としのブログ

大工の とし の日々の出来事

練習中

2017-01-31 21:23:07 | 日記
先日の投稿の蟻組を見せるテーブルの練習を時間を作ってやっております。

上手く砥げなかった碓氷さんの鉋も研ぎのコツが掴めた気がした(笑)ので、



数年越しですが裏金を仕込んで現場仕様に。
サンプル用に作ってみているパインの集成材の均しで荒く使っています。



幅は400ミリに割っていますが、僕の自動鉋は300ミリまでしか削れないので仕方なく手鉋でのムラ取りです。
こういう仕事はやっぱり裏金がありがたいですね。



一見平らな集成板もピースごとに厚さが違っていたり反りが出ていたりと、無垢材以上に平面出しが手間っ食いのような。
しかし碓氷鉋、横摺り縦引き斜め掛け、ずいぶん荒く使っても刃持ちはイイです。

それでも度々研ぎ直しは必要でして、研ぎ直しといえば砥石の面直し。



新しいアトマをおろしちゃいました。
アルミベースの単品買いをしたものが小屋の中から出てきまして(笑)、三面摺りした中砥で少しずつ平面修正。



納得のいく状態になった処で両面テープを貼り足して合体!
これで研ぎも捗ろうってもんです。
(僕はアトマのベースは長さ方向でほんの少し中高にしています)

砥石の面直しも楽々になったところで、しっかり砥いだ鑿で蟻組再挑戦!



今度は切り落とせない寸法にまで迫ってしまったサンプル材。
もう少しピシッとした仕事にしたいけど、塗装仕上げ(着色も)の予定なのでどうにか。(汗)



今回はきちんと蟻の頭が勝っているよ。
取り敢えず今日はここまで。
反対側の蟻組はさらに精度よく仕上げたいもんです。

追伸
依頼主様。
洋室のウォークインクローゼット化の見積もり、もう少々お待ちくださいませ。
どうにもプランが頭の中で固まりません。
仕事が遅くてご迷惑おかけします。

相変わらずやっております

2017-01-29 17:48:51 | 日記
先週末、僕の鉋友の集まりが福島にて行われていました。
としは少々理由があり参加できませんでしたが、皆さん楽しそうに美しい鉋華を咲かせていたようです。

そんな中、相変わらずボチボチやっていますよ。

先ずはオンボロを再生した土牛から。



この刃ですが、以前の持ち主のグラインダー痕がいまだに消えず。



実はグラインダー痕はこっち側の刃先部分まで達していまして、



この辺、焼きが鈍っておりました。
引いてみても、



左側、ダメダメですね。
(他の部分も屑が割れてるけどね((笑))
そんな訳でこの刃はあったかくなってからゴシゴシ研ぎおろします。

続いて、



ここのところずっといじっている碓氷さん。
やっぱりうまく砥げずに、



研ぎで刃こぼれ作ってしまいます。
この刃、意外に軟らかくて、ビトの3000番でガンガン研ぎ下りて気が付くとかなりの刃返りが。
この刃返りが非常に取れづらくて、切れ刃をしつこく砥ぎ込んでも小さくならずに、
まっ、いいやっ!
って裏を砥ぐと見事にこぼれるという。(笑)
僕の性格ゆえの失敗だとようやく気が付きました~。
刃こぼれさえなければ、



切れは良好で、軟らかい砥石当たりの割には裏もダレずに永切れすんだけどねえ。



写真わかりづらいけど、割れのせいで筋引きます。

で、修正!
中研ぎを研磨力の弱い、



剛健・輝 3000番に変更して極力刃返りを出さずに合わせ砥に繋ぎ、また戻って少しずつ刃こぼれを減らす研ぎを数回。



ようやく僕レベルでの合格点に~。



いつも削ってる杉のKD材でこのくらい切れれば薄削りでもかなりイケるはず。
しかしこの刃、こぼしてしまった時の研ぎ直しは気を使いそうだなあ。
まだ一裏目なんで使い進んで安定することを期待ですかねぇ。

小屋のほうでは、



蟻組でベッドサイドのテーブルを作れ、とのご依頼に、一先ず練習中。(笑)
こういった組み物はきちんとやったことが無いので、出来る気がゼンゼンしませんが(笑)、
無い知恵を絞って考え考え墨付け刻んでの最初の仮組は、



なんかよさげじゃね?
と思ったのもつかの間、微調整を繰り返して底まで落とすと、



ざんね~ん。空いてますね。



さらに~、ちょっと出っ張っていたほうが都合がよいと思われる蟻の頭が引っ込んでます。
取り敢えず注意点と、作り方は理解できたつもりなので、本番の無垢板を仕入れてエージングが終わるまで、
たっぷり練習が必要なようですね。
つーか、出来るようになるんか?(笑)

