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迷走 日銀総裁人事-野党の意見無視した責任は自公政権・政府にあるー

2008-03-20 00:14:00 | 国内政治
日銀総裁候補
野党の意見無視した提案
穀田国対委員長が会見で批判

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 日本共産党の穀田恵二国対委員長と佐々木憲昭国対副委員長は十八日、政府が提示した田波耕治日銀総裁候補らの所信聴取後に会見し、政府の対応について「(野党は)前回の意見聴取でも同意の基準を示している。それを無視した提案をおこなうことは、(同意人事を)真剣に考えているとは思えない」(穀田氏)と批判しました。

 衆院議院運営委員会で質問した佐々木氏は、田波氏が大蔵事務次官(一九九八―九九年)の際に、銀行がバブル期につくった不良債権の穴埋めとして、三十兆円もの税金を投入したことに全く反省がみられなかったと指摘しました。

 佐々木氏は、日本共産党は当時、銀行の経営責任を問わずに税金を投入することに反対し、銀行業界の共同の責任で対処するよう求めていたと強調しました。

 西村清彦副総裁候補についても、超低金利政策で認識をただしたが、「家計に痛みを伴うが、それほどの犠牲を払わなければ危機の脱却はできなかった」と肯定したことを明らかにしました。

 これを受けて穀田氏は、「全体として、これまでの日銀政策の枠を出ない印象だ」と指摘。銀行へ投入された公的資金のうち十兆円以上が返ってこないことをあげ、「そういうことに明確な反省のない方を同意することは考えがたい」と述べました。

迷走 日銀総裁人事
「空白許されぬ」と言うが
責任は政府に

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 任期切れ(十九日)直前に至っても迷走に迷走を重ねる日銀総裁人事。本来、日銀総裁といえば、金融政策はもとより日本経済の健全な発展に責任を負うべき存在ですが、提案者である福田康夫首相の混迷ぶりは、首相にその自覚があるのか根本から疑問を持たざるを得ないものです。

 日銀総裁は国会の同意を必要とするため、首相には、もともと野党が受け入れられる人事案を示す責任がありました。ところが、政府は当初、二月末にも、人事案を提示するとした方針を、ずるずると先延ばし。結局、国会に提示したのは、任期切れまで十日あまりの今月七日でした。

 しかも、政府が総裁候補としたのは、野党が反対姿勢を示してきた武藤敏郎日銀副総裁。同氏は大蔵・財務事務次官として「構造改革」「社会保障費抑制」路線を主導。日銀副総裁になったあとは、家計の利子所得を奪ってきた「超低金利政策」を推進してきました。

野党の拒否明白
 貧困と格差拡大をもたらした「構造改革」路線に無反省な「武藤総裁」案は十二日の参院本会議で否決され、不同意になりました。政府は、「(総裁の)空白は許されない」と繰り返し、あたかも野党に責任があるような態度を示しました。

 一度否決されても武藤氏にこだわった福田首相がようやく差し替え案を民主党に打診したのが十七日朝。しかしそれは、現総裁である福井俊彦氏を留任させるというものでした。

 福井氏といえば、一昨年、証券取引法違反(インサイダー取引)で問題となった村上ファンドに一千万円を出資し、利益をあげていたことが明らかになり、野党がそろって辞任を求めていた人物です。野党が同総裁の留任を認めることなどあり得ないことは明白でした。

 そして、政府が十八日に総裁候補として国会に示したのは、田波耕治国際協力銀行総裁(元大蔵事務次官)の名前でした。

 一九六四年に大蔵省に入省した田波氏は大蔵省総務審議官や理財局長などを歴任。九八年一月から翌年七月まで大蔵事務次官を務めました。

 同氏は、大蔵事務次官当時、バブルで乱脈の限りをつくし不良債権をふくらませた銀行への税金(公的資金)投入を進めてきた張本人です。

 六日前、財務省の事務方トップとして悪政を支えてきた武藤氏が不同意にされたばかりなのに、ここでも教訓が生かされたとはとてもいえないものでした。

 政府・与党は総裁空席回避を口実に、十八日午前に田波総裁案を提示し、わずかその数時間後に衆参の議院運営委員会で日銀正副総裁候補の所信聴取を実施。十九日の衆参本会議で、同人事案を採決することをもくろんでいます。

統治能力の欠如
 政府・与党は口を開けば、「日本と世界の経済情勢を考えれば、総裁の空席は許されない」という趣旨のおどし文句を言います。しかし、日本経済の健全な発展という重責を担う日銀総裁選びを迷走させた上、こんなやっつけ仕事のようにおこなおうとすることの方が、よほど日本と世界の経済へのマイナス要因になるのではないか。

 支持率続落のすえの今回の事態。福田首相の統治能力の欠如がいよいよ極まったことのあらわれでしょう。(山田英明)

(出所:日本共産党HP 2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」)
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