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労働者派遣法の抜本改正にとりくむうえで大切なことは何か-志位和夫委員長がおこなった連帯あいさつー

2009-05-15 23:57:00 | 国内政治
派遣法 抜本改正を
雇用破壊に反対するたたかいと一体に
東京 集会・国会デモ

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 労働者派遣法の抜本改正を求める集会が十四日夜、東京・日比谷野外音楽堂で開かれました。幅広い労働組合や弁護士らでつくる「派遣法抜本改正を求める共同行動」の主催で、約千人が参加。集会後、国会へデモ行進しました。

 「抜本改正を」「実現しよう」。参加者は、会場隣の厚生労働省などに向け、大きな唱和を何度も響かせました。

 ルポライターの鎌田慧氏や「年越し派遣村」の湯浅誠村長らが、「人間をつぶす働き方をやめさせよう」と訴えました。

 派遣村で命をつないだ労働者や、大分キヤノン、三菱ふそう、マツダ、阪急トラベル、トルコ航空など大企業の「派遣切り」とたたかう各地の組合員が登壇。「使い捨てのような働かせ方をなくしてほしい」「正社員化を求めてたたかっている」と発言するたびに、「がんばれ」の声や拍手がわきおこりました。

 日本共産党の志位和夫委員長はじめ、民主、社民の代表があいさつしました。

 集会では、四野党共同の話し合いはこれからで登録型派遣の原則禁止をはじめとする抜本改正案が実現するよう、世論と運動を強めようと行動提起が行われました。

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志位委員長あいさつ
 連帯あいさつした日本共産党の志位和夫委員長は、労働者派遣法の抜本改正の取り組みは、「非正規切り」に反対するたたかいへの連帯・支援と一体で取り組むことが重要だと強調。解雇の多くが現行法に照らしても違法・無法だとし、「それを許さずたたかうことこそが、人間らしい労働のルールをつくる力となり、派遣法抜本改正の力となる」と訴えました。

 その上で、たたかいの教訓を生かした実効ある抜本改正が必要だとのべ、▽登録型派遣は専門業務に限定し原則禁止、一九九九年の原則自由化前に戻す▽製造業派遣の禁止▽違法行為をした派遣先に、直接雇用・正社員化の義務を負わせる「みなし雇用」の導入▽派遣先の労働者との均等待遇のルールを確立する―ことを求めました。

たたかいこそ人間らしい
労働のルールをつくる力
労働者派遣法の抜本改正にとりくむうえで
大切なことは何か
日比谷集会 志位委員長の連帯あいさつ

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 十四日、「労働者派遣法の抜本改正をめざす日比谷集会」(東京・日比谷野外音楽堂)で、日本共産党の志位和夫委員長がおこなった連帯あいさつは次の通りです。

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 みなさん、こんばんは。日本共産党を代表して熱い連帯のあいさつを送ります。

雇用破壊に反対するたたかいと一体に法改正を

 労働者派遣法の抜本改正にとりくむうえで、私はつぎの二つの点が大切だと思います。

 一つは、いま全国でとりくまれている「派遣切り」「期間工切り」に反対するたたかいへの連帯・支援と一体に法改正にとりくむことであります。

 この間、五千人をこえる労働者が二百数十の労働組合に結集して、企業との団交、労働局への申告、裁判闘争など、あらゆる手段をつくして立ち上がっています。

 一昨日には、宇都宮地裁で、いすゞの「期間工切り」に対して、中途解雇通告は違法、その後とられた一方的な賃金60%へのカットも違法、差額賃金支払いを命じる全面勝利判決がくだりました(「よし」の声、拍手)。これは大企業による「非正規切り」に対する初の司法による断罪であり、私は、みなさんとともにこの成果を喜びたいと思います。

 「非正規切り」は現行法に照らしても圧倒的多くが違法・無法であります。それを許さずたたかうことこそが、人間らしい労働のルールをつくる力となり、派遣法抜本改正の力となります。それは立ち上がっている労働者の共通の気持ちでもあると思います。たたかいこそルールをつくる力です。私は、全国で勇気をもってたたかいに立ち上がっているすべての仲間に、かたく連帯して、最後までたたかいぬく決意を申し上げるものです。(拍手、指笛)