穴ぼこアナボコ

2017-01-19 19:15:12 | 日記
昨年の秋に刻んだ新築現場、まだやっております。
色々あって週に3日位しか行ってないんで捗らないですが、ようやく先が見えてきましたよ。

最後に残っていたキッチン周りの仕様がようやく決まったので造作壁を作って、



大工さんなら見慣れた感じですが、下地の状態を見たお施主さん(同級生のお友達)は、
このスペース(間柱の間ね)を収納できるようにしたいって。
言うと思ってはいましたがね~。

先ずはキッチン側を



調味料を置くそうです。
そんでリビング側は、



穴ぼこだらけ。
可動式の棚も欲しいそうなので、



今回初めて棚ダボを使ってみました。
うんまく行くか心配だったけど、こんな便利な時代、ネット検索で 棚ダボ って調べると大変参考になるサイトがあります。
(手柴さんアリガト~!)

木工事も最後になると巾木の取り付けですが、今回は既製品の後付9ミリを使用です。
出隅は自分仕事の時に限って、



このビットで作ってますが、



どうにもバリがミジメです。
既製品の同じ様なのもあるけど、長さが短いんで継がなきゃだしねぇ。
何か良い手がある方、教えてくださ~い。

ビロビロの鉋屑の訳は

2017-01-11 20:56:45 | 日記
ようやく薄削りの出来る状況になった僕の狭い小屋ですが、また一つ課題を抱えてしまいました。
それは、



繋がらない鉋屑。
この写真じゃわかりづらいよね。
一番ひどいのは削り終わりの付近の、



これ。
刃のキレはそこそこなので、台に問題があるのは確かなんです。
下端は刃が出た状態でほぼ問題はなさそう。
つーことは表馴染みの刃先側が浮き気味なんじゃね?と思って刃先側にエポキシをうっすら注入するも、



まだ駄目~。
かなり厚めに削ってるんですがね~。
ちなみに他の鉋(この前の千秋なんか)で暴れた材料を引くときちんと元に戻せます。
???
この鉋が他の鉋と違うところは、



かなり開いてきている(五厘ほど?)刃口しかないんですが・・・?

ここでしばし考えます。
広がった刃口のせいで刃先部分の台の当たる所と刃との間にガタガタの頂点が入り込んで悪循環が続いているんじゃあないかと。



だもんで、埋めてみましたよ~。
で、結果は。



刃の研ぎ直しは敢えてしないでガタガタは解消!
9~10ミクロン程と薄くはないですが口埋め前とは明らかに違う台の挙動。
なんだかな~。
ずいぶん無駄な研ぎ直しと下端均しをしてしまった。

鉋台の刃口の狭さは逆目を止める為だけじゃあないのですね~。
艶やかで均一な削りをする為にはそれなに狭い刃口が必要だと今頃実感。
自分のレベルの低さに今更イヤになりました。(笑)

年末年始2017

2017-01-03 18:35:21 | 日記
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

さて、大晦日から元旦にかけての初仕事?は砥石台作りから。



人造中砥用なのでサックリと。
今回塗料は100均の水生ニスを使ってみます。
数回の重ね塗りも乾燥が早いのではかどりますね。
が、塗膜が薄い。



ま、取り敢えず水は染み込まないでしょう。
と期待。(笑)

そして、久~久の薄削り!
このところイマイチ刃の付きが思わしくない鉋刃を一つ一つ砥ぎ込んでいますが、
この二日ほど碓氷健吾さんの千秋にはまっております。
この刃、刃返り取れないです~。



最近の僕の研ぎはわずかに刃先を丸める様な形で砥ぎ終えていますが、
この刃が珍しく新品だからか、思うような刃が付いてくれません。
それでも久しぶりに薄削りが出来る位小屋が片付いたので、レッツトライ!



数か月ぶりなので僕には上出来かな。



新しい削り材なんですが、やっと生の檜を挽いてもらうルートができましたぜ。
やっぱりグリーン材は削りやすいねえ。
数値も見た目以上に出るようです。

が、目指すのはこの半分!
さらなる刃付を目指して砥ぎ直すこと数回。
仕上げの砥石もあれこれ使いますが、結果は同じよう。
仕方ないので最近は禁じ手にしているGCの粉研ぎ~。



刃線は一気に整います。



期待を込めて引いてみるも~、



あら?かえって厚くネ?
今年も研ぎと削りの謎解きは続きそうです。(笑)

皆さん今年もよろしくお願いします。