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田中知事、47年ぶりの再議パフォーマンス。議会も会見して主張をすべき。

2005年03月24日 | 長  野  県  政
長野県議会2月議会は事実上24日の審議で終わったが、田中知事は24日午後、否決された議案のうち5つを、もう一度審議してくれるよう議長に再議の要請をした。1958年2月議会以来のことだという。

再議をしても、本会議で2/3以上の賛成がなければ通らないので、実際上ほとんど通る見込みはない。議員だってつい数日前に否決したものを、特にこれといった状況の変化もないのに態度を変えるわけがない。そんなことをすれば自己否定につながる。
田中知事自身が改めて本会議の場で提案説明ができるので、持論を展開し、議会を非難するためのパフォーマンスーということだろう。

”47年ぶり”というサブタイトル付きで報じられるこのニュースに世間は目を惹かれることだろう。田中知事が県民のための予算を議会が削ったーと言い立てれば何パーセントかの人たちはうなずくのだろうか?

「県広報事業費」「移動パソコン教室」「木製ガードレール」「環境保全研究所長の報酬」の5つを再議要請している。どれも県民生活に直結するようなものではない。田中知事のパフォーマンス色の強いものだ。

最後の報酬問題だけ毛色が違う。これが狙いではないのか?と指摘するいう声が議会筋にある。人件費の問題なので、否決されても予算を組み替えれば通るーというのだ。
環境保全研究所長というのはそれほど大事な人なのか?そこまでする理由が分からない。そうまでしなければならない奥深い理由があるのか?うかがい知れない世界だ。

田中知事は議場で自分の主張を述べた後、また会見して自分に都合のいいことだけを言う。マスコミは客観報道だから、多少おかしくても知事が言ったことは報じなければならない。おかしいかどうかは受け手の皆さん判断してくださいーということになっている。これはある意味、逃げであり無責任報道だ。

議会の方もこのマスコミの客観報道体質を利用して、議会側の見解を議会終了後に総括する形で会見すればいいのだが、これが何度言っても具体化しない。さっきも、議員会館に泊まっている議員数人の寝込みを襲って電話したのだが、話をしたその議員は理解を示すのだが、他の多くの議員の理解を得なければならないことなのでなかなか実現しない。
いまの議会は、会派の代表一人に話をしてもそれが、その会派全員に伝わるものでもない。いい意味で議員は一人ひとり独立している。しかし、会派内ですら意思統一に欠けるきらいがあるのは問題ではないのか。それが複数の会派で統一行動を起こす段になるとなるとさらに問題だ。

ひとつの例が議長、副議長選挙だ。議長選は萩原清議員(自民)31票 対 服部宏昭議員(緑のフォーラム)26票だった。かなり際どい票差だ。副議長選は佐野功武議員(公明)31票 対 石坂千穂議員(共産)24票だ。こちらも際どい。公明党と共産党の副議長選というのも珍しい対戦だ。
この正副議長選とその票の取り具合をみれば、いかに今の議会がバラバラか分かろうというものだ。議会は田中知事が言うほど旧態依然としているわけではない。旧県政会議員は17人しかいないし、議会の半分は新人だ。こういったことすらも議会は世間にアピールすることを知らない。

議会が会見すればマスコミは報道さぜるを得ない。議会が黙っていれば田中知事の言い分だけが紙面を埋める。議会が発言することは田中知事の報道スペースを奪い、議会の主張を知らしめることになり一石二鳥だ。
県民の多くは議場での細かいやり取りは見ていない。いまのままでは、議会が終わってから、良いように言ったもの勝ちーの面がある。何もしないでいては、最後に田中知事においしいところを全部持っていかれることになる。
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追加
最後の仕上げは、議会側もきちんと会見を開いて注目議案について、どういう理由で削除、修正したかを県民に向かって説明することだ。よく、議会棟の廊下などでテレビインタビューに応じて議員が簡単にコメントしている場面があるが、あーいった形では真意は伝わらない。知事は時間をとって会見という形でやっている。いまの長野県政はどうみても知事側から出される情報の方が多くなっている。不公平でもある。

伝える側のマスコミも公平を尊ぶなら、マスコミの側から議会に会見を提案してもいいぐらいだ。知事と通じるスパイのような記者はいても、こういった問題提起の姿勢がないのはマスコミのレベルの低さか。これは一記者というより、報道部長、支局長クラスがやるべき仕事なのだが、偉い人たちは眠っているらしく動きがまったくない。たまには脳みそを使って働け。使わないと脳みそは腐る。