メリーズブートパンツ
私は工場で、ベルトコンベアを流れてくる部品に傷がついていないか確かめる仕事をしている。
何に使われる部品なのかは知らないし知る必要もない。
けれど、何度も何度も眺めるうち、私はその部品が耳の中にあるうずまき管に似ていることに気が付いた。
水の抜かれたプールの中にはたくさんのものが並べられていた。
漢字ドリル、蝉の抜け殻、河原で拾ったきれいな石、星座早見表、教材用植木鉢、庭に埋めたスイカの種。
他にも数えきれないほどのものが丁寧に陳列されている。
全部私があの夏に忘れてきたものだ。
カヤ「兄さま」
アシタカ「カヤ、見送りは禁じられているのに……」
カヤ「おしおきは受けます。これを私の代わりにお伴させて下さい」
アシタカ「大切なひとし君人形じゃないか……」
カヤ「お守りするよう息を吹き込めました。いつも カヤは兄さまを思っています。きっと……きっと……」
アシタカ「私もだ。いつもカヤを思おう」
※このひとし君人形は最終的にサンにボッシュートされます。
アシタカ「カヤ、見送りは禁じられているのに……」
カヤ「おしおきは受けます。これを私の代わりにお伴させて下さい」
アシタカ「大切なひとし君人形じゃないか……」
カヤ「お守りするよう息を吹き込めました。いつも カヤは兄さまを思っています。きっと……きっと……」
アシタカ「私もだ。いつもカヤを思おう」
※このひとし君人形は最終的にサンにボッシュートされます。
アシタカ「何か来る……ジイジ、何だろう?」
ジイジ「分からぬが、人ではない。村の方はヒイさまが皆を呼び戻している」
アシタカ「!」
ジイジ「来おった!」
ジイジ「ヤバいやつだ!!!」
アシタカ「ヤバいやつ!?」
ジイジ「ああ、かなりヤバい…!」
アシタカ「ジイジ、何がどうヤバいというのだ。あれはなんだ」
ジイジ「足が何本も生えているし、全体的にどす黒い……何より目が赤い!!!」
アシタカ「見れば分かる!!!」
ジイジ「そうではない! よく見てみろ、アシタカ。 あれはでかいミミズみたいなのがいっぱい集まって塊になっているんだ」
アシタカ「本当だ! まさかあれは……」
ジイジ「ああ……めちゃくちゃ気持ち悪い!!!」
アシタカ「そうじゃなくて!!」
ジイジ「何がそうじゃないというんだ、アシタカ。あれの通った跡を見ろ」
アシタカ「草木が……腐敗している……!?」
ジイジ「というより……」
アシタカ「?」
ジイジ「すごく臭そうだろう」
アシタカ「どうでもいいよ!!!」
ジイジ「どうでもいいということはない。ワシは臭いのは嫌だ」
アシタカ「うるさいなあもう!」
ジイジ「それよりも見ろアシタカ。ヤックルがヤバい」
アシタカ「うわっ、本当だ、ヤックル逃げろ! ていうかなんであんたはそんなに冷静なんだよ!!」
ジイジ「どうせみんな死ぬからな……」
アシタカ「諦め早いな!! 相手の正体も分からないのに」
ジイジ「いや、あれはおそらくアレだ、タタリ神だ」
アシタカ「タタリ神!?」
ジイジ「ああ。でももしかしたら違うかもしれない。しかし違ったとしてもワシのせいではない」
アシタカ「ジイジさっきからぐちゃぐちゃうるせえよ!」
ジイジ「あっ!」
アシタカ「どうしたジイジ」
ジイジ「なんか大丈夫っぽい。ほら、向こうの方へ行く」
アシタカ「全然大丈夫じゃないだろ!! 村の方でしょ! 襲う気だよ」
ジイジ「アシタカ。ワシは自分が無事ならそれでいいんだ」
