YNWC的な多摩暮らし

北多摩で始めた新生活のあれこれをについて書いています。ynwcは横浜ネイチャーウォッチングクラブの略

節分に咲く花

2024-02-03 07:10:00 | 植物
節分です!!

昨日は今年初となる野川公園へ。
寒い日が続き、だいぶ足が遠のいてしまいました(^^;;

咲いてましたよ。
セツブンソウ!!!



1cmほどの小さな花です。暖かな地中から、まだまだ寒い地表へとようやく姿を現した様子でした。



節分の頃に咲くからセツブンソウと言うのですが、旧暦のお話なので本来はもう少しあとだったのだろうなぁ…。

まだ花茎も伸び切らず、地面にへばりついて寒さに耐えている風情。



もう少しするとこんなふうに立ち上がってくる株が増えでくるのかなと。それでも草丈は5〜10cm。

もっとも、ここでは毎年この時期に咲き出すのでまさに「節分草」だなあと感心させられます。



この花、よく見ると、なんだか青い雄蕊と黄色い雄蕊があるような…



調べてみると先が黄色くなっているものが花弁だそうです。Y字に2裂した白い花弁の先に黄色い蜜線が付いているようです。
で、花弁に見える白い部分は萼片。

とても不思議なつくりをした花です。



早春に落ち葉の下から可憐な花を咲かせる植物を「スプリングエフェメラル(春の妖精)」と呼びますが、北多摩ではセツブンソウが一番乗り。

寒さの中に少しずつ春が近づいてくる感じ、いいですね♪

明日からは暦の上では春!
大変な幕開けとなった2024年。1日も早く温かな春が訪れて欲しいと願うばかり。



まだまだ寒い日々、最後まで読んでくださった皆様も、どうぞお身体ご自愛ください。






葉を落とした木の梢

2023-12-16 22:39:00 | 植物
北多摩の森は木々が葉を落とし、だいぶ見通しが良くなりました。
そんな木々の梢に赤い実。


ハナミズキ

サンシュユ

どちらも春に花を咲かせ、半年かけて種子を作ります。赤い実は鳥に種子を運んでもらうため。

鳥のお腹の中で、果肉は消化され栄養になりますが、種子はそのまま排出されます。

歩けない植物が、種子を広範囲に運んでもらう手段の一つ。鳥が喜んで食べてくれるように、夏の間たくさんの栄養を作り出し、この赤い実にためています。



そして同時に次に咲く花の準備もしています。冬の寒さに耐えられるよう、厚い苞葉でしっかりと内部を守っています。



花の中でいちばん重要なのは雌蕊と雄蕊。花弁は虫を誘うため。そして萼や苞はそれらを守るため。

ハナミズキは春になると、苞葉が開き、中からたくさんの花を咲かせます。








     
↑ハナミズキ
ピンクの部分は苞葉。

サンシュユも同じような蕾と花です。



冬までには蕾が作られ、春が来るのをじっと待っています。

冬はそんな植物たちの芽を探すのが楽しい季節でもあります。花になる蕾(花芽)だけでなく、葉になる芽(葉芽)もあります。合わせて「冬芽」と呼ばれます。

葉を落とし、枯れてしまったように見える木々ですが、春が来れば、一気に葉を広げ花を咲かせてくれます。
















ヒガンバナの開花始まる

2023-09-16 09:05:00 | 植物
お彼岸の頃になると突然現れるヒガンバナ。野川公園の自然観察園では、蕾が伸び始め早いものがいくつか咲き始めました。



葉はどこにも見当たらず、花茎だけがニョキニョキと伸びてきます。



「葉見ず花見ず」という呼ばれ方の通り、ヒガンバナの葉は花が枯れ落ちてから出てきます。そして冬の間に栄養を蓄え、春から初夏にかけ他の植物が勢いを増すと姿を消して休眠します。なんとも不思議なサイクルで生きる植物です。

韓国では「想思華(サンシチョ)」という名で呼ばれています。花は葉を思い、葉は花を思うという意味だそうです。中国には天の神様に背いて逢瀬を重ねた2人がヒガンバナの花と葉に姿を変えられて永遠に会えなくなってしまうというお話があるとか…。



なんとも不思議な生態と、この目立つ花の姿には、想像力を掻き立てられる何かがあるのかもしれません。

国内でも様々な呼ばれ方をしていて、その数は100を超えるとも言われています。

さて、そんなヒガンバナの花をよく見てみると…



これまた不思議な形をしています。
どうやらいくつかの花が集まって咲いているようです。
一つの花を見てみると…。



ユリに似た花の作りをしています。

蕾を見ると、花が集まっていることがわかりやすいのかな↓



苞が開くと、いくつかの蕾が確認できます。



ユリもそうですが、ヒガンバナの萼は花弁と同化しています。でもよくよく見てみると、外側についていることがわかりますし、触ってみると花弁よりもやや肉厚です。こうした花の場合は、花弁を「内花被」、萼片を「外花被」と呼んだりするようです。



