としのブログ

大工の とし の日々の出来事

研ぎについて思うこと 2015年1月

2015-01-26 21:34:10 | 日記
今朝は2本の檜の内、油の少ない素直な方を。



魔法の水の効果か?艶はよく出ていますが、平面研ぎの細かい刃毀れのせいでしょう、
これより薄くすると屑がばらけます。
使った鉋は、田中昭吾作・江戸城。



鋼は与板の有名人・M品さんの観察によると、スウェーデン鋼だそうです。
M品さん、ルーペでの観察で鋼の種類を当てられます。
白紙と青紙の違いはもちろん、白紙とスウェーデンの違いまで分かるなんてスゴー!
自分も観察のコツを教えていただきましたが、・・わかんね(笑)。

仕上げたのはこいつ。



奥の門の巣板です。ちと荒い目。
裏を人造の仕上げ砥で磨けばもう少し薄くなったかも。

それとここからは備忘録。
おかしなこと言ってたら突っ込みお願いします。

この冬、研ぎについて思うこと。
小僧の時から平面研ぎにこだわって研ぎものをしてきたわけですが、
数年前、刃先研ぎの威力を知ってしまってから色々迷走してきました。
水色のコンパウンドも使ってみたし、WAの粉での2段研ぎも。
そんな迷走の中で、この冬、やっと自分の目指す方向が固まった気がしてます。

それは、平面ではない平面研ぎ。

わかりづらいですが(笑)。
この冬、平面の研ぎの限界をはっきり感じました。
まだまだ手が決まらないときもありますが、
単純な平面の研ぎはそれなりのレベルで出来ている自信はあります。
しかし時間をかけずに、少ないストロークで切れる刃に仕上げられるようになればなる程、
脆い刃先になっていく。
確かに薄く、艶も上がるようにはなったのですが、いかんせんデリケートすぎる。
なぜか?
おそらくそれは当然のことなんだと。

じゃあ?どうするか。
それが平面ではない平面研ぎ。
鎬の肩を浮かせることがない程度での丸刃とでもいうのでしょうか。
指先の力加減で鋼の先を多めに研ぐ。
決して潰さない様に。
まだ上手く行くことは少ないですが・・。
上手く行ったときは、しゃくり研ぎをしたときと同様以上に切れてくれる。
刃持ちも悪くない。
じゃあ、しゃくり研ぎ(2段研ぎでない刃先研ぎ)を突き詰めた方がいいんじゃないの?
と思われるでしょうが、ここは個人の趣味ってことで(笑)。

ちなみに2段研ぎは自分の場合細かく毀れます。
WAの粉を使ってザクザク刃先を下すようにしないと細かい刃毀れが出ます。
現場では重宝している研ぎ方ですが、自分には薄削り向きじゃあない。
かなり試しましたが、一桁突入までは簡単に行きますが、そこから先は無理なんじゃないかと。
何より自分の趣味じゃないんで(笑)。
追及はやめました(笑)。

それから平面研ぎについて今年中に一つ試しておきたいことがあります。
それは切れ刃の角度。
たとえば24度の切れ刃で檜を削って刃毀れをしても当然でしょ、って思います。
では28度で完全に平面に研がれた刃はどうか?
実は鋭角すぎるんでは?と。
28度の鎬角で刃先を丸めた研ぎをしたとき、
自分の場合は最終的な刃角は32度程度かと。
ならば32度で平面に研げば細かい刃毀れは減るんじゃあないかと。ニヤニヤ。
すくい角については問題ない範囲だと思っています。
憶測ですが(笑)。たぶん5度もあれば全然問題ない。

とりあえずこの冬研ぎについて思っていること。
32度の実験については、まずどの刃を生贄にするか考えなくちゃ。

長文、失礼しました!

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