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旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

日本最長距離普通列車で行く道東の旅9 根室半島遊覧(1)

2015-02-05 05:16:27 | 日本最長距離普通列車で行く道東の旅
 根室市といえば「北方領土」。根室市長が会長を務める、北方領土隣接地域振興対策根室管内市・町連絡協議会で発行している「北方領土学習のご案内」という修学旅行用の冊子があります。それには、北方領学習について次のように書かれていました。



 「北方領土の隣接地域である北海道根室管内1市4町(根室市・別海町・中標津町・標津町・羅臼町)は戦前、北方領土(択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島)と経済・文化など、さまざまな分野で一体となって発展してきました。
 しかし、「日本固有の領土である北方領土は、戦後、旧ソビエト連邦に不法に占拠されて以来、半世紀以上にわたる返還運動にも関わらず、残念ながら未だにその返還が実現しておりません。
 この領土問題を解決するためには、国民の正しい理解と世論の喚起が必要であり、そのためにも皆さんのような若い世代が、この問題を肌で実感し、返還運動に参加していただきたいと考えております。
 また、この根室管内は広大な大自然や貴重な動植物、渡り鳥の宝庫であり、地域の産業とともに目で見て、体験そていただくことは、皆さんの輝かしい未来への一助になるものと信じております。
 是非、本資料をご活用いただき、充実した修学旅行を企画されますようお願い申し上げますとともに根室管内へのおこしをお待ちしております。」
 そして、北方領土については次のように書かれています。
 わが国が一日も早く返ることを願い、ロシアに返還を要求している「北方領土」とは、北海道本島に近い歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島の4つの島のことです。 
 歯舞群島は、根室半島の納沙布岬からわずか7キロメートルへだてた水晶島をはじめとして、それより東北に延びている秋勇留島・勇留島・志発島・及び多楽島の島々のことで、色丹島はさらにその東北にある島です。歯舞群島・色丹島は、大むかし根室半島と地つづきでしたが、土地のかんぼつなどによってはなれ島になったといわれています。 
 国後島は北海道本島の東北の海上に連なっている北方領土の南端に位置し、根室半島、野付半島、知床半島に囲まれています。 
 択捉島は国後島の東北のはしから22.5キロメートルへだてた地点より細長く延び、北方領土の中で一番大きな島です。 
 その先に、得撫島から占守島まで、大小およそ20あまりの列島(千島列島=クリル諸島)が、カムチャッカ半島まで海洋上に弓なりに連なっています。 
 北方領土の中で面積が最も広いのは、択捉島の約3,184平方キロメートル、それに次ぐのが国後島の約1,498平方キロメートル、色丹島約253平方キロメートル、歯舞群島の志発島約59平方キロメートルの順で、北方領土の総面積は約5,036平方キロメートルで、この面積より小さい都府県が19もあります。」
 さて、2時間50分を有効に使うために、7月中旬から9月下旬まで運行されている、ねむろ半島遊覧バス「のさっぷ号」に乗ることにしました。

(「のさっぷ号」乗車記念)

実は、この遊覧バスは根室交通が運行しているのですが、普通の観光バスと違って「北方領土隣接地域振興等基金北方基金」の運用益を財源にして、根室半島一周北方領土問題啓発バス運行事業として昭和54年度から始まったものだそうです。ねらいは、「点在する市内の観光ポイントを結んで、根室を訪れる観光客の交通の利便性を確保し、根室観光を楽しんでもらうと共に、納沙市観光などを通して北方領土問題への関心喚起を図る。」ことだそうです。
 A・Bコースあるのですが、根室駅前ターミナル8時25分発、10時40分着のAコースが私達が乗る根室駅発着の快速に接続するように設定されていました。
 駅前には、「返せ!北方領土」の北方領土問題啓発看板。


 市内至る所に北方領土返還を求める看板がありました。もちろん。市役所の屋上ににも。

(根室市役所)

 道道35号根室半島線。文字通り根室半島を一周する道なりにバスは進みます。
 明治公園。名前の通り、明治8年に開設された国立の「開拓使根室牧畜場」の跡地。巨大なサイロは昭和7年に1基、昭和11年に2基建設されたレンガ積みとしては国内最大級だそうです。

(明治公園)

 市街地を離れると、右にチトモシリ島・知友島の浮かぶ知友湾、左にタンネ沼・温根沼が見えてきます。

(温根沼)

(知友湾)

 今の時期、月の半分は濃霧と言われるだけあって視界はあまり良くありません。そのため、生産量日本一と言われる昆布漁も今日は休漁のようです。ちなみに、昆布消費量日本一は最南端の沖縄県だそうです。
 納沙布岬に近づくと、歯舞漁港が見えてきました。歯舞と言えば北方四島の一つ歯舞島が思い浮かぶのですが、それもそのはず、明治30年北海道に町村制が導入されたとき、根室半島先端部と歯舞群島を村域として歯舞村が誕生し、その後大正4年に周辺5村を合併したことから、地名に残っているようです。

(歯舞漁港)

 日本最東端の郵便局、日本最東端の学校の名前にある「珸瑤瑁(ごようまい)」は合併した村の名前です。

(日本最東端の珸瑤瑁郵便局)

(日本最東端の学校である珸瑤瑁小学校)

 つづく