うらくつれづれ

折に触れて考えたこと ごまめの歯軋りですが

岩田久利作の鱗紋ガラス水指

2013-01-17 18:29:13 | 文化

鱗紋は蛇の象徴。
日本民族は、蛇信仰民族です。注連縄は蛇を示すことは直観的に理解できますが、カガミ餅も、カガは蛇の古語であり、ミは身であり、蛇のとぐろを巻いた姿とされます。
稲荷社の祭神は、ウカ神と呼ばれ稲作ひいては産業全般を司りますが、ウカ神も蛇神とされます。ウカ神は、伊勢神宮の外宮トヨ(豊)ウケ大神の類縁神でもあります。また、卑弥呼に比定される倭トトヒモモソ姫は、三輪山の神である蛇神と婚姻しました。また、これより以前、漢の皇帝は、博多の奴国に対し、蛇の丑の金印を与えています。
ウカ神は、仏教と習合して弁財天となりました。弁財天像には、蛇の冠をもったものや後背に鱗紋を散らしたものが知られてます。
稲作は、紀元前6000年頃の縄文時代に長江流域からもたらされましたが、蛇信仰は、稲作とともに日本に伝えられたものでしょう。巷では、縄文人は、皮の腰巻をした裸で描かれている本も多い。しかし、現実は、遮光器土偶にあるカラフルな衣装をしていたことが、以下の写真を見れば理解できるだろう。
その源流は、チャイナ神話の蛇体の兄妹神、伏義・女渦と考えられます。特に女渦は、天地を創造し人間を造り、産業を興したとされてますが、もともとは長江流域の稲作照葉樹林民族の神でした。、漢民族が長江民族を支配した後、その神を漢民族の建国神話の一部として簒奪したものでしょう。
現在でも、長江流域の少数民族の意匠には、鱗紋が伝えられており、その意味では、上記の鱗紋は、6000年以上の伝統を持つものと考えられます。
最後の写真は、蛇のとぐろを巻いた意匠です。おカガミさんのルーツでしょうか。(参照サイト「倭人の来た道」写真も借用しました. また、吉野裕子氏の「蛇」も素晴らしい。)



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