息抜きのWeb徘徊をやってる最中、産経のWebで
日清食品、無人島でのサバイバル研修を再開って記事を見つけた。 (Yahooのニュース欄にもあった)
二泊三日の日程で、瀬戸内海の無人島にてチキンラーメン,水,小麦粉,ビニールシートしか持たされずに生き抜け! ってものらしい。
二十年ほど前なら、大都市(自分の場合は大阪)の某川の岸辺に研修生が並んで一人ずつ大声で歌を歌わされ、対岸では先輩等がそれを聞いている・・って光景をよく見かけたものだ。 で、先輩が判定結果を(全身を使ったジェスチャーで)OK!又はNG!・・などとやっていたっけ・・・・。
あの頃はそれが「ありふれた光景」だったから、別に何とも思わなかったけれど、今はその手の「研修」って殆ど見なくなったなぁ。
この手の「研修」って、割とワンマンな体制の会社に見られるけど(チョイ前に騒がれたNIDECのような)、今はそれほど見かけない・・ってのは、単に時代が変わった・・って事なのかね? ワンマンな会社が減った訳じゃあるまい。
日清の創業者はチキンラーメンの開発で有名な安藤百福氏で、Webでも時々「逸話」を見かけるほど個性的な人物であったようだが、自分の会社にこの手の「研修」を行う伝統でも作ったんだろうか?
日清ホールディングス(持株会社に体制が変わったのを知らなかった)のHPにてニュースリリースを見ると、このサバイバル研修って無人島→山中→今年から又無人島に・・って具合で色々と内容が変わった模様。
丹念にニュースリリースを読んで行くと結構面白いが、2003年の無人島研修では社長の安藤宏基氏も「陣頭指揮」を取ってたみたい。
ところで、Fuji SankeiのBusiness iでは、
2004年当時の無人島研修の写真が掲載されているが・・・・。
・・・・
写真左に「何かの建造物」とか、左の人物の後ろに竹を切って作ったような「容器」があったりする。
当時の研修って、ビニールシートで雨露をしのぐしかない・・とか、何も工具を持たずに道具を作る! って内容じゃなかったように見える。 だって、工具を何も使わないであんな「奇麗な容器」を作るのは無理っしょ? 左の建物が何か判らないけど、人工物が何も無い無人島じゃないのは確か。 この当時のは「サバイバル」な研修には見えない。
そんなこんなで、一旦は「山中の研修」に変わったのかな??
それと、記事とニュースリリースを読んで思ったのだが、「サバイバル」って呼ぶには少々大袈裟な気がする。
サバイバル:
Wikipediaでは・・
”サバイバルとは遭難、災害などの生命の危機から、何とかして生き残ること。”
Gooの辞書検索では・・
”(1)異常な事態の下で、生き延びること。また、そのための技術。”
・・って意味だからねぇ。
僅か二泊三日で、それも人が生き延びるのに食料よりも大切な「水」はしっかり持たされるんだから・・・・。
まぁ・・・・それはともかく、この「研修」で持たされる持ち物に「小麦粉」があるのが少々意味深だね。 研修開始に当たって何も指示が無ければ、この小麦粉を食い物に変えるために色々と知恵を絞らなくちゃいけないから。(極度の飢餓状態だったら、そのまま食えなくはないだろうが)
自分だったらどうするかなぁ・・・・。
食い物を調理するのには火があった方が断然便利だが、この研修の内容と日程は予め対象者に伝えられているから、研修前にそのような(人工的な道具が無い)状況下でどう火を熾すかを自分で調べたり予め試したりする時間的な余裕はある。 前に流行った某TV局の低俗番組のようにいきなし目隠しをされてどっかへ連れて行かれ、現地で急にサバイバルを余儀なくされる訳じゃないもんね。
だから、現地で火は用意出来るものと思って差し支えないだろう。
で、水は持っているのだから・・・・ 現地で手軽に食い物を確保するにはどうするか???
もんじゃ焼きの要領で、小麦粉を水で(かなり濃い目に)練って適当な木の小枝か何かに塗り付け、火で炙ればそこそこ食えそうなものが出来そうだ。
そいでもって、そのままじゃ味気ないから、焼く前に小麦粉汁の中に手持ちのチキンラーメンを細かく砕いて入れておけば美味しく食べられるかもしんない。
その他、現地調達の海産物を入れるとか、工夫次第で色々な食べ物が得られるだろう。
・・日清のニュースリリースには、この研修の目的として「食の大切さを実感する」ともあるけど、それ以外にも各人がどれだけ工夫出来るかを試す(競わせて、後で内容を評価するのか?)のかもしれないなぁ。
何にせよ、色々工夫してやっと得られる食べ物のありがたさを実感させる・・ってのは、如何にも食品会社らしい内容だ。
ここまで書いててふと思ったのだが、産経の記事では「研修効果を検証した所、より条件が過酷な無人島に戻した・・」とあるけれど、それ以外にも理由がありそう。
だって、日清のニュースリリースで以前の無人島やら山中研修の内容を見ると、「約20kmの真夜中の峠道を約5時間かけて踏破するオーバーナイトウォーク,滝行・座禅などの禅修行」等々、色々メニューが並んでいるものの、それは単に与えられた課題を消化するものでしかない。 研修者が工夫を凝らす余地がそれほど無いように思える。 肉体的に苛酷なだけでは研修が単なる根性試しになりかねない。
しかし、今年からのそれは「チキンラーメン,小麦粉,水,シート」のみを与えられて「特別な指示の無いまま(今年のリリースより)」行動しなければならないからねぇ。 これまでよりずっと知恵を絞らなくちゃなんない。
日清も研修について試行錯誤している最中なのかな?? どうなんだろ??
今回のような研修内容なら、もし自分が研修者だったら与えられた課題を消化するだけの「研修」よりもずっと面白いと感じるだろうな。
そう言えば、以前にバイクレースに参戦していた頃、食い物に廻すカネが全然無くて極貧料理の考案を余儀なくされたこともあったっけなぁ・・・・(遠い目)
最後に。
この「無人島サバイバル研修」とやら・・。 サバイバルと呼ぶほど危険ではないと思うよ。
人間は水さえあれば食い物が無くても二泊三日ぐらいは屁のカッパ!(注.健康状態が悪くなければ)だから。 極端な天候の悪化さえ無ければ、別にどうって事は無いだろう。
寧ろ、前までの山中研修の方がよっぽど危険!
去年のニュースリリースでは埼玉県の山中とあったけど、ちょっと前の夏山大量遭難事故を見れば判るように、山では夏でも気温の変化等で体力を奪われることがある。 色々研修メニューを消化しつつ真夜中のオーバーナイトウォークをやるなんて、体調によっては命を落としかねない。
研修場所を山から無人島に変更したのって、研修効果の他にそんな事情もあるのかもしれないなぁ・・。