「非正規切り」とのたたかいの教訓を生かした法改正を

 いま一つは、今回のような「非正規切り」を二度と許さないという立場から、派遣法改正を真に実効あるものにするということであります。

 私たちは「非正規切り」とのたたかいのなかで、現行派遣法がいかに労働者保護にとって役立たないか、いかに派遣先企業に都合のよい仕掛けかをいやというほど体験してきました。その教訓を生かした改正が必要であります。私たちは、少なくともつぎの点が必要不可欠だと考えます。

 第一に、登録型派遣は、専門業務に厳しく限定し、原則禁止にすべきです(「よし」の声、拍手)。登録型という働かせ方が、どんなに不安定なものか、どんなに残酷なものかは、「派遣切り」とのたたかいで誰の目にもはっきりしました。「一九九九年の労働者派遣法の原則自由化前に戻せ」で団結してたたかおうではありませんか。(拍手)

 第二に、製造業に対する派遣は、どんな形であれ禁止すべきです(「そうだ」の声)。今回の「派遣切り」をみても、景気が良いときには大規模に派遣に置き換え、景気が悪くなったら「調整弁」として大規模に切り捨てる、派遣労働の害悪が最も大規模に噴出しているのが製造業であります(「そうだ」の声)。いま製造業で働いている派遣労働者を直接雇用・正社員に移行する措置をとりながら、製造業への派遣は禁止だとはっきり明記することが、どうしても必要であります。(拍手)

 第三に、受け入れ企業が違法行為を行ったら、直接雇用・正社員化の義務を負う「みなし雇用」を導入すべきです。「非正規切り」とのたたかいで、偽装請負、期間制限違反、違法「クーリング」、短期・細切れ契約の反復など、現行法すら無視した違法の横行が明らかになりました。こうした無法をなくし、受け入れ企業に雇用責任を果たさせるためには、「みなし雇用」の導入が不可欠であります。(「その通り」の声、拍手)

 第四に、均等待遇のルールを確立すべきです。賃金も、有給休暇も、団体交渉権も、派遣労働者と派遣先の労働者の待遇を均等にするルールが必要です。ドイツなどこのルールがあるところでは、派遣労働者の方が受け入れ企業にとってコスト高になり、正社員に移行する仕組みとしても機能しています。日本でもしっかりした均等待遇のルールの確立をはかろうではありませんか。(拍手)

 人間が人間らしく働ける労働のルールをつくるために、最後までともにたたかう決意を表明してあいさつとします。ともに頑張りましょう。(「よし」の声、大きな拍手)

(出所:日本共産党HP  2009年5月15日(金)「しんぶん赤旗」)
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66 コメント

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共産党はもっと現実的な提案を! (通りすがり)
2009-05-16 12:50:35

 「登録型派遣原則禁止→直接雇用」との考えなのかもしれないが、実際に原則禁止を行った場合、失業者が増えるだけではないか。グッドウィル廃業の時のことや、日雇い派遣禁止法のことを思い出した方がいい。グッドウィルや日雇い派遣労働者は実質数万人であったから、被害はまだ小さかったが、登録派遣の人は百万人以上いるため、被害はより甚大になる。

 「製造業の派遣が危険」という点についても、もともとの職場が危ない場所であるだけで、正社員になったって同じように危ない。派遣の労災件数の増加は、派遣労働者数の増加と、労災報告の周知が進んだことが原因だ。
 確かに、ほんの一部の派遣労働者が、製造業等でより悲惨な目に逢っていることはあるだろうが、それだけを見て、製造業への派遣を全面禁止するという発想につなげるのは短絡的。

 「みなし雇用」は実現可能性があまりに低く、実現しても効果はないだろう。(失業するし、仮に雇用されても企業は違法そのものを隠すから)「均等待遇」などとれば、数十%の労働者が失業するだろう。

 共産党の「労働者の立場に立つ」という姿勢はいいと思うが、党員が高学歴で頭脳明晰なわりに、多くの話が極端すぎるのと、現実的でないことばかりいうので、悲しい。
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Unknown (すまり)
2009-05-16 15:03:17
実際、昨年末の派遣切も、一部の推測として
「派遣3年問題を控え、3年問題の執拗な追及対策に頭を痛めていた企業が、不況という格好の契約解除(契約更新しない)の口実を与えられた」
という意見もある。

