平成21年10月10日(土)
平五郎山1,700m
先週は地域の運動会があり、役員なので運動会には出なければならないから山はお休み。この時期、一年中で一番山登りが楽しい時だから、もっと出かけたいが…そうもいかない。この3連休も、月曜は奥さんが休みなので、たまにはサービスしないとご理解が得られません。ということで、今回山に行けるのは土曜だけ。直前に台風18号が通過したから、その影響も気になるが…。
遠出は×だから、近場。ほとんど登っていない、栃木の奥山、栗山の藪山にでも登ろうと思い、名前で気に入った平五郎山と、オマケで登れそうな葛沢山の資料を持って金曜の夜に出かけた。霧降道路までは晴れていた。栗山に降りて、土呂部の集落を抜け、湯西川への道路を分けて市道馬坂線に入る。舗装された道路は何の問題もない状態だったが、第二馬坂線分岐付近からは荒れていた。その第二馬坂線に間違えて入り込んで、峠の手前まで行ってしまった(かなりのラフロードです)。あのまま、福島の舘岩まで抜けられるのだろうか?(あのままなら、乗用車でも行けるだろう)大間違いして、大時間ロス。無砂谷橋の無砂谷林道右岸線分岐に着いたら夜中の1時を回ってしまった。直ぐにシュラフに潜った。それ程寒くはない。
6時過ぎに起きて、右岸線を奥まで車で入ってみた。1㎞程先の岩壁下を通過する辺りで、土砂崩れでその先は乗用車では不可能。ラフロードバイクなら、第二無砂谷橋まで行けるだろう。岩壁下手前の待避スペースに車を停めて、6時40分に出発。この先の第二無砂谷橋まで、落石や崩落で、かなり路面が荒れていた。地図読みを間違えて、分岐する脇道に惑わされ、この林道を行ったり来たりして、ここでまた時間ロス。今回は間違いばかり…GPSやナビ持っているのに…。無砂谷沢の対岸にこれから登る平五郎山が見えている。まだ紅葉には早い。来週くらいが見頃だろうか?林道でミスをしたので、林道終点の第二無砂谷橋に着いたら8時5分になっていた。ここまで普通なら車が入れるので。本来なら、ここからスタートだ。一時間半もロスしたせいで、この日はハシゴ予定の葛沢山は登れなかった(アクシデントで結局は登れなかっただろうが)。
空は気持ちよく晴れて、いくらか色づいた木々は秋本番といった様子。第二無砂谷橋から先は、道が完全に土砂に埋まったり、倒木、崩落して道が無いなど、歩くのもやっとの状態で、さすがにラフロードバイクも通行不可能の完全に廃道状態。伊勢沢を大回りして高度を上げ、平五郎山の東尾根取り付きから間近に頂上部を仰ぐ。無砂谷沢左岸の山並が木々の切れ間から見える。まだ、この稜線も紅葉は早い。林道は藪に半ば埋もれ、間もなく右に遭難碑を見て、取り付きと決めていた北東尾根の端に着いた。ピンクリボンが木にぶら下がっていた。9時19分になっている。早速、尾根の登りに掛かる。
細い雑木の林は、間もなくブナが中心の林相となり急な登りがしばらく続く。ブナは太いものも多く、明るくて感じの良い尾根だ。点々とうるさいほど付けられたピンクテープがあって、全くRFも不要。もっとも、高みに向かって登っていけば良いだけだから、それ程のモノでもないし、藪といったものもない、どこでも歩いて行ける尾根だった。でも、一応ピンクテープは薄いシカの獣道に沿って付けられていた。そのシカの気配は濃厚で、あちこちでがさごそ音がして、例の悲しげな鳴き声(秋の雄のテリトリー宣言)が山間に響いているが、この日一度もその姿は見なかった。
きつい傾斜はずっと続いて、効率よく登っていく。東に眺めが得られる所もあるが、ほぼ眺めはない。わずかな眺めは、東の高原山が見えていた。笹丈がやや高くなり、かき分ける藪になったが、かき分けるだけで容易に進める。東からの尾根に繋がると、結構な藪を漕ぐようになった(帰りはもう少し北側を巻いたら全く藪は無かった)。傾斜がゆるみ、やがて平坦な地形になる。南に窓が開いたような木々の切れ間から、日光の女峰山・大真名子・小真名子・太郎山が間近に見えた。その先で、今度は東の眺めが広がり、再び高原山が遠望された。ダケカンバとコメツガが混交した平坦な地形のどこが山頂なのだろう?GPSが指し示す方角を見ると、そこは少し笹が薄い平地で三等三角点と山名プレートが見えた。10時57分に平五郎山山頂に着いた。
天気はいつの間にか朝の気持ちの良い晴れ空が消えて、県境方面から伸びてくる薄黒い雲が頭上を覆い、木々に囲まれて薄暗い山頂はますます薄暗くなるのだった。シカの遠音が響く他はザワザワと風になびく笹の音だけ。湯を沸かし、カップラーメンとおむすびを食べた。眺めもないし、あまり雰囲気の良い場所でもない。お天気の所為もあって、陰鬱な山頂だった。
