暇な休日・・・・ 何となくAmazonを徘徊していて何となく以下のDVDを見付け、何となく購入して何となく鑑賞した。
・お題:「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと(特別編)」
う~ん・・・・。
なんか中途半端な映画だなぁ・・ってのが正直な感想。
動物の可愛らしい振る舞いに溢れた内容で、小さな子供連れで鑑賞すると非常に可! な映画ではなく、どっちかと言えば大人向けだろう。 子作りで妻に欲情しまくるダンナ(逆もアリ)とか、そんな場面があったりするからね。
ちょっと驚いたのが、犬の避妊で「タマ無し!」って表現が複数出てきたり、マーリーが天に召されるシーンで(病状からして仕方ないのだろうが、そうするのが当然のように)安楽死が出てきたりとか・・・・。
これらの表現って邦画ではまず出て来ないだろうなぁ・・ やっぱ国民性(アメリカ)によるものだろうか・・と、妙な所で感心してしまった。
それと、自分としては
副題に異議あり!!である。
「世界一おバカな犬」って何?? この若夫婦が犬(それも大型犬!)を飼うのに絶対に必要な躾を怠っただけじゃないの?
だってさぁ・・ 子犬の頃に躾を行っている気配が無くて、漸く専門のトレーナーの所に連れて行ったかと思えば、それは
成犬になってからだったんだぜ?
レトリバーのように、成人男性でも目一杯引っ張られると扱いに苦労するような大型犬を飼う姿勢には見えない。
レトリバーって温和で扱いやすいけど、それは「躾がきちんと行われていること」って前提あってのものだからね。
犬の知識が無い人がこの映画を見て、「レトリバーってこんな犬」って勘違いされそうで怖い。
因みに、Amazonの本DVDの紹介では以下のように書かれている。
”新聞コラムニストのジョンとジェニーの新婚夫婦は、子育ての予行演習のために犬を飼うことにした。”
・・引用終わり。
あの有様じゃ、予行演習になったとは到底言えないじゃん・・
子供は三人登場するけど、子育て、本当に上手く行ったのかねぇ・・。
まさか、マーリーで失敗したから、それを教訓にして子育てが上手く行った! なんて言わないよね??
関係ないけど、今のアメリカでこの映画のような犬の飼い方をすれば、(多分)動物愛護団体から訴えられると思うよ。 公共の場所で小さな子供に対して危害が加えられるかもしれないような飼い方をすれば、それは飼い主の怠慢だって判断されるだろうから。
話は変わるが、この映画って犬が主人公じゃなく、「犬を飼っている、とある家族の物語」と言えばいいんだろうか・・。
だとしたら、家族の葛藤が軽く見えてしまっているのが残念。 例えば、愛する家族の為に仕事を捨て、専業主婦になることを選んだ妻の苛立ちやら、生活資金の為に仕事(職種。 記者からコラムニストへ)を変更せざるを得なかった夫の心中とか・・。
映画の演出では、どうもそれらが唐突すぎるような気がしてならなかった。
本作にも家庭崩壊の危機は描かれてはいるものの、これが以下の様だったら・・と妄想してしまった。
・・・・子育てに端を発したストレスから、若夫婦はとうとう弁護士を立てた離婚調停にまで至ってしまう。
だが、罵り合う二人の前に進み出たマーリーは、つぶらな瞳でじっと見つめるのだった。
それはあたかもこう語りかけているようにも見えた。
「誕生したばかりの小さな命を育て上げるのって、本当に大変なんですよ? ボクが子犬の頃はどうでしたか? お二人に迷惑をかけてしまいましたが、それでもお二人はボクをちゃんと育ててくれたじゃありませんか」
無垢な瞳を前に、二人はマーリーを迎え入れ、家族になって行くその過程をありありを思い起こした。 家の中がひっくり返るかのような大騒動の日々,極限までの忍耐を要求されるかのような躾,腕の中で微睡むマーリーを見やり、得られた安らぎ・・・・。
やがて二人はマーリーを抱きしめ、どちらからとなく笑い出したのであった・・・・。
完全に妄想モードだが、なんか感情移入しやすい、そんな場面が欲しかったなぁ・・。
その他にも、ダンナの友人で全く違う生き方を選んだ男がいる。 彼は出世と自由を得ているけれど、このダンナが得たものは(今のままでは)決して得られない。
ダンナは家族の為に諦めざるを得なかったものがあるけれど、この友人が得ていないものをしっかり手にしている・・・・。
そんなのもこの映画のテーマの一つだと思うが、それがはっきり表現されていないのが惜しい。(これらの場面も唐突すぎる気がして) 脳内補完しなきゃなんないとしたら、結構キツいよ。
この映画って、確か原作本があったっけな。 ひょっとしたら、本ではもっと細かに描かれているのかも・・。
邦画ではあるが、自分の好きな映画に「壬生義士伝」なんつ~のがある。
自分だけかもしれないが、この映画って原作本を読まないと深く味わいにくいような作りだったんで、同じようにマーリーの原作本を紐解いてみた方がいいかもしんない。
ちょっと本屋にでも寄ってみるか・・。