世の中でよくある話だが、現実をきちんと見ないで(見たふりをして、見た気になって)極端な改善をしようとすると、現実をめちゃくちゃにすることが多々ある。

製造業では「三現主義」という言葉がある。
現実に現場を見て「現実的に」考えないと、理想だけではダメってこと。
それは現実を認めるという消極的な反論じゃなくて「現実を見ない利害調整なしの対策は破綻する」
ってことですよ。

そもそも、労働者の待遇改善を急げというなら、まず自分の専従職員の待遇改善を率先してやって、やれることを世に示せばよいと思うのだが。

なぜそれをしないのか不思議。
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Unknown (todo)
2009-05-16 17:15:11
>共産党の「労働者の立場に立つ」という姿勢はいいと思うが、党員が高学歴で頭脳明晰なわりに、多くの話が極端すぎるのと、現実的でないことばかりいうので、悲しい。

言うは安し。行うはかたし。
人にやれっていうのは簡単なんですよ。本気かどうかすらもアヤシイ。

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直接雇用になっても。。。 (くろねこ)
2009-05-16 18:19:45
「派遣→直接雇用」も残酷だよ。

 不景気でも、NTTだけは「凄まじいぼろ儲け」だが・・・下請けは搾り取られて大変だ。
 契約社員に待遇改善して、無理なノルマ設定されて、達成できなければ、雇い止め。
いくらなんでも「鬼」だ。

 赤旗は、なぜか全然騒がないが・・・
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200905120056.html
 
 赤旗に書いてある事は???単純には解決しない。応急処置しながら、考えていくしかないと思う。
 と言う事で、いつものぼやきはこの程度にして・・・

 真面目な話「東西さん個人」は、どの国の労使モデルが良いと思う?

 解雇規制を強化すれば、既得権に守られればおいしいが、溢れた人は戻れなくなる。

(一部?)正規公務員のように地位が守られて高額な報酬が確約。結果として「住民見ないで、上にゴマすり」にもなる。あるいは権利だ!人権だ!とか馬鹿騒ぎして、住民に迷惑をかける。
 「既得権のある労働者」に、「それ以外の労働者」「会社」が振り回わされる。

 解雇規制を弱くすれば、安易に首切りが起きる。「会社」に「労働者の生活」が振り回される。

どこで「バランス」を取るか?だと思う。

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Unknown (todo)
2009-05-16 18:50:42
派遣営業も過酷らしい。楽してるのは中核女だけですよ。
相当昔の話ですが派遣の仕事をしたことがあります。もう詐欺ですな。履歴書は完全に改ざん
。派遣先にも当方にもいいことしか言わない。
当然揉めるわけですよ。そこを営業が中に入って、ダマシ、ダマシ。そのうちなんとなく慣れてきて続くんですよ。でも今と違うのは決定的に人手不足だったことです。「人を集めてこいというから、集めてやったんだ」みたいな、単なるアタマ数という人もずいぶんいたなぁ。


http://makegumi.livedoor.biz/archives/50982076.html
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Unknown (すまり)
2009-05-16 19:29:11
雇用の安定化は、どうしても労働市場の固定化を招く。
以前の日本は、転職に非常に冷淡だった。
一部のヘッドハンティング以外は、転職は落ちこぼれの第一歩であり、点職歴がある人間は、何か欠点があるのではないかと考えられていた時期もある。

つまり、東西南北氏のいう雇用の安定が実現した場合、逆に「そこからはみ出た人間」はそこでアウトとなる。なぜなら安定した雇用なら、定期採用以外に枠は実質あかないから。

今の問題は、派遣とか非正規雇用とかよりも、いまだに新卒に偏った採用状況のほうじゃないかと。
実力があれば、どこへ行っても這い上がれる、年齢に見合った能力があれば年齢は関係ない。
そうなっていないのが、ひとつの理由だと思うがね。

>人にやれっていうのは簡単なんですよ。本気かどうかすらもアヤシイ。

労働者の生活向上を掲げるなら、自分の労働者の生活はすでに向上しているべきですよね。
それができていないということは、現実には無理なことを言っているということじゃないでしょうか。
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Unknown (todo)
2009-05-16 19:34:01
しかし、中核女の労働は誰が需要しているのでしょうか?
経済学の教えるところでは、需要がなければ価格はゼロです。中核女に勤勉手当を支給する根拠はなんなんでしょうか。
他人様の稼ぎを根拠もなく暴力を持ってむさぼる。これが罪悪でなくて何が罪悪なんでしょうか。

