二、雇用破壊とのたたかいの発展方向について
報告の第二の主題として、雇用破壊とのたたかいの発展方向についてのべます。
雇用破壊とのたたかいは、始まったばかりです。さらにたたかいを広げ、一つひとつのたたかいで勝利をかちとり、継続的な運動としていかに発展させるか。これからがたいへん重要となってきます。私は、たたかいの今後の発展方向として4点をのべたいと思います。
雇用破壊に反対するあらゆるたたかいに連帯し、勝利するために力をつくす
第一は、何よりもまず、現にとりくまれているたたかいに勝利するために、あらゆる力をそそぐことです。すなわち、「非正規切り」など雇用破壊に反対し、直接雇用・正社員化をめざす、一つひとつのたたかいに固く連帯し、勝利するためにあらゆる知恵と力をつくすことであります。
全国の労働者のたたかいによって、この間、重要な成果が獲得されています。「契約期間中途の解雇」については、期間労働者はもとより、派遣労働者であっても、原則として無効であることは、この間のたたかいで明確にされ、多くの成果をかちとっています。この問題では、政府・厚生労働省にも「派遣切り防止」の通達をださせ、「やむを得ない事由」がある場合以外の「中途解雇は違法」ということは明瞭(めいりょう)にされました。
「期間満了での雇い止め」についても、労働局の是正指導などを力に、派遣先に直接雇用の責任を果たさせた経験が生まれ始めていることは、重要であります。同時に、まだそれは部分にとどまっています。労働局に「派遣切り」「雇い止め」の是正を求める申告は、全国で70事業所289人にのぼっており、前向きの対応をおこなった労働局も生まれていますが、それはまだごく一部にとどまり、まともな対応の姿勢が見られない労働局も少なくありません。わが党は、厚生労働大臣にたいして、労働局への申告について、労働者の権利を守る立場で、労働局が速やかに対応するよう申し入れ、大臣もそれを約束しました。「きちんと仕事を果たしていない労働局があれば、個別に提起してください。個々に対応します」ということを大臣に約束させています。労働局に、法令順守と労働者の権利擁護という本来の責任を果たさせるために、国会議員団と全国でのたたかいが連携して、ひきつづき力をつくしていきたいと思います。
わが党が国会質問で明らかにしたように、いま「派遣切り」にあっている労働者の多数は、派遣期間制限の3年を超えて「同一業務」で派遣として働き、本来は解雇どころか正社員になる当然の権利をもつ労働者であります。「期間工切り」にあっている労働者も、短期契約の反復の上での解雇など、違法な解雇権の乱用にあたる場合が多数であります。正社員についても、いま各地の大企業ですすめられている退職強要は違法行為であり、「整理解雇の4要件」を無視した解雇権の乱用は許されるものではありません。現行法でも雇用破壊を食い止める道は存在することを、広く知らせ、たたかいを発展させていくことはひきつづき重要であります。
いまたたかいに立ちあがっている労働者は、団体交渉、労働局申請、労働基準監督署への申し入れ、裁判闘争など、あらゆる方法で、この無法に立ち向かっています。どんなたたかいも、初めから結果がわかっているものはありません。結果として要求が実現することもあれば、不当にも実現しないこともあります。しかし、そのたたかいが大義と道理にたつものであるかぎり、たたかって無駄なたたかいはありません。必ずそれは未来に生きてきます。ここに確信を持ってがんばろうではありませんか。わが党は、このたたかいに連帯し、国会内外の連帯した力で、雇用破壊を許さないためにたたかいぬくものです。
非正規雇用労働者の実態にそくした組織的結集の継続・発展を探求する
第二は、非正規雇用労働者の実態にそくした、組織的結集の継続・発展を探求することであります。
一つひとつのたたかいの帰趨(きすう)が、どのようなものとなったとしても、立ちあがった労働者のたたかいを一時のものとせず、ひとたび組織的に結集した労働者が、ひきつづき階級的連帯・団結の道を歩んでいけるように、新たな探求と努力をはかりたいと思います。
雇用破壊とのたたかいで勝利して、直接雇用・正社員化をかちとるならば、その職場でさらにたたかいを発展させることができます。
仮にそれがかなわず、職場を移る場合でも、つぎの二つの点で、組織的結集を継続・発展させるように力をつくします。
