循環型社会って何!

国の廃棄物政策やごみ処理新技術の危うさを考えるブログ-津川敬

北九州の清掃工場排水から基準の310倍のダイオキシン類

2007年10月20日 | 清掃工場
すでに一部のメディア(時事通信など)には報道されていましたが、北九州市小倉区の日明(ひあがり)清掃工場の排水から基準値の310倍という高濃度のダイオキシンが検出されました。ちなみに同工場は1991年4月稼竣工の三菱マルチン連続焼却式(200t×3基)で、現在同工場は止まったままです。
 以下「東京23区のごみ問題を考えるブログ」(渡辺洋子氏主宰)に載った新聞記事を引用しておきます。

〈基準310倍のダイオキシン 北九州 ごみ焼却工場排水から〉
 北九州市は25日、同市小倉北区西港町のごみ焼却工場「日明工場」の排水から、国の基準値の310倍に当たる高濃度のダイオキシン類が検出されたと発表した。市は工場を停止して原因を調査中。排水は隣接する下水処理場で処理後に排出することなどから、周辺住民の健康や環境への影響はないとしている。
 同市によると、工場では、焼却時の排ガスに薬品を混ぜた水を噴霧。有害物質を除去している。その洗浄水を貯留・浄化する「放流水槽」で今年7月に行った定期検査の結果、1リットル当たり3,100ピコグラム(1ピコは1兆分の1)のダイオキシン類が検出された。結果は今月19日に判明し、21日から工場を停止している。ダイオキシン対策法では工場排水に含まれるダイオキシン類の基準値は1リットル当たり10ピコグラムが上限。同市は今後、少なくとも2カ月かけて原因究明や再整備を行う方針。市内には他に2つの焼却工場があり、日明工場を再開するまでのごみの処理に問題はないという。
 同工場では昨年11月の検査でも、基準値を超える1リットル当たり13ピコグラムのダイオキシン類が確認された。ごみの不完全燃焼が原因として、今年3月に焼却炉の修理を終えたばかりだった。同市環境局廃棄物事業部の米丸正義部長は「市民に心配をおかけし、申し訳ありませんでした」と謝罪した。
                    =2007/09/26付 西日本新聞朝刊=

この件について地元の住民団体(小倉区)に問い合わせたところ、事件が起きた直後の9月27日、同市環境局に事実確認の交渉に赴き、以下のような質問状を提出しています。 これを書いている10月20日現在、まだ回答はきていませんが、多分11月はじめには出るだろうと現地ではいっています。

《日明工場の排水から高濃度のダイオキシン類が検出された件に関する質問状》
① ダイオキシン類排出の原因である不完全燃焼を起こした炉は何号炉か
② 炉のメンテナンスはどのような内容でどのような頻度で行なわれるのか
③ 排ガス、焼却灰、排水の安全性を確かめる検査はどのような内容、どのような
頻度で 行なわれるのか
④ 日明清掃工場には炉が3基あるが、排水施設は3基共用か
⑤ 今年3月の修理後から、今回の高濃度のダイオキシン類が検出されるまでの間 の排水は全部放流水槽に溜まっていたのか、又は下水処理場を通って海に流れ出 ていたのか
⑥(流れ出ていた場合)その量はどれぐらいか
⑦ 下水処理場でダイオキシン類の無害化処理は出来るのか
⑧ (無害化できない場合)下水処理場では日明工場の排水と一般の排水を同じと ころで処理しているのか、もしそうなら下水処理場自体がダイオキシン類で汚染 されていると思われるが、どうか
⑨ 新聞報道によると周辺住民の健康や環境への影響はないとしているが根拠は何 か
⑩ 略
⑪ 環境局はリアルタイムで測定できる一酸化炭素や塩化水素などの指標物質の数 値により安全稼動ができるといっていたが、今回の件はそれができないことを示 しているのではないか
⑫~⑯ 略
⑰ ダイオキシン類の測定結果をより短いサイクルで知ることにより被害を小さく 食い止めることができると思うが、どうか
⑱「⑰」の具体策としてダイオキシン類長期自動採取装置の設置が有効と思うがど うか
                                                                        以上
 現地から連絡があり次第、またお知らせします。 

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