十戒をもって神はこう言われる。
「盗んではならない」
返信する
Unknown (すまり)
2009-05-16 19:36:09
問題は、公務員に「危機感」がないことでしょう。
平等とか権利とかの名のもとに、能力がなくても雇用が崩れない。
だから、努力しなくてもつぶれないし左遷されないし、左遷されても雇用は保障される。

そもそも、年上の立場が上の人間への話し方「すら」できないのですからね。
(いっていることが正しい間違っている以前の問題ですから)
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通りすがりさんへ。 (東西南北)
2009-05-16 20:59:27
 通りすがりさんへ。

 登録型派遣を禁止ししたところで、直接雇用のパート、アルバイト、有期契約の直接雇用に移行するだけというのが企業資本側の論理ではないでしょうか?これに対して、労働者・労働組合、勤労国民、各政党が、どのように反撃していくか?その社会的連帯の力を高めていくことが企業社会の現実を労働者・人間生活重視の社会現実へ変革していく力ではないでしょうか?

 労働災害についても、企業資本側の安全配慮義務違反が原因であって、派遣労働者を含む労働者全体の問題ですが、特に、危険な仕事について部品のように扱われている派遣労働者へ矛盾が集中しやすいということではないでしょうか?本名があるにもかかわらず、いわゆる「派遣さん」と呼ばれている問題です。

 「みなし雇用」についても、原則は、直接雇用、無期限の雇用契約を締結することが基本であって、企業資本側は、利益を増やしたいわけですから、そんな原則に賛成するわけがありません。ごく例外的に同じ人間であるという良心的なヒューマニズムに満ち溢れた経営者が存在するかもしれませんが、通りすがりさんのいうようなことが大企業資本家・経営者の現実です。

 日本共産党のいうように、大企業の資本が原因となって作り出している資本主義社会の現実に対抗する、もう一つの現実を実現していく力が必要です。それは労働者・労働組合へ人間が団結し、社会的連帯の力によって、ルールある経済社会を実現していくことです。

 もう一つの現実は可能だし、もう一つの経済社会は可能なのです。

 雇用破壊に反対するたたかいと一体に法改正を

 労働者派遣法の抜本改正にとりくむうえで、私はつぎの二つの点が大切だと思います。

 一つは、いま全国でとりくまれている「派遣切り」「期間工切り」に反対するたたかいへの連帯・支援と一体に法改正にとりくむことであります。

 この間、五千人をこえる労働者が二百数十の労働組合に結集して、企業との団交、労働局への申告、裁判闘争など、あらゆる手段をつくして立ち上がっています。

 一昨日には、宇都宮地裁で、いすゞの「期間工切り」に対して、中途解雇通告は違法、その後とられた一方的な賃金60%へのカットも違法、差額賃金支払いを命じる全面勝利判決がくだりました(「よし」の声、拍手)。これは大企業による「非正規切り」に対する初の司法による断罪であり、私は、みなさんとともにこの成果を喜びたいと思います。

 「非正規切り」は現行法に照らしても圧倒的多くが違法・無法であります。それを許さずたたかうことこそが、人間らしい労働のルールをつくる力となり、派遣法抜本改正の力となります。それは立ち上がっている労働者の共通の気持ちでもあると思います。たたかいこそルールをつくる力です。私は、全国で勇気をもってたたかいに立ち上がっているすべての仲間に、かたく連帯して、最後までたたかいぬく決意を申し上げるものです。(拍手、指笛)

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Unknown (すまり)
2009-05-16 21:08:06
>中途解雇通告は違法、

契約違反だから違法なのは当たり前。それで喜ぶのはなぜ?
契約しているのだから、契約期間は雇用すべき。
当たり前でしょ。途中解除なら違約金を支払うべき。
別に、「だからなに?」の世界ですよ。
期間工は「期間を定めて」いるのだから、期間中は契約期間ですからね。

「期間中は」ね。

>もう一つの経済社会は可能なのです。

「50個30個20個の疑問にすら答えられない社会構造論理」など、可能なわけないでしょう。
いわゆる机上の空論で最悪といえる
「デメリットをまったく考慮しない空論」
ですよ。
なぜ考慮しないのか。それは明確です。
「デメリットをきちんと考察したら、批判に絶えられない程度の、表面だけの論理」
がばれるからです。
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