アシタカ「ドクズぅー!! とにかく私は奴を食い止める! 行くぞヤックル!」
ジイジ「アシタカ! 手を出すな、ヤバい感じのことになるぞ! 最悪死ぬかも!!!」
アシタカ「うるっせえ!!!!」
ジイジ「分からぬが、人ではない。村の方はヒイさまが皆を呼び戻している」
アシタカ「!」
ジイジ「来おった!」
ジイジ「ヤバいやつだ!!!」
アシタカ「ヤバいやつ!?」
ジイジ「ああ、かなりヤバい…!」
アシタカ「ジイジ、何がどうヤバいというのだ。あれはなんだ」
ジイジ「足が何本も生えているし、全体的にどす黒い……何より目が赤い!!!」
アシタカ「見れば分かる!!!」
ジイジ「そうではない! よく見てみろ、アシタカ。 あれはでかいミミズみたいなのがいっぱい集まって塊になっているんだ」
アシタカ「本当だ! まさかあれは……」
ジイジ「ああ……めちゃくちゃ気持ち悪い!!!」
アシタカ「そうじゃなくて!!」
ジイジ「何がそうじゃないというんだ、アシタカ。あれの通った跡を見ろ」
アシタカ「草木が……腐敗している……!?」
ジイジ「というより……」
アシタカ「?」
ジイジ「すごく臭そうだろう」
アシタカ「どうでもいいよ!!!」
ジイジ「どうでもいいということはない。ワシは臭いのは嫌だ」
アシタカ「うるさいなあもう!」
ジイジ「それよりも見ろアシタカ。ヤックルがヤバい」
アシタカ「うわっ、本当だ、ヤックル逃げろ! ていうかなんであんたはそんなに冷静なんだよ!!」
ジイジ「どうせみんな死ぬからな……」
アシタカ「諦め早いな!! 相手の正体も分からないのに」
ジイジ「いや、あれはおそらくアレだ、タタリ神だ」
アシタカ「タタリ神!?」
ジイジ「ああ。でももしかしたら違うかもしれない。しかし違ったとしてもワシのせいではない」
アシタカ「ジイジさっきからぐちゃぐちゃうるせえよ!」
ジイジ「あっ!」
アシタカ「どうしたジイジ」
ジイジ「なんか大丈夫っぽい。ほら、向こうの方へ行く」
アシタカ「全然大丈夫じゃないだろ!! 村の方でしょ! 襲う気だよ」
ジイジ「アシタカ。ワシは自分が無事ならそれでいいんだ」
アシタカ「ドクズぅー!! とにかく私は奴を食い止める! 行くぞヤックル!」
ジイジ「アシタカ! 手を出すな、ヤバい感じのことになるぞ! 最悪死ぬかも!!!」
アシタカ「うるっせえ!!!!」
そういえばこの間、劇団銀石の斉藤マッチュに、
「俺の作ったこのカクテルに名前をつけてくれ」的なことを言われ、
「トトカルチョ」と答えるも完全にノーリアクション。
しかし、直後の会話の中でさりげなく採用されているという夢を見たのだけれど、
何なの。
「俺の作ったこのカクテルに名前をつけてくれ」的なことを言われ、
「トトカルチョ」と答えるも完全にノーリアクション。
しかし、直後の会話の中でさりげなく採用されているという夢を見たのだけれど、
何なの。
夜道を歩きながらふと見上げると、金色の満月が私の後をついてきていた。
怖くなって走り出す。
けれど走っても走っても、月は一定の距離をとって私を追いかけてくる。
つまづいて転んだ。
地面に倒れたまま空を見ると、満月の表面に黒い三日月が浮かんでいた。
黒い三日月?
ああ、笑っている。
時計を持ったウサギを追いかけて追いかけて、ビルのトイレで捕まえた。
しかし、時計は時限爆弾で、ウサギの赤い耳か青い耳を切らなければ爆発してしまう。
赤い目がこちらをじっと見つめている。
震える手でハサミを赤い耳にあてがった。