一つは、職場を移っても労働組合員として引き続きがんばっていけるような道の探求であります。ある電機産業の大企業で働いていた派遣労働者は、不当な雇い止めに反対するために、組合を立ち上げ、派遣元との団体交渉で解決金をかちとるという重要な成果をあげ、その組合としては解散しましたが、ひきつづき産業別の地方組織に残り、新しい職場が見つかったら、そこに階級的組合をつくって奮闘する決意をのべていました。これまでの労働争議の場合は、解決金をかちとって勝利解決をした場合には、労働組合が解散になり、組織的結集が断たれてしまう場合もありましたが、この間の特徴は、そうした場合でも、階級的自覚を高め、ひきつづき労働組合員として奮闘する決意を固めている場合が少なくないということにあります。これはたいへんに重要であります。
全労連は、一貫して、地域労連とそのもとでの個人加盟の地域労組(ローカルユニオン)の強化・結成の方針を打ちだしてとりくみを強めています。この地域労組が、産業別の地方組織と並んで、いま全国で「非正規切り」とのたたかいの組織化の主体として力を発揮しています。こうした動きとの連携を大いに強めたいと思います。
いま一つは、全国で頑張っている日本共産党組織の草の根のネットワークが、たたかいに立ちあがった労働者を温かく支え、連帯の絆(きずな)となっていくことであります。
第1回「講座」では、「連合系の組合でも、全労連系の組合でも、未組織労働者のなかでも、組織労働者のなかでも、正規労働者のなかでも、非正規労働者のなかでも、党をつくったら、つくったところに根をおろして、党組織を発展させる。そして党組織のネットワークが、職場労働者全体の連帯のネットワークになっていくようなとりくみが大切」と指摘しました。この見地がいよいよ大切であります。日本共産党の草の根のネットワークは、全国どこにいってもあるわけですから、このネットワークが労働者を支え、ともにたたかうということが大切であります。
この間、「派遣切り」などにあって、たたかいに立ちあがっている労働者が、いま次つぎと入党してきています。入党した労働者が、共通して「どこに行っても党員として頑張る」、「党に助けてもらった。今度は助ける側に回る」、「しっかり学習をして、世の中のしくみを知りたい」などと、積極的決意を語っていることは、本当にうれしいことであり、わが党にとっての宝ともいうべき大切な同志であります。その初心が生かせるように、懇切な学習・教育への援助とともに、支部会議への参加、党費納入、「しんぶん赤旗」購読など、党生活の確立のための親身の援助をおこないます。どこに行っても同じ日本共産党員として頑張れるように、転籍のさいには組織的連絡を緊密におこないます。
そのさい、地域支部との連携も大切であります。静岡県西部地区委員会では、昨年9月以降、入党した41人のうち、「派遣切り」をはじめ労働・生活相談をつうじて入党した同志が29人いますが、29人全員の所属支部が決まり、全員が「しんぶん赤旗」を購読し、新しい生活へのスタートを切っています。
新しい同志たちは、「入党したのだから、共産党のことを語り、広げたい」という思いが強く、学習の意欲も高いのが特徴です。職場支部、地域支部、党機関、議員団などが一体になって、連携を強め、新たに入党した同志たちの生活再建とともに、党員としての成長を温かく援助し、わが党の誇る草の根のネットワークが、労働者にとっての人間的連帯のかけがえのない絆となるように、力をつくすことをよびかけるものです。
「社会的連帯で反撃を」――正規と非正規との連帯、国民的連帯の発展を
第三は、「社会的連帯で反撃を」という見地を、あらゆる面で強めることであります。
正規労働者と非正規労働者との連帯をさらに強めたいと思います。
第1回「講座」では、「正規労働者から非正規労働者への働きかけが大切」と強調しました。非正規雇用労働者の立場からすれば、なかなか職場での不満や要求を口にだしづらい。それを代わりに正規労働者として働く仲間が言うことによって、連帯をつくっていこうということを提起しました。この提起を受け、正規労働者が非正規労働者の悩みに心を寄せて、雇用破壊とのたたかいをともにすすめる経験が全国に生まれています。いま立ちあがっている非正規労働者のたたかいのほとんどは、正規労働者との連帯のなかで立ちあがっていることが特徴であります。
そして、そのことにとりくむなかで、正規労働者の側も階級的自覚を高め、正規労働者のなかでの活動も活発になっているのも特徴です。非正規労働者の雇用を守り、正社員化をはかることは、正社員の労働条件を改善し、雇用を守るうえでも死活的に重要な課題であり、そのことを職場全体の要求にしていく努力をひきつづきはかりたいと思います。
民間大企業とともに、公務員、教職員のなかでも、非正規労働者の急激な増大があり、正規と非正規との連帯は、労働者階級のあらゆる階層のなかで、きわめて重要な課題となっていることを、強調しておきたいと思います。