11時36分に山頂を辞し、来た尾根を下る。しばらくすると雨が降ってきた。笹が雨に濡れて、ズボンを濡らすので始末が悪い。東尾根に繋がる辺りまで降りてきて、そういえば山頂にあるという石祠を確認しなかった事に気づいたが、もう遅い。わざわざ又引き返して見てくる程でもないだろう。雨は止んだが、またしばらくすると降ってきた。こんな調子で、以後は降ったり、また晴れてきて明るくなったりの繰り返しだった。
12時32分に林道に降りた。林道を戻る途中で、また爽やかに晴れたりしたが、長続きはしない。第二無砂谷橋まで戻ってくると、橋の下で釣りをしている人がいた。林道をマウンテンバイクでやってくる人たちともすれ違う。色々な趣味があるが、思う程山登りをする人が多数派ではない事をいつもこうして山奥に来ると思うのだった。釣り人、キャンパー、山菜採りなんかの方が多数派なんだな。
1時38分に車の所に戻ってくる。これで何もなければ、まあちょっと物足りない平凡な藪山だったな、で終わりだったのだが…。車に乗り、無砂谷橋分岐までもう少しという辺りで、左前輪がおかしい?すわパンクか!と降りてみると、左の前輪はぺしゃんこ…。
無砂谷橋の林道の脇に車を寄せて、ジャッキアップでタイヤ交換。行き交う「林道族の四駆」やラフロードバイクの集団の視線をあびて、ヤレヤレ。この後、川俣に下る更に荒れた林道(土砂が山になっていたり・道が川になっていたり・大きなぬかった水たまりだらけだったり・石がごろごろ落ちていたりといった具合)で寄りによって右後輪もパンクしているらしい事に気づく。しかし、穴が小さいのか?空気の漏れはそれ程でもないようで、なんとかだましだまし、スタンドで空気を入れ繋いで帰った。そんなわけで、川俣温泉の『上人一休の湯』で入浴したが、気分が晴れないのだった。やっとのことで、帰り着き、早速スタンドでタイヤを交換したが…ナント『高い山』だった事だろう。
平五郎山1,700m
先週は地域の運動会があり、役員なので運動会には出なければならないから山はお休み。この時期、一年中で一番山登りが楽しい時だから、もっと出かけたいが…そうもいかない。この3連休も、月曜は奥さんが休みなので、たまにはサービスしないとご理解が得られません。ということで、今回山に行けるのは土曜だけ。直前に台風18号が通過したから、その影響も気になるが…。
遠出は×だから、近場。ほとんど登っていない、栃木の奥山、栗山の藪山にでも登ろうと思い、名前で気に入った平五郎山と、オマケで登れそうな葛沢山の資料を持って金曜の夜に出かけた。霧降道路までは晴れていた。栗山に降りて、土呂部の集落を抜け、湯西川への道路を分けて市道馬坂線に入る。舗装された道路は何の問題もない状態だったが、第二馬坂線分岐付近からは荒れていた。その第二馬坂線に間違えて入り込んで、峠の手前まで行ってしまった(かなりのラフロードです)。あのまま、福島の舘岩まで抜けられるのだろうか?(あのままなら、乗用車でも行けるだろう)大間違いして、大時間ロス。無砂谷橋の無砂谷林道右岸線分岐に着いたら夜中の1時を回ってしまった。直ぐにシュラフに潜った。それ程寒くはない。
6時過ぎに起きて、右岸線を奥まで車で入ってみた。1㎞程先の岩壁下を通過する辺りで、土砂崩れでその先は乗用車では不可能。ラフロードバイクなら、第二無砂谷橋まで行けるだろう。岩壁下手前の待避スペースに車を停めて、6時40分に出発。この先の第二無砂谷橋まで、落石や崩落で、かなり路面が荒れていた。地図読みを間違えて、分岐する脇道に惑わされ、この林道を行ったり来たりして、ここでまた時間ロス。今回は間違いばかり…GPSやナビ持っているのに…。無砂谷沢の対岸にこれから登る平五郎山が見えている。まだ紅葉には早い。来週くらいが見頃だろうか?林道でミスをしたので、林道終点の第二無砂谷橋に着いたら8時5分になっていた。ここまで普通なら車が入れるので。本来なら、ここからスタートだ。一時間半もロスしたせいで、この日はハシゴ予定の葛沢山は登れなかった(アクシデントで結局は登れなかっただろうが)。
空は気持ちよく晴れて、いくらか色づいた木々は秋本番といった様子。第二無砂谷橋から先は、道が完全に土砂に埋まったり、倒木、崩落して道が無いなど、歩くのもやっとの状態で、さすがにラフロードバイクも通行不可能の完全に廃道状態。伊勢沢を大回りして高度を上げ、平五郎山の東尾根取り付きから間近に頂上部を仰ぐ。無砂谷沢左岸の山並が木々の切れ間から見える。まだ、この稜線も紅葉は早い。林道は藪に半ば埋もれ、間もなく右に遭難碑を見て、取り付きと決めていた北東尾根の端に着いた。ピンクリボンが木にぶら下がっていた。9時19分になっている。早速、尾根の登りに掛かる。
