としのブログ

大工の とし の日々の出来事

東国重 途中経過

2015-12-29 18:53:53 | 日記
今月20日の練習会でのダメダメぶりに慌てて、薄削りの調子を戻すべく、
薄削りのほうもボチボチやりながら、東国重のお直しも進んでいます。



刃の長さは7ミリほど短くなったよ。
切れ刃のほうは、



刃先角度28度まではもっていけました。
この後さらに手研ぎでグラインダー跡を消すつもり。
裏隙も形はだいたいになったので、後は銑目をもう少し整えます。
今回台は、



以前紹介した羅生門 寸六を購入した時の寸六すり台長台を再使用。
押え溝を広げて馴染みを取り直しているところです。



とりあえずここまでは入るように。

そして薄削りは、



何とか調子を取り戻しつつあるようです。
さて、明日からは正月休み。
東国重を一気に仕上げちゃる!

薄削り不調です

2015-12-24 19:10:04 | 日記
ここしばらく大工を休業中のとしです。(笑)
久しぶりに野丁場にて、置床(アジャスターフロアってやつね)職人として働いてます。
使う筋肉が違うからか?まっさか疲れます。(笑)
で、このせいでは無いのですが、薄削り不調です。
先週の栃木のお師匠様の練習会では写真を撮るのも忘れるほどの不調(笑)。
刃はそれなりに研げているようですが、どれもこれも仕込みがいまいちに感じています。
なので先週から引き続き一台一台仕込みの具合を確認しつつ修正。

の合間に、



こんなん届いちゃったので、そっちもかまってます。
一つ目は、



東国重 だそうな。
思いっきりアレですが、与板の刃なら切れないはずはないので修正してます。
今回はかつて無いほどの大切れ刃!18度!



これでお察しの通り、裏なんかは肩の辺りが全く当たらない素晴らしい裏押し。



台は捨ててしまうとして、久しぶりに本気モードの治療が必要なようです(笑)。

もう一丁は、



寸六ですが、銘すら読めません。
裏金は寸四用だし。
こっちのほうは暖かくなってから手を付けようと思ってます。

東国重の修正は現在かなり進んでいますが、また後程。
皆さん メリークリスマス!

羅生門 寸六

2015-12-17 19:12:43 | 日記
輝虎と同時進行で直していた 羅生門 寸六。



無知なあの頃、刃口を広げるつもりが押え溝の先端まで削ってしまい、
刃先付近の押さえが甘くなっていました。
だもんで押え溝を刃口ゼロで切り直し、刃先付近の密着と刃口の狭さ復活。



当然ながらエポキシのお世話になりましたが、今回は90分硬化を使用。
冬は全然固まらないのね。

仕込みが悪かったせいか余り良い印象が無かったこの刃ですが、



刃の出来はとても良かったようで、



お仕事の削りですが、メッチャ気持ちよく削れてくれます。
一枚台ですが、高温乾燥の杉の、



メキメキ剥がれそうな杢も濡らさずにスッキリ。
柾目なら、



気持ちのいい鏡面仕上げ!
この刃、10年以上放置でしたが、仕込みひとつでこんなに印象が変わるとは。
仕込み、大事ですね。

輝虎 続き

2015-12-13 18:20:45 | 日記
その後も何度も研ぎなおしている輝虎ですが、いくらか刃の付きが良くなってきたようです。
手元に来た時の写真はありませんが、現状でも、



黒いサビが沢山。
特に左側なんか、



ビッシリですな。
肝心の先裏にも、



こんなのや、



こんなのが残ってます。
ここまで2回の裏出し・裏押し。
切れるようになってほしいなー。

それから、鉋 輝虎 で検索すると HOKUTO さんの東京鉋のページにあるんですね。
が、しかし、自分の輝虎にはHOKUTOさんのとこの輝虎にある刻印、絶世之名作、の刻印もないし、
輝虎の刻印も違うしで、別物のようです。
あちらの輝虎をお求めの方、HOKUTOさんのはきっと切れます。
安心してお買い求めを(笑)。

輝虎 寸六

2015-12-11 21:00:52 | 日記
最近寸八の話題がないな~、とお思いのあなた。
そう、あなたですよ!

実のところ最近寸八での薄削り、しておりません。
お仕事の削りで寸八を使うこともしばしばあるのですが、ここの所家紋清久150℃に頼りっぱなし。

だもんで、趣味の鉋いじりは最近寸六の調整にはまってます。
ここでは初紹介かな?
輝虎 寸六 炭素鋼。



とある先輩からの頂き物ですが、放置年数が半端じゃなかったらしく、
裏は酷い黒錆状態。



錆を落として適当な裏金(全鋼)をあしらって、



他の刃が納めてあった台に見た目はともかく今の自分のレベルでは満足いく状態に仕込みました。
今回表なじみの調整に使ったのは外部の補修に使ったグレーのエポキシの余り。
見た目は最悪ですが、刃の当たり具合が目視しやすくて案外気に入りました。
今回、台も少し薄くしたので押さえ棒も75ミリの釘で開けなおし。
これが初めて一発成功!
肝心の刃ですが、



地金は極軟鉄で鋼は厚め。
仕上げは例のナナメのヤツです。
引いてみると、



なんだかもう少し。
杉での艶ですが、



イマイチ切れてないのがわかりますでしょうか?
何度か研ぎなおしてチャレンジしてみたけど、どの砥石を使ってもあまり変わらず。
自分の見解は裏にたくさんあったピンホールと炭素量の少なさが原因かと。
いろんなボロ鉋を再生してますが、裏にピンホール状の錆が出た刃は100倍で穴ぼこが消えて見えてもしばらくはスッキリとした切れにならないようです。
皆さん、裏の錆びた刃には心してかかりましょう!