労働組合のナショナルセンターの違いをこえた連帯をさらに発展させたいと思います。栃木県では、全労連系の組合と、上部団体を持たない組合が、ともに共同して「非正規雇用労組ネット栃木」を発足させて、連帯してたたかっています。さらに大学教授、弁護士、医師らが呼びかけて、「『非正規雇用労組ネット栃木』を支える会」が発足しています。立場の違いをこえた連帯、広い市民団体・個人との国民的連帯を大いに追求することを、訴えるものであります。
日本共産党の前進・躍進で、「政治を変え、職場を変えよう」
第四に、「政治を変え、人間らしい労働のルールをつくる」ことこそ、根本的な解決の道であるということです。そのことの重要性は、この間のたたかいのなかで、多くの労働者が自らの体験をつうじて実感していることだと思います。
私たちは、現行労働者派遣法のもとでも雇用破壊を止める道はあると、いま、たたかいをすすめていますが、同時に、この法律がいかに派遣労働者の保護にとって役立たない法律か、いかに派遣先企業に都合のよい仕掛けになっている法律かを、いやというほど体験させられています。よくもこんな悪辣(あくらつ)な法律をつくったものだと、つくづく痛感させられます。労働者派遣法を1999年の改悪前に戻す抜本改正をおこない、登録型派遣を原則禁止し、「みなし雇用」の制度を導入するなど労働者保護法に根本的に改正することは、急務となっていることを強調しなければなりません。
また、ヨーロッパでは当たり前になっている均等待遇のルールを確立すること、有期雇用の規制のルールをつくること、解雇規制をはじめリストラ規制のルールをつくること、長時間労働を規制する法的措置をとるとともに「サービス残業」を一掃すること、全国一律最低賃金制をつくり、その水準を抜本的に引き上げることに力をつくします。
さらに雇用保険・失業給付を、すべての失業者が受給できる制度とし、給付水準の引き上げとともに給付期間を抜本的に延長することは、失業者の生活を守ることはもとより、労働市場の底上げを保障し、「働く貧困層」をなくしていくうえでも重要であります。
日本共産党の前進・躍進で、「政治を変え、職場を変えよう」、「人間らしい労働のルールをつくろう」――このことを合言葉に、来るべき総選挙・都議選での勝利に全力をあげようではありませんか。
(出所:日本共産党HP 2009年4月28日(火)「しんぶん赤旗」)
報告の第二の主題として、雇用破壊とのたたかいの発展方向についてのべます。
雇用破壊とのたたかいは、始まったばかりです。さらにたたかいを広げ、一つひとつのたたかいで勝利をかちとり、継続的な運動としていかに発展させるか。これからがたいへん重要となってきます。私は、たたかいの今後の発展方向として4点をのべたいと思います。
雇用破壊に反対するあらゆるたたかいに連帯し、勝利するために力をつくす
第一は、何よりもまず、現にとりくまれているたたかいに勝利するために、あらゆる力をそそぐことです。すなわち、「非正規切り」など雇用破壊に反対し、直接雇用・正社員化をめざす、一つひとつのたたかいに固く連帯し、勝利するためにあらゆる知恵と力をつくすことであります。
全国の労働者のたたかいによって、この間、重要な成果が獲得されています。「契約期間中途の解雇」については、期間労働者はもとより、派遣労働者であっても、原則として無効であることは、この間のたたかいで明確にされ、多くの成果をかちとっています。この問題では、政府・厚生労働省にも「派遣切り防止」の通達をださせ、「やむを得ない事由」がある場合以外の「中途解雇は違法」ということは明瞭(めいりょう)にされました。
「期間満了での雇い止め」についても、労働局の是正指導などを力に、派遣先に直接雇用の責任を果たさせた経験が生まれ始めていることは、重要であります。同時に、まだそれは部分にとどまっています。労働局に「派遣切り」「雇い止め」の是正を求める申告は、全国で70事業所289人にのぼっており、前向きの対応をおこなった労働局も生まれていますが、それはまだごく一部にとどまり、まともな対応の姿勢が見られない労働局も少なくありません。わが党は、厚生労働大臣にたいして、労働局への申告について、労働者の権利を守る立場で、労働局が速やかに対応するよう申し入れ、大臣もそれを約束しました。「きちんと仕事を果たしていない労働局があれば、個別に提起してください。個々に対応します」ということを大臣に約束させています。労働局に、法令順守と労働者の権利擁護という本来の責任を果たさせるために、国会議員団と全国でのたたかいが連携して、ひきつづき力をつくしていきたいと思います。
