車のラヂオから懐かしい曲が流れていた。
けれど、私は曲名を思い出すことが出来ない。
嗚呼、歌手の名前なら分かるのに。
もどかしい思いのまま、目的地に着いた。
ガード下の暗がりの中で少女が燐寸を売っていた。
すると太った紳士がやって来て、
彼女を言葉巧みに連れて行こうとする。
私はなんとか止めようとしたのだけれど、
彼女はそれよりも広い薔薇園の方に興味があるようだった。
嵐のためか、部屋の中が朧気に青い。
救急車のサイレンが遠くからまるで幻のように聞こえてくる。
猫の影が壁でゆらゆら揺れる。
僕があまり佐々木希に魅力を感じないのは、
なんだかマネキンみたいだから。
NASAの実験で小型ロケットに縛り付けられても、
あの笑顔のまま遥か彼方に飛んでいきそう。
なんだかマネキンみたいだから。
NASAの実験で小型ロケットに縛り付けられても、
あの笑顔のまま遥か彼方に飛んでいきそう。