ゆめ82 『タワーの天辺』 2010年09月25日 03時13分32秒 | だれかのゆめのにっき タワーの天辺を見定めようと、上へ上へ視線を持ち上げるうちに、 大きく反られた私の身体はやがて限界を迎え、 ぴんと張った糸が切れるかのように後方へと倒れこんだのだった。 私の身体は強く水面を打つと、そこからはゆっくりと沈んでいった。 仰向けであるが故に深さの測れぬ水底へ向けてゆっくりと。 眼前では、屈折した陽光の残り物がきらきらと遠くなってゆく。
ゆめ81 『白目』 2010年09月25日 03時12分46秒 | だれかのゆめのにっき みんな白目を剥いたまま、にこにこ笑っているので、 「最近はそういうのが流行っているの」と聞くが、 みんな白目を剥いたまま、にこにこ笑っている。 試しに私も白目を剥いたまま、にこにこ笑ってみると、 みんな笑うのをやめた。相変わらず白目は剥いたままだが。
ゆめ80 『目には見えない』 2010年09月25日 03時12分24秒 | だれかのゆめのにっき がらんとした水族館の中をひとり歩いている。 客どころか魚の姿すら、ここにはない。 訝しく思って、水槽前の説明書きを読むと、 そこには中を泳ぐ魚の名前が記されていた。 この魚の名前は「目には見えない」。