役所 信太のひとりごと。。。(カウントダウン365×4→0)

旅先で感じたことや報道など私的に思うこと

お う た ん つまをえらぶ

2012年05月01日 22時38分04秒 | Weblog
“王湛(おうたん)、妻を選ぶ”

まさしくこんなことがあるとは・・・
本当に驚きでした。

何気ない日常に密かにチャンスが有るということ
または
何気ない普段の仕草に気品が漂う
その女性を妻にしたこと

2つの意味が有ることわざ。

雨ばかりの沖縄を後にした私は
朝早い飛行機で関西に帰ることにしました。

空港の手荷物検査場で
いつものようにマイレージカードを出そうと
財布に手を伸ばすと
あろうことかかばんのパソコンが顔を出して
落ちそうになった。
パソコンを落とさないように慌てて手を出すと
今度は財布が床に

ぼとっっ・・・
ちゃぁり~ん・・・。

財布が床に落ち小銭がはみ出て散らばってしまったのでした。
幸い
あまり小銭を入れていなかった。
更に幸いなことに
朝一番だったためお客が少なく
邪魔にならずに済んだのでした。

小銭は
結構あちこちに広がっていたようで
足元以外は諦めようと思い
拾い集めて立ちあがろうとした瞬間

ある女性が一緒になって
拾い集めてくれているのです・・・。
なんとも
優雅な拾い方、かがみ方か・・・
見惚れていた私の元に
持って来てくれたのでした。
“たぶんこれで全部だと思いますよ”
確かこんな言葉だったと思いますが
はっきり覚えていません・・・。
お礼の言葉を述べると
彼女は会釈してキャリーバックを引きずって
行ってしまいました。
その会釈も実に優雅で
森口瑤子さんに似た感じの笑顔・・・

たぶんお歳は40歳前くらいでしょう
実に洗練された優雅な女性でした。

なんだか
気分が上々になってしまいました。

荷物を預け
検査場を通り
約50分待ち・・・
搭乗口前の椅子に腰かけフジテレビの朝の番組を観ていると
ついウトウト・・・。

気が付くともうすぐ
飛行機内に搭乗する時刻
慌ててトイレに駆け込み
用を足し
搭乗口に戻ろうとした瞬間・・・
反対の女子トイレ出口のところから
さっきの森口瑤子さんが目の前に・・・

でかい私が
いきなり出て来たから少し驚いたようで
しかも
さっきの小銭を落とすおバカさんで少々知り合い・・・

“あら、さっきの・・・”

“先ほどはありがとうございました”

そう会釈して
22番ゲートに向かいました。

飛行場に朝6時半にいるということは
普通は出発便に乗るということ。
国内線乗り場なら
JALかANAの2路線のみ
再度会う確率も高いのは当然・・・。
そんなことを思いながら
飛行機に搭乗すると

驚いたことに!

本日のクラスJは
国際線仕様のエグゼクティヴシート!!!

なんと幸運なことか。
喜んでニコニコしながら
テレビモニターやらリモコンやら機材を触っていると

“失礼しま~す”

と聞いたような女性の声がする・・・

軽く頭を下げて挨拶したふりをするも
通路側の席には目もやらず
そのまま機材を触りまくって楽しんでいると

“楽しそうですね”

また女性の声・・・

話しかけられるの嫌だな~・・・
と、通路側の席に目をやると
なんと
森口瑤子さんが座っているではありませんか。

なんとも
すごい偶然というか
必然というか
朝一の便は石垣行きと関空行きだし
手荷物検査場で会ったわけだし・・・。

いろんなことが頭をよぎるけど
彼女の落ち着いた会釈がなんとも新鮮で
優雅で上品で・・・
完全に吸い込まれました。

これほど優雅な女性にお会いしたのは
10年ぶりくらいです。
否20年ぶりか・・・。
それくらい世間にはいないような人だということです。

電車でもバスでも
人目をはばからず化粧する女性が後を絶たず、
げらげら喉チンコ見せて大笑いし、
オイお前口調で口を開けば愚痴ばっかりで、
人真似ばかりの金髪の髪型が溢れ、
たばこが1本乗せれそうなツケマ付けて
容姿は昭和に比べると
格段にかわいくなったけれど
上品など程遠い・・・。

何気ない立ち居振る舞いが
洗練されている上品な人は皆無です。

イヤフォンを耳に付ける仕草にしろ
飲み物サービスでコーヒーを頼むことにしろ
一緒にコーヒーで乾杯する仕草にしろ
何気ない日常の沖縄での話にしろ
国際線のエグゼクティブクラスの話にしろ
お天気の話にしろ
沖縄そばの話にしろ
沖縄のおみやの話にしろ
何から何まで優雅でした。
これほどまでに
他人を心地良くさせる上品な女性はなかなかいません。
別れた妻以来かもしれません。
語尾上げ口調にならないし、
声もきれいで語彙がしっかりしていました。
何より笑顔の美しさが
華美な装飾品や
奇抜な化粧など不必要なことを
再確認させてくれました。

名前も聞かず
素性も聞かず
連絡先も聞かず
ただ
約1時間50分のフライトを楽しみました。
本当にあっという間の時間でした。

笑顔が人を幸せにする
彼女にはそんな魅力がある
そう思いました。

ものすごく幸せな時間でした。
ありがとう。

“王湛(おうたん)、妻を選ぶ”

ホントに
何気ない日常にチャンスがあるということ・・・
かわいくはなっても
乱れきった世の中の女性の中に
気品を感じられる女性がいたということに対して
この言葉が浮かんで来たのでした。

私は京都アクセスきっぷで南海に
彼女は車のお迎えが来ているようでした。
“楽しい時間をありがとう”
“お元気で”

そうして
私の幸せな時間は終わるのでした。

そして
きっぷを買い小銭をお釣りでもらうと
また幸せが蘇るのでした。
“始まりは小銭からか・・・”

小銭に感謝し南海電車に乗り込むのでした。

。。。。