わが党が国会質問で明らかにしたように、いま「派遣切り」にあっている労働者の多数は、派遣期間制限の3年を超えて「同一業務」で派遣として働き、本来は解雇どころか正社員になる当然の権利をもつ労働者であります。「期間工切り」にあっている労働者も、短期契約の反復の上での解雇など、違法な解雇権の乱用にあたる場合が多数であります。正社員についても、いま各地の大企業ですすめられている退職強要は違法行為であり、「整理解雇の4要件」を無視した解雇権の乱用は許されるものではありません。現行法でも雇用破壊を食い止める道は存在することを、広く知らせ、たたかいを発展させていくことはひきつづき重要であります。
いまたたかいに立ちあがっている労働者は、団体交渉、労働局申請、労働基準監督署への申し入れ、裁判闘争など、あらゆる方法で、この無法に立ち向かっています。どんなたたかいも、初めから結果がわかっているものはありません。結果として要求が実現することもあれば、不当にも実現しないこともあります。しかし、そのたたかいが大義と道理にたつものであるかぎり、たたかって無駄なたたかいはありません。必ずそれは未来に生きてきます。ここに確信を持ってがんばろうではありませんか。わが党は、このたたかいに連帯し、国会内外の連帯した力で、雇用破壊を許さないためにたたかいぬくものです。
非正規雇用労働者の実態にそくした組織的結集の継続・発展を探求する
第二は、非正規雇用労働者の実態にそくした、組織的結集の継続・発展を探求することであります。
一つひとつのたたかいの帰趨(きすう)が、どのようなものとなったとしても、立ちあがった労働者のたたかいを一時のものとせず、ひとたび組織的に結集した労働者が、ひきつづき階級的連帯・団結の道を歩んでいけるように、新たな探求と努力をはかりたいと思います。
雇用破壊とのたたかいで勝利して、直接雇用・正社員化をかちとるならば、その職場でさらにたたかいを発展させることができます。
仮にそれがかなわず、職場を移る場合でも、つぎの二つの点で、組織的結集を継続・発展させるように力をつくします。
一つは、職場を移っても労働組合員として引き続きがんばっていけるような道の探求であります。ある電機産業の大企業で働いていた派遣労働者は、不当な雇い止めに反対するために、組合を立ち上げ、派遣元との団体交渉で解決金をかちとるという重要な成果をあげ、その組合としては解散しましたが、ひきつづき産業別の地方組織に残り、新しい職場が見つかったら、そこに階級的組合をつくって奮闘する決意をのべていました。これまでの労働争議の場合は、解決金をかちとって勝利解決をした場合には、労働組合が解散になり、組織的結集が断たれてしまう場合もありましたが、この間の特徴は、そうした場合でも、階級的自覚を高め、ひきつづき労働組合員として奮闘する決意を固めている場合が少なくないということにあります。これはたいへんに重要であります。
全労連は、一貫して、地域労連とそのもとでの個人加盟の地域労組(ローカルユニオン)の強化・結成の方針を打ちだしてとりくみを強めています。この地域労組が、産業別の地方組織と並んで、いま全国で「非正規切り」とのたたかいの組織化の主体として力を発揮しています。こうした動きとの連携を大いに強めたいと思います。
いま一つは、全国で頑張っている日本共産党組織の草の根のネットワークが、たたかいに立ちあがった労働者を温かく支え、連帯の絆(きずな)となっていくことであります。
第1回「講座」では、「連合系の組合でも、全労連系の組合でも、未組織労働者のなかでも、組織労働者のなかでも、正規労働者のなかでも、非正規労働者のなかでも、党をつくったら、つくったところに根をおろして、党組織を発展させる。そして党組織のネットワークが、職場労働者全体の連帯のネットワークになっていくようなとりくみが大切」と指摘しました。この見地がいよいよ大切であります。日本共産党の草の根のネットワークは、全国どこにいってもあるわけですから、このネットワークが労働者を支え、ともにたたかうということが大切であります。
この間、「派遣切り」などにあって、たたかいに立ちあがっている労働者が、いま次つぎと入党してきています。入党した労働者が、共通して「どこに行っても党員として頑張る」、「党に助けてもらった。今度は助ける側に回る」、「しっかり学習をして、世の中のしくみを知りたい」などと、積極的決意を語っていることは、本当にうれしいことであり、わが党にとっての宝ともいうべき大切な同志であります。その初心が生かせるように、懇切な学習・教育への援助とともに、支部会議への参加、党費納入、「しんぶん赤旗」購読など、党生活の確立のための親身の援助をおこないます。どこに行っても同じ日本共産党員として頑張れるように、転籍のさいには組織的連絡を緊密におこないます。
