としのブログ

大工の とし の日々の出来事

これでも切れてしまうんです

2016-05-31 22:14:54 | 日記
日課の研ぎでは最近メッキリ良い刃を付けられなくなってしまった炭素鋼の鉋を研いでます。

良い刃が付かない理由の一つは管理のミス。
裏にピンホールの始まりとオボシキ腐食が!
なので、少々裏を研ぎ減らそうと、



焼成ダイヤ砥石の3000番で裏を研ぎ減らし、ついでに裏の腐食から来ていると思われる刃毀れを切れ刃のほうから二段研ぎに。
で、もったいないから削り材の均しをこの研ぎで。



って、切れてます。



数値だってこんなに。
で、この状態で刃を抜いて、

切れ刃





切れ刃はすでに潰れてますが、裏の先は木に磨かれてキレイな鏡面になってます。
研ぎ上りから6尺の材料を10数回程度の削りで、かなり材料によって研磨されたようです。

そうなってくるとイタズラ心が。(笑)
今度はダイヤ8000番で同じように二段研ぎ。



切れ刃はピカピカ!



切れ刃





結果はおおよそ予想が付いていますが、もしものこともあるので一応。(笑)



結果


やっぱダメ~!
なんで予想が付いたかって?
そりゃあもう。
以前にもこんなことが何度か。(笑)

研ぎっていろんな要素があって難しい。
だから面白いんだけどねぇ。

刃毀れの原因は?

2016-05-25 21:13:31 | 日記
こんな感じでとってもよく切れていた東国重・長台ですが、
高山から持ち帰って酷使した刃を研ぎトギ。
で、引いてみると・・、刃毀れ?
原因は解っているのです。
ついにヤツのとこまで研ぎ減ってしまった。



ヤツです。(笑)
写真はすでに修整を始めたところですが、まだサビ穴に到達する前に鋼の崩落が始まっていました。
こうなるともう、研ぎ減らすしか無いのですが、写真でお分かりの様に小さ目なヤツがまだ少々点在。
なので、強めに端から端まで裏を出して小さなヤツらも退治しておきます。



大きく屈ませたいので叩くのは鎬寄りに。
養生テープは叩き処の目安と刃先・裏スキの養生に。
何度も貼りなおさなくちゃだけど、案外お気に入り。

まだ修正の途中ですが、



だいぶキレイになりました。



思いの外先裏の幅も広がらず(十分広いけどね)、僕的には上手くいったほう。
この刃は結果切れる刃だったからいいけど、やっすーく手に入れた錆錆鉋はやっぱり手が掛かるねぇ。

荒川家住宅

2016-05-25 20:39:25 | 日記
しばらく間が空いてしまいましたが、高山での削ろう会の帰り道に、国指定重要文化財の荒川家住宅を見学してきました。
この荒川家住宅、築250年を経ているそうで、桁行11間・間口8間。
その他にさらに古い土蔵が併設してあります。



たまには記念写真。(笑)

最初に目についたのは、



こういった細かいトコ。
そして鼻隠しの継ぎ手が、



こんな事になっていたり、



上り淀の上端が千木の様に収めてあったり。
外部だけでも大工の心をくすぐりまくります。
内部にも入って見学することが出来て、



大屋根の作りなどもバッチシわかります。



ヒデさんも一生懸命記録。(笑)
で、常駐のおばさまから教えてもらうまで気が付かなかったのですが、



離れて見るとなんと野地板が栗のヘギ板です。



主に栗のヘギ板(クレと言うそうです)を数枚重ねてその上に細目の丸太を流して、その丸太を石で抑える工法の様。
大屋根の勾配が緩いと思ったんですが、キツイ勾配だと石が転がり落ちてしまうからとか。
地域ごとの工法の差を改めて実感しました。



下屋の野地板が多層になってるのが解りやすかったですが、構造と共に化粧にもなる作り、感動しました。
この建物以外の普通に住まわれている民家も、こちらに比べて屋根の勾配が緩い印象がありましたが、



隣にあるこちらの建物は打って変わって急な勾配。
こちらは時間の都合もあって外からのみの見学でしたので、どの様な建物かもわからずじまい。
いつかもう一度訪ねてみたい、とても気持ちの良い場所でした~。

削ろう会 高山大会!

