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ふるさと納税制度に思う

2007年06月18日 12時16分57秒 | 社会・経済
ふるさと納税制度構想が侃々諤々の論議の的になっている。東京都知事の石原慎太郎は大反対、宮崎県知事の東國原英夫は賛成している。それぞれの立場から言えば当然だろう。
一見、収入のある場所と全く関係ない自治体に納税する、この制度は全く合理性がないように感じられる。しかし、収入のある自治体が税収を独占する制度にも実は問題がある。
愛知県豊田市は、かなり法人税収入が多い。なぜならばトヨタ自動車が納税しているからだ。だがトヨタのクルマは豊田市だけで販売されている訳ではない。日本中、いや世界中でトヨタのクルマは走っている訳で、その収入を本社がある自治体が独占して問題ないか?という疑問が出る。
東京都などの大都市が多額の法人税を得ているのも、大企業の本社があるからだ。全国展開している企業は、独立採算でそれぞれの地方でも納税しているところもあるが、それも支社や営業所単位となるので、やはり地方の中核都市の自治体には入るが津々浦々に行き渡る訳ではない。
国税中心の時代は、これを地方交付金という形で調整していたが、この制度もバラ撒き過ぎの弊害が大きかった。
基本的には地方への税源移譲は賛成するが、先に上げたような不公平を調整するのは政府の仕事だろう。そのひとつが、ふるさと納税構想かもしれないが、これは国の責任放棄にしか映らない。本来は政府がしっかりと調整しなければならないものを、納税者に下駄を預ける姑息なやり方だ。ふるさと納税などという枝葉末節に目を奪われることなく、我々はもっと大きな税制そのものにしっかり目を向けるべきだろう。参議院選挙まで、あと一ヶ月余だ。


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