構はっきりした鉋枕が。(汗)
でもね。これでギャラリーの前で削る度胸もついたし、来年はリベンジだんべ!!

で、脇汗冷や汗変な汗をいっぱいかいたところで薄削りっす。
使った鉋は、



台直しに小森さん。



長台は(たぶん)与板の東国重。



勝負鉋にこれもたぶん与板の御神火。
薄削りに使った鉋は結局これだけ。
薄削りは与板の布陣で固めたのが功を奏したのか、



なんと!午前中は単独トップでの折り返しです~。
が、ここでも課題が。
削った時点では少なくともダメ出しされるような屑じゃあ無いとは思うのですが、
計測に持っていくときにヨジレるワレる。(汗)
そんなこんなで、掲示板には見られたら恥ずかしいような屑が。
同じ削り台のヒデさんや師匠は削ったところを見てくれてるけど、知らない人が見たらよくこんな屑計測に持ってきたな~、って言うような。(汗)
午後はもう少しキレイなまま計測に持ってくぞー!って頑張ったら、



何とかみられる屑のまま計測所まで完走。
しかも一回目より薄いし!

で、結局これ以上の削りはできませんでしたが、薄削りでは3位の記録の様です。
今回薄削りでは明確に順位は付けないそうなので、あくまでも自分の見た範囲の数値だけですがね。
同じ様な数値でも僕よりずっとキレイな削り華を掲示している方も多く、まだまだですねぇ。
結局3ミクロンは出せないし。

そんなこんなであっという間の一日でした。
今回は田村山砥石の尚さんに初めてお会いできたり、憧れの大工さんに杉削りの際に褒めていただいたり、
薄削りも自分的にゼッ好調だったり、最高に楽しめました。

こういった場所や機会を提供してくださる与板の方たちには本当に感謝です。
それからいつも一緒に削ってるヒデさん、



写真これしか無くてゴメンなさい~。

帰り際、一人一人に挨拶できなかったのが心残りですが、皆さんまたよろしくお願いします!