としのブログ

大工の とし の日々の出来事

石田さんの鉋

2015-10-30 21:16:55 | 日記
先日の事ですが、ちょっと現場を中抜けして道具屋さんへ。
なぜか助手席には相方が?
そしてナビが示す道具屋さんにはなかなかたどり着けずに。
で、一時間少々走った先の道具屋さんは、



あれ?なんか来たことある?

そんな訳でHOKUTOさんに二度目の訪問です。
今回の目的はHOKUTO流の研ぎを教えてもらうことと、



いつ研いでも調子の良い、この鉋の作者を鑑定してもらうこと。

まずはこの刃を何も言わず見てもらいました。
で、結果は富山の金山さんの物ではないかということ。
ただし、としが裏隙を削り直してしまった為、一番特徴の出る裏隙や裏と甲の境目の帯の部分がオリジナルじゃあない。
この部分が一番特徴的だそうで、次回からはせめて写真位は撮っておこうと反省です。
それからこのネズミの鉋、炭素鋼なんです。
ご存知の通り、金山さんは青紙使い。
もし金山さんの物だとしたら、かなり昔の物で、タケフの炭素鋼かも?とのことでした。
で、金山さんには弟弟子がいるそうで、その方は白紙も使ったことがあるそうです。
そんな話の流れで見せていただいたのがこちら。



リーズナブル!
裏金も石田作。





肝心の鉋身は、





表馴染みの整形は



あまり気を使っていないようですが、そこはそれ、リーズナブルなだけに遠慮なく自分でガシガシすればオーケー!
地金だって、



かなり良さそうに見えます。
肝心の切れ味はいかがなものか?
早く台打って引きたいけれど、ほんのちょっと先送りです。
理由は順番待ち(笑)。
現在研ぎの練習?をしながら手を付けずにほっておいた鉋の仕込み調整を順番にしています。
このブログの最初にのせた 東源次 やっと使えそうになりました。
それはまた後程。

炭素鋼と特殊鋼

2015-10-25 23:48:07 | 日記
先日の吉國を研ぎ直してみました。



今回は愛宕の巣板で仕上げてます。







まあそれなりですが、



檜での薄削りでは一桁には届いています。
ここの所自宅での研ぎでは炭素鋼に限っていえば、アルミナのパウダーを使うことなくある程度は研げています。
で、問題は特殊鋼。
観察眼が多少こなれてきたので、ずいぶんとアラが目立ちます。
上手く研げない筆頭がコレ。



碓氷健吾さんの千秋。
粘りの強い鋼のようで、それなりに大きく刃返りを出して研いでも欠けにつながることは無いようですが、
刃返りが取れない。




奥殿巣板?での研ぎでは刃返りがあっちに行ったりこっちに来りで全然落ちてくれません。
現状新品下したてだもんで、先裏がすっごく広いので、



刃先だけに砥石が掛かる様に裏の当て方を細工して、今度は中山の戸前?で。






まだ刃返りが落ちきらないようなので、今度は焼成ダイヤ8000番。



切れ刃





一先ず今日はここまで。
檜でのキレは、



いつもと同じ限界点。
7の壁がしばらく続いています。
まあね、11の壁が数年続いたからね。
コンスタントに一桁だけでも上出来としよう(笑)。

サンヨー#4000

2015-10-24 19:36:55 | 買ったもの
先日の集まりの時、とある刃物屋さんもおいでになるとのことで以前から気になっていた人造砥をお願いしました。



馬印4000番。
お話によると佐賀県でかなりこじんまりと作っておられる砥石のようです。
一先ず炭素鋼のこの刃を研いでみました。



黒幕2000番で刃先の潰れをあらかた落としての4000番の研ぎ目は、




切れ刃


あんがい切れそうじゃね?
で、このまま引きました。



が、やはり裏が荒い印象です。
だもんで、続きましてこれです。



アルミナパウダー20000番。
先程杉を引いた刃をそのまま二段研ぎで。




切れ刃


中研ぎをはしょった為か、かなり先端が白いですが、構わず引きます(笑)。





やっぱり艶がねえや(笑)。
きちんと中研ぎからしなくちゃダメだよね。
拡大には否定的な意見も多いようですが?見慣れてくるとダメかな?というのくらいはわかります(笑)。

秘密の出張?

2015-10-21 20:38:00 | 日記
ブログをご無沙汰していたのには訳がありまして、
先の週末に秘密の(笑)出張に行ってまいったわけです。

一番の理由はこの方にお会いすること。
その為に最高の調子に刃を研ぎ上げようと、ブログもほったらかしで試行錯誤していました。
当日は、



としの屑持ちまでして下さって感激しきり!
でもね、前日になっての表馴染みの微調整が裏目に出て、仕込みの偏りで全然良い刃の出にならない。
そんなこともこの人たちに掛かればぜーんぶお見通し。



片手で引いているのは仕込みの片当りを確認するためだとか。
自分が引いているのを見ただけで、わかる人にはわかってしまうのです。

その後も自分の鉋をたくさんの人に引いていただいて、



人工乾燥と思われるナカナカに嫌な部分のある杉材を引いてみたり、



あっという間の週末なのでした。

さて、こちらに戻ってもモチベーションは下がらず、しばらく放置してあった三寸鉋、やっと実働。



二寸五分の杉材を送り鉋なしで一発!気持ちいい!
まだまだ調整が必要ですが、刃は切れてくれているようです。



中古で手に入れたこの鉋、台も付いてきたのですが、



狂いが凄くて木端の直角を直したら押さえ溝の脇が薄くなりすぎて、



手近にあった楢で補強してみたり、



割れ目にアロンアルファを注入したりと満身創痍。
少しだけ幅が広くなっただけで、表馴染みの精度や下端の精度で全然使えない鉋になるんですね。
台打ちも考えてますが、このボロ台をもう少しいじり倒してコツをつかみたいです。

削ってます!

2015-10-14 20:36:48 | 日記
今週は仕上げ削りウィーク。
毎日の様に現場でも研いで削ってやってます。
先日のウォルナットのテーブルは、



すごく素直で気持ちのいい仕上がり。



初めての材料でしたが、いつもの杉板の数倍楽でした。
今回の布陣は、



寸四から寸八まで。
実際こんなに要らないほど素直な材料で気持ちよく削れました。
割った半端ではニッチのカウンターを。



シラタ部分なんで表情はちょっとつまらないんだけど。
実は耳の部分、チョウナはつりでナグッてみましたが、にわか仕込みで化粧ハツリなんて出来る訳もなく・・・。
チョウナのアラをサンダーで仕上げ(笑)。
ハマグリチョウナが欲しくなりましたとさ(笑)。


さて、この後が前半楽した分ハードでしたよ~。
自動を通した後の杉の夏目ですが、



バッサバサ。
もうね、鉋をかける前からヤバさ全開ですよ。
ツッコみどころは沢山あるとは思いますが、今の自分ではこれが精一杯。



でもね、数年前の自分だったら間違いなくサンダーのお世話になる場面だと思う。
好きこそ物の何とやら。
継続は力なり。
ですよね?