タイムラプスで開花の様子を撮影したところ、蕾が開くとまず雌蕊が伸びて、それから外花被、内花被と開いていくことがわかりました。



ちなみにヒガンバナは三倍体(染色体が3セットあるため減数分裂して交配できない)の植物のため、通常種子は作れません。普通、三倍体というと「種なしスイカ」や「種無しブドウ」など人為的に作りだすイメージですが、ヒガンバナがなぜ三倍体なのかは定かでないようです。

自然界で偶然に三倍体ができることもあるのでしょうが、中国に自生するヒガンバナが2倍体なのに対し、はるか昔に日本に伝わったものは三倍体だったとのこと。

いろいろと謎の多いヒガンバナです。


2023.9.15@野川公園自然観察園

このところお彼岸よりも早めに咲くことが多かった印象がありますが、今年はちょうどお彼岸の頃から見頃になりそうな感じです。

ご近所のヒガンバナスポットや、有名どころの群生地への花散歩はいかがでしょうか?

去年の巾着田の様子です↓





【今朝のおうちごはん】

・ベーコンと野菜炒めサンド
・モロヘイヤ入り春雨スープ

今日もいい日になりますように!





温室で見かけた植物たち〜小石川植物園〜

2023-09-03 06:50:00 | 植物
2週間ほど前に小石川植物園へ行ったのですが、今日はその時に温室で見かけた植物な紹介です。



小石川植物園の温室は、一般的な植物園の景観も楽しむような温室ではなく、鉢植えが一つずつ並べられた一見するとバッグヤードのような玄人向けの温室。

素人の私はとりあえず花の咲いているものに惹きつけられ


Hoya multiflora


Hoya waymaniae


Hoya meliflua


Hoya pachyclada

あれ?
これ、学名がどれもHoyaから始まってます。

調べてみたら多肉植物愛好家なら誰でも知っていると言われる「ホヤ」という仲間のようです。

有名なのがこんなやつ



これの仲間の花だったんだぁ…
どの花もとても個性的でした。

もう一つ興味を惹かれたのがこちらのモウセンゴケ↓



その名もヨツマタモウセンゴケ。まさに「よつまた」

葉の先をよくみるとまさにモウセンゴケ。



でもこんなに大きく、もしゃもしゃとした姿!!!



ぱっと見「モウセンゴケ」とは見えないかも…。

併設されている冷温室ではピンクのグラデーションが美しいレンゲショウマや小さな小さなミズタマソウの花などを愛でてきました♪





今日も暑くなりますよ〜
皆様お気をつけてお過ごしください。


【昨夜のおうちごはん】

:水キムチそうめん(キュウリ増し)
:麦茶

今日もいい日になりますように!


レンプクソウ〜立方体に咲く花〜

2023-05-15 15:17:00 | 植物
この週末、まだ早春といった雰囲気の野幌森林公園(北海道江別市)に行ってきました。
※上の写真はヤチダモの林



とはいえ、すでにミズバショウは花が終わり葉が伸びていましたから、春も終わりに近づいている様子。

そんな森の中で出会った今回とびっきりの植物!



小さな薄黄緑色の花の塊。レンプクソウというそうです。
一緒に行った友人に教えてもらい、よく見てみると…。


なんと、てっぺんに1つ、その周りを囲むように4つ。まるで立方体のように花が集まっているのです。

しかもその形が保ちやすいようになのかてっぺんの花には花弁が4枚。



側面の花には5枚



どの花も、サイコロみたいな形に5つ集まって咲いてるんです。こんな花序の花もあるんですね!!

調べてみたらなんと高尾山にも咲いているそうで…。知らなかったなぁ…。来春は探しに行かないとね。

変わった名前は漢字で書くと「連福草」。見つけた人が、根を掘ってみたところ横に這って、「福寿草「フクジュソウ)」につながっているように見えたとのこと。つまり勘違いしてついた名前だそうです(笑)

で、こちらがそのフクジュソウ↓



あの黄色い花が終わるとこんな実がつくのですね。ちょっと触れてままところ、果実がころんと落ちました。


辺りを見回すと、全ての実を落としてスッキリした株もありました↓



これ見て、フクジュソウって分かる方はかなりの玄人さんですね♪





北海道の旅の記録はこちら↓