細い雑木の林は、間もなくブナが中心の林相となり急な登りがしばらく続く。ブナは太いものも多く、明るくて感じの良い尾根だ。点々とうるさいほど付けられたピンクテープがあって、全くRFも不要。もっとも、高みに向かって登っていけば良いだけだから、それ程のモノでもないし、藪といったものもない、どこでも歩いて行ける尾根だった。でも、一応ピンクテープは薄いシカの獣道に沿って付けられていた。そのシカの気配は濃厚で、あちこちでがさごそ音がして、例の悲しげな鳴き声(秋の雄のテリトリー宣言)が山間に響いているが、この日一度もその姿は見なかった。
きつい傾斜はずっと続いて、効率よく登っていく。東に眺めが得られる所もあるが、ほぼ眺めはない。わずかな眺めは、東の高原山が見えていた。笹丈がやや高くなり、かき分ける藪になったが、かき分けるだけで容易に進める。東からの尾根に繋がると、結構な藪を漕ぐようになった(帰りはもう少し北側を巻いたら全く藪は無かった)。傾斜がゆるみ、やがて平坦な地形になる。南に窓が開いたような木々の切れ間から、日光の女峰山・大真名子・小真名子・太郎山が間近に見えた。その先で、今度は東の眺めが広がり、再び高原山が遠望された。ダケカンバとコメツガが混交した平坦な地形のどこが山頂なのだろう?GPSが指し示す方角を見ると、そこは少し笹が薄い平地で三等三角点と山名プレートが見えた。10時57分に平五郎山山頂に着いた。
天気はいつの間にか朝の気持ちの良い晴れ空が消えて、県境方面から伸びてくる薄黒い雲が頭上を覆い、木々に囲まれて薄暗い山頂はますます薄暗くなるのだった。シカの遠音が響く他はザワザワと風になびく笹の音だけ。湯を沸かし、カップラーメンとおむすびを食べた。眺めもないし、あまり雰囲気の良い場所でもない。お天気の所為もあって、陰鬱な山頂だった。
11時36分に山頂を辞し、来た尾根を下る。しばらくすると雨が降ってきた。笹が雨に濡れて、ズボンを濡らすので始末が悪い。東尾根に繋がる辺りまで降りてきて、そういえば山頂にあるという石祠を確認しなかった事に気づいたが、もう遅い。わざわざ又引き返して見てくる程でもないだろう。雨は止んだが、またしばらくすると降ってきた。こんな調子で、以後は降ったり、また晴れてきて明るくなったりの繰り返しだった。
12時32分に林道に降りた。林道を戻る途中で、また爽やかに晴れたりしたが、長続きはしない。第二無砂谷橋まで戻ってくると、橋の下で釣りをしている人がいた。林道をマウンテンバイクでやってくる人たちともすれ違う。色々な趣味があるが、思う程山登りをする人が多数派ではない事をいつもこうして山奥に来ると思うのだった。釣り人、キャンパー、山菜採りなんかの方が多数派なんだな。
1時38分に車の所に戻ってくる。これで何もなければ、まあちょっと物足りない平凡な藪山だったな、で終わりだったのだが…。車に乗り、無砂谷橋分岐までもう少しという辺りで、左前輪がおかしい?すわパンクか!と降りてみると、左の前輪はぺしゃんこ…。
無砂谷橋の林道の脇に車を寄せて、ジャッキアップでタイヤ交換。行き交う「林道族の四駆」やラフロードバイクの集団の視線をあびて、ヤレヤレ。この後、川俣に下る更に荒れた林道(土砂が山になっていたり・道が川になっていたり・大きなぬかった水たまりだらけだったり・石がごろごろ落ちていたりといった具合)で寄りによって右後輪もパンクしているらしい事に気づく。しかし、穴が小さいのか?空気の漏れはそれ程でもないようで、なんとかだましだまし、スタンドで空気を入れ繋いで帰った。そんなわけで、川俣温泉の『上人一休の湯』で入浴したが、気分が晴れないのだった。やっとのことで、帰り着き、早速スタンドでタイヤを交換したが…ナント『高い山』だった事だろう。
平五郎山から引馬峠までの薮は1級らしいです。Yoshiさんが挑戦してますが,倒木も多く難儀するらしいです。
引馬峠はかつて南会津と下野を結ぶ交易の道として利用された歴史があるようですね。当時は現在では考えられない交通網が存在していたのでしょう。
辻まことの著作なんかを読むと、この付近は今よりずっと登山者にも歩かれていたようです。台倉高山は最近再び道が拓かれましたが、過去には孫兵衛山を抜けて黒岩山方面へ県境にしっかりしたトレースもあったと聞きます。台風で根こそぎ倒された大倒木帯ができ、福島栃木県境の山々は埋もれていったようですね。最近の静かな山ブーム?の影響からか、そのうちまたしっかりしたトレースが復活するのでしょうか?これらの今は困難な山域も、道が拓かれればポピュラーな山域になるのでしょう。帝釈山や田代山が尾瀬国立公園の範囲内になったことで、あるいは…もあるかもしれません。
静かなままの方が良いと思いますが。