2016-05-16 22:12:11 | 削ろう会
行ってきました~!高山大会!

今回は秀さんとの二人旅。
いつものサンバーよくこれで来たね~号、では無しに、
秀さんのハイエースに甘えちゃいます。

早速ですが、初日の様子を。
会場に着いて馴染みの方々に挨拶を済ませてまず目についたのは、



屋外ブースのはつり隊の見事!なハツリ!

会場内では、



荒木実行委員長のスピーチが大画面で映る凄い会場!
初日の計測は13時30分からですが群馬班は待っていられず、



秀さん一番手に削り開始~!



自分で打った台にキレイに研がれた刃で、



ピカピカの檜一丁上がり~。
引いてる姿も、



決まってますな~!

計測ですが今回は、



こういった方式で行われるようです。

だいぶ端折って二日目。

朝一から研ぎます。



きむけんさんの隣で。
今回、52年生まれの凄腕集団、52年会からの出場となっている同じ群馬のきむけんさんに僕たち上州鉋友会の削り台にも来ていただいて、



僕の檜を削ってもらいます。



流石に切れてます。



屑もですが、材料の艶もバッチシ!

で、写真がおしまい。
少ないよね。ねぇ、少なすぎるよねぇ。

そうなんです。今回少々夢中になりすぎてしまいました。
ここの所わりあい調子が良いのを勘違いして、
何とか決勝行ってやるべ~!なんて、バカな欲を出すもんだから。
写真は兎も角、仲間の秀さんの削り時間を減らしてもらってまで夢中で削るわ、
同じ削り台の伊予ので~くさん達との交流もろくにしないわ、
師匠たちの削り台に挨拶も行かないわ、で、猛烈に反省しております。

先ずは楽しみあっての結果だかんね。
少しばかり天狗になっていた様で、大事なところを忘れてました。
ホントはチョロチョロしてるネズミなのにねぇ。

で、その結果は?って?

がむしゃらに削らせてくれた秀さんのお陰で、



自己記録を大幅更新!
なんか凄い人たちに挟まれてる。

僕の為に自分の削り時間を割いてくれた秀さんだって、




キレイな削り華を削りだしてきました!
だれです~?ゴルゴ○田なんて思ったのは~?

そんなこんなで、結果は現在の上州鉋友会(二人になっちゃったけど)には十分な結果に。
すべては秀さんの心配りのお陰なんだけどね。
会場でご挨拶できなかった皆さま、今回は少々舞い上がってしまった様です。
こんなヤツですが、今後ともよろしくお願いいたします。


照明変更

2016-05-13 22:12:48 | 日記
練習会で福島の建具屋さんから聞いた一言が気になって、研ぎ場の照明を交換してみました。
これまでは、



蛍光灯のクリップランプ。
そうです、現場用のヤツ。
それを今回、



LEDに交換~。



建具屋K氏によると、LED光源のほうが砥筋が見えやすいらしい。
結論から言うと確かに~!
僕には砥石の付ける筋よりも刃先の白光りが確認しやすくなったのが一番うれしい!
マスマス研ぎが楽しめるってもんです。

で、最近の研ぎにちょっと変化。
中砥の人造1500番か2000番の後に、



天然中砥です。
五十嵐砥なのかな?購入先もどんないきさつで手元にあるのかも今となっては解らない。(笑)
この石は面も締まっていて崩れにくく、そのまま研ぐとちょっとばかし掛かりが悪い感じ。
なので、ダイヤ砥石で泥を出して、



チョット泥出し過ぎですが、こんな感じで研ぐと



すぐに人造砥の砥筋を消してくれます。
地金にはこの石の砥筋が付くものの、鋼はキレイな梨地状に~。
泥を少なく出せば人造3000番程度の仕上がりまでもっていけます。
この後は適当な巣板にでも載せてあげれば、



十分切れる刃に仕上がります。

それから新しい砥石を導入!



って、ウソよん。
これは先日の割れたシャプトン12,000番。
同じくシャプトンの家庭用5000番の裏に張り付けて、側面をカシューで養生です。
パッと見極上の中山に見えた人!
ビョーキですよ。(笑)

ではビョーキ(笑)の皆さん、明日からの高山大会で!
宜しくお願いします~!