そのさい、地域支部との連携も大切であります。静岡県西部地区委員会では、昨年9月以降、入党した41人のうち、「派遣切り」をはじめ労働・生活相談をつうじて入党した同志が29人いますが、29人全員の所属支部が決まり、全員が「しんぶん赤旗」を購読し、新しい生活へのスタートを切っています。
新しい同志たちは、「入党したのだから、共産党のことを語り、広げたい」という思いが強く、学習の意欲も高いのが特徴です。職場支部、地域支部、党機関、議員団などが一体になって、連携を強め、新たに入党した同志たちの生活再建とともに、党員としての成長を温かく援助し、わが党の誇る草の根のネットワークが、労働者にとっての人間的連帯のかけがえのない絆となるように、力をつくすことをよびかけるものです。
「社会的連帯で反撃を」――正規と非正規との連帯、国民的連帯の発展を
第三は、「社会的連帯で反撃を」という見地を、あらゆる面で強めることであります。
正規労働者と非正規労働者との連帯をさらに強めたいと思います。
第1回「講座」では、「正規労働者から非正規労働者への働きかけが大切」と強調しました。非正規雇用労働者の立場からすれば、なかなか職場での不満や要求を口にだしづらい。それを代わりに正規労働者として働く仲間が言うことによって、連帯をつくっていこうということを提起しました。この提起を受け、正規労働者が非正規労働者の悩みに心を寄せて、雇用破壊とのたたかいをともにすすめる経験が全国に生まれています。いま立ちあがっている非正規労働者のたたかいのほとんどは、正規労働者との連帯のなかで立ちあがっていることが特徴であります。
そして、そのことにとりくむなかで、正規労働者の側も階級的自覚を高め、正規労働者のなかでの活動も活発になっているのも特徴です。非正規労働者の雇用を守り、正社員化をはかることは、正社員の労働条件を改善し、雇用を守るうえでも死活的に重要な課題であり、そのことを職場全体の要求にしていく努力をひきつづきはかりたいと思います。
民間大企業とともに、公務員、教職員のなかでも、非正規労働者の急激な増大があり、正規と非正規との連帯は、労働者階級のあらゆる階層のなかで、きわめて重要な課題となっていることを、強調しておきたいと思います。
労働組合のナショナルセンターの違いをこえた連帯をさらに発展させたいと思います。栃木県では、全労連系の組合と、上部団体を持たない組合が、ともに共同して「非正規雇用労組ネット栃木」を発足させて、連帯してたたかっています。さらに大学教授、弁護士、医師らが呼びかけて、「『非正規雇用労組ネット栃木』を支える会」が発足しています。立場の違いをこえた連帯、広い市民団体・個人との国民的連帯を大いに追求することを、訴えるものであります。
日本共産党の前進・躍進で、「政治を変え、職場を変えよう」
第四に、「政治を変え、人間らしい労働のルールをつくる」ことこそ、根本的な解決の道であるということです。そのことの重要性は、この間のたたかいのなかで、多くの労働者が自らの体験をつうじて実感していることだと思います。
私たちは、現行労働者派遣法のもとでも雇用破壊を止める道はあると、いま、たたかいをすすめていますが、同時に、この法律がいかに派遣労働者の保護にとって役立たない法律か、いかに派遣先企業に都合のよい仕掛けになっている法律かを、いやというほど体験させられています。よくもこんな悪辣(あくらつ)な法律をつくったものだと、つくづく痛感させられます。労働者派遣法を1999年の改悪前に戻す抜本改正をおこない、登録型派遣を原則禁止し、「みなし雇用」の制度を導入するなど労働者保護法に根本的に改正することは、急務となっていることを強調しなければなりません。
また、ヨーロッパでは当たり前になっている均等待遇のルールを確立すること、有期雇用の規制のルールをつくること、解雇規制をはじめリストラ規制のルールをつくること、長時間労働を規制する法的措置をとるとともに「サービス残業」を一掃すること、全国一律最低賃金制をつくり、その水準を抜本的に引き上げることに力をつくします。
さらに雇用保険・失業給付を、すべての失業者が受給できる制度とし、給付水準の引き上げとともに給付期間を抜本的に延長することは、失業者の生活を守ることはもとより、労働市場の底上げを保障し、「働く貧困層」をなくしていくうえでも重要であります。
日本共産党の前進・躍進で、「政治を変え、職場を変えよう」、「人間らしい労働のルールをつくろう」――このことを合言葉に、来るべき総選挙・都議選での勝利に全力をあげようではありませんか。
(出所:日本共産党HP 2009年4月28日(火)「しんぶん赤旗」)
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