今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・榛名の山(居鞍岳、古賀良山、蛇ヶ岳、臥牛山、五万石、伯耆山)

2009年12月30日 | 山登りの記録 2009
平成21年12月27日(日)
 居鞍岳1,340.1m、古賀良山981.5m、蛇ヶ岳1,229m、臥牛山1,232m、五万石1,060.1m、伯耆山1,154m
 
 12月に入ってからは奥日光の高山に登っただけ、なかなか山に行ける日も少なく、気がつけばもう数えるくらいの残り日数。今年の締めくくりの山になってしまいそうだが、前回に続いて今回もお気軽山だ。

 榛名山には沢山のピークがある。最近、上毛新聞社で出版された「榛名学・はるながく」という本(榛名山のエンサイクロペディア?)によると、榛名山は日本で唯一の四重式複式火山で、これは世界的にも非常に珍しい火山ということである。つまり、何度も山頂部が爆裂してカルデラが幾重にも形成され、外輪山が何重にもなっている。その上、周囲に寄生火山が幾つも噴出しているために、遠目にもこの山はぽこぽこと沢山のピークが並んでいる山体なのだ。

 上毛三山の赤城と榛名は、群馬の中央に東西に聳えている。群馬県人なら、誰もがこの2山はふるさとの景色を代表する山で、同じように幾つものピークを持つ双生児みたいな山だ。標高と裾野の長さでは赤城に負けるが、ピークの多さでは榛名の方が倍以上も多いのはこんな違いがあるからなのだった。赤城は大きなカルデラが一つで比較的単純な地形をしている。それにしても、赤城も榛名も山頂に火口原と火口原湖があり、よく似た特徴を持っているし、「赤城おろし」「榛名おろし」と名づけられた冬の季節風も同じで、上州人の気質を作っている山だろう。群馬の真ん中にこの2山が無ければ間が抜けてしまうな。

 榛名には高校の頃から登っているが、そんな訳であまたあるこの山のピーク(名の付いたもの)全ては未だに完登していないのだった。昨年も、その前の年も、年に一回はこの山に登っているが、今回残っている山を登れるだけ登ろうと考えた。冬の陽だまりハイクにはぴったりだろう。

 一応予定としては、居鞍岳(登り残しでは一番高い)と、少し離れた古賀良山、榛名富士の隣の蛇ヶ岳と臥牛山、伊香保に下る道沿いの五万石に伯耆山・高根、その他時間があれば南面の音羽山・鐘撞山・鷹ノ巣山・種山などだ。ホントに沢山のピークがあること…。土曜の夜にゆっくりと家を出た。車で2時間もあればおつりがくる距離だったが、居鞍岳登山口に当たる道路を勘違いして(旧道では林道だった)少しタイムロスしてしまった。居鞍岳登山口(送電線巡視路入口)がある切り通し道路反対側の林道入口に車を停めて、0時過ぎにシュラフに潜った。アラームは6時半にしたが、そんな時間はまだ真っ暗だろう。

 冷え込みこそそれ程でもなかったが、寒くて目が覚めた。アラームが鳴る寸前だったが、まだ暗い。冬用シュラフの口を絞って潜り込んでまだ少し眠る。大分明るくなり、7時に起きる。パンを食べ支度をして7時20分に巡視路の階段を登る。入口には「居鞍岳1340m」と書かれた標識が立っていた。雪は薄っすらと積もっているが、陽当たりのあるところは融けていた。階段を登りきると、道は2分する。右に巻いていくものは、送電鉄塔の巡視路で、尾根を直登するものはそこにあった標識によれば、はっきりした登山道ではないということだった。50分と書かれた尾根の踏み跡を登っていく。明るい雑木の尾根を登っていくのだが、登り始めはかなり急傾斜できつい。しばらく登ると傾斜が緩んで、尚も少しヤセ気味の尾根を登り続ける。薄っすらと積もった雪はそのままで、木々越しに西に真っ白な浅間山と浅間隠山が見えてきた。送電鉄塔がこの山の西側を繋いでいる。

 ひと段落登りきると、行く手に丸い山が現れた。これをまた登ると、辿りついた所は頂稜の北端で、岩の上に東西方向を向いた2基の石祠があった。ミズナラの頂稜を南に進むと、木々に囲まれた居鞍岳山頂だった。8時15分着。三等三角点が中央にあり、周囲の木々に沢山の山名標識が付いてた。一番目立つのは達筆名板だ。他に幾つも見られるが、茶色の厚板、「居鞍山」とあるのは、すかいさんのものかな?三ヶ峰にあったのと同じ様。

 居鞍岳の山頂は木々で眺めも無く、休む程の所でもない。10分程写真を撮ったり、先を少し歩いてみたりして、そのまま下った。あっという間に切り通し道路まで降りた。8時52分に車に戻る。車に乗り、次の古賀良山に向かう。

 古賀良山へは、県道をそのまま東吾妻町方向に下り、初めの集落に出た所で左折して倉渕方面に進む。その道路沿いにある古賀良神社の石鳥居の所が登山口。鳥居の所には、駐車場と休憩舎があった。直ぐに車を停めて、9時8分に鳥居をくぐり、真新しいコンクリート舗装の参道を登っていく。舗装が終わって、急な石段を上った所に古賀良神社の社殿があった。粗末な木造トタン壁の小さな社殿を覗き込むと、奥に石造りの更に小さな本殿が見えた。二重の構造になっている。この付近の里の信仰を集めていた神社ということだ。

 神社からは、それまでの薄暗い杉林が終わり雑木の斜面を登る。間もなく稜線に出るとやや藪っぽい上りを少しで、藪をそこだけ刈り払った山頂に9時35分に着いた。三等三角点と小さな石祠があるだけで山名板の類は無かった。ここも赤松や雑木に囲まれ眺めは良くない。融け残りの雪がほんの少しあった。9時46分に山頂を下り、10時1分に車に戻ってきた。

 さて、次は蛇ヶ岳だ。再び榛名山頂に向かって県道を走る。榛名湖畔の国民宿舎から東側を周回する道路を進んで榛名湖温泉を過ぎ、榛名富士と蛇ヶ岳の鞍部である「みどり世紀の森」の看板がある峠が登山口。ここに蛇ヶ岳登山口の標識がある。直ぐに車を停めて、10時29分に笹の下生えの道を登りはじめる。急な登りで一気に上り上げ、背後の榛名富士が大きく聳え、まゆみヶ原の平坦地が見下ろせるようになると、細いミズナラに囲まれた明るい樹林の山頂に10時42分に着いた。ここもやはり眺めは良くない。三角点も無く、Gさん名板と茶色の厚板名板(すかいさんのか?)がミズナラの木にくくりつけてあった。Gさんのには『蛇ヶ岳平成元年(巳年)』と書いてある。休む所でもないので、そのまま下り、10時49分に車に戻る。

 次は隣の臥牛山(ねうしやま)だ。ヤセオネ峠まで車で走り、そこの駐車場に車を停める。駐車場外れの低い笹藪に埋まりかけた林道入口(チェーンで塞いであった)に、居鞍岳登山口と同じ、「臥牛山1232m」の標識が立っていた。10時58分に笹の小道に入っていく。融け残った5センチ程の雪が覆う笹原で、周囲はミズナラの平坦地だ。木々に隠されて臥牛山は良く見えない。反対側の相馬山は、ここからだとシルエットで鋭角に聳え立っていた。しばらく平坦な小径を行くと、ほんの少し高まった小山があった。南側から回り込んで尾根に乗り、がさごそと逃げていった2頭のイノシシ(この辺ではイノブタだという?)の後姿を下に見て、雑木の上りをほんの少しで岩がある山頂だった。11時12分臥牛山山頂着。ここにきて、今日4山目にして初めて素晴らしい展望が広がった。

 暖かい陽射しは心地よく、少し長居することにした。ツツジ藪から頭を出した岩頭の上からは、本当に素晴らしい眺めだ。すぐ南西の二ツ岳と相馬山は逆光で近く、東は水沢山の向こうに赤城山が遠く見え、赤城の北に袈裟丸や皇海山・日光白根が見える。北に目を転じると、榛名湖と掃部ヶ岳を真ん中にして、左右に榛名富士と烏帽子ヶ岳が大きく、それらの向こうには浅間山や浅間隠、榛名外輪山の向こうに遠く八ヶ岳や南アルプス、相馬山との間には奥秩父の山並みの上に富士山が、烏帽子ヶ岳の東には草津白根から上信越国境の真っ白な山並み、とりわけ白く見える谷川連峰など、ぐるりとパノラマで見飽きない眺めだった。

 パンを食べたりしながら、誰もやってこない陽射しが暖かい山頂で楽しい時間を過ごした。12時丁度に山頂を下り、12時12分に車に戻る。

 次は、伊香保方面に車で下り、高根展望台の直ぐ下のカーブの所から始まる林道に入る。伯耆山と五万石の鞍部を林道が越えている。ここからまず五万石を往復。明るい雑木の急斜面を登ると直ぐに稜線に出て、北に少しで12時50分に五万石山頂に着く。ここは木々に囲まれ眺めは無い。三等三角点があり、懐かしい青文字の達筆名板があった。

 13時13分に鞍部に下って、反対側の伯耆山へは200m程の登り。ここは藪こそ無いが、踏み跡も無く、やや登りづらい。13時37分に伯耆山に着く。ツツジやリョウブの潅木藪に覆われ、眺めも無いが、ミズナラの木に登って上越国境の山並みを遠望した。伯耆山にも沢山の山名標識が競って付けられていた。13時50分に山頂を下り、14時18分に鞍部に降りて本日の榛名山巡りを終了した。高根はすぐそこだけど。また後の機会に残す。

 帰りは、車で榛名湖から榛名神社方面に下って、今日は予定していたハルナ温泉で入浴。露天風呂は良かったが、内風呂はやや塩素臭が強い。誰も居なくて気分良く入っていたら、後から入ってきた老人が、いきなり内風呂に水道水をざーざー出してうめているのには閉口した。熱くもないのに、なんでそんなに水で薄めるの?よっぽどのヌル湯好きか、