つわわわわ

上半身が球体に近づきつつある男の、特になんともないブログ

ゆめ43 『蔵』

2010年09月02日 16時14分58秒 | だれかのゆめのにっき

その蔵は黴の匂ひに支配されてゐた。
鼠が居るのだらう、山と積まれた書物は、
その一つ一つが所々欠け損じてゐる。
床の埃に軌跡を残し乍ら、私は蔵の中を探索して行く。
色褪せた置き時計は零時丁度を指して止まつてゐた。

行っけえ、ブラックセイバー!

2010年09月02日 15時51分11秒 | 戯言
ミニ四駆と聞くと思い出すことがあります。

あれは忘れもしない、小学校に入った後だったか前だったか、
いや多分まだ幼稚園だったかもしれない、
でももしかしたら違うかもしれないけどまあそれくらいの年齢の頃、
僕は家族と一緒に幼なじみのケンちゃんの金沢の別荘へ遊びに行きました。
その道すがら僕とケンちゃんは生まれて初めてミニ四駆を買ってもらいました。

僕が買ってもらったのはブラックセイバー。
黒いボディが夕日に映える、素敵なマシンでした。

そう、思い返してみれば、僕たちがミニ四駆を組み立て終えたのは、
窓から赤い日の差し込む夕暮れ時だったのでした。

「走らせてみようよ!」

どちらともなくそう言い出し、もう一人も当然のように同意しました。
自分だけのマシンを手に入れた僕らは最高にワクワクしていたのです。

マシンの裏についているスイッチをONにすると、
側面についた四つのタイヤが勢いよくギュルギュルと回転し始めました。
僕はドキドキしながら、
手の中で唸りを上げるブラックセイバーを地面へ解き放ちました。

荒ぶる黒いマシンは目にも留まらないような物凄いスピードで走り出し、
そして階段の下へと消えていきました。

粉々でしたよ。
もう走りゃしねえ。

泣きました。
僕は泣きました。
そしてオーディオルームで「ガラガラヘビがやってくる」を聴きました。

もしもあのときの僕に一言だけ助言ができるなら、
「一階で走らせなよ」と、
そう言ってあげたいです。

そしてそんな僕が、
ビクトリーマグナムのタイヤをなくしてしまうのは、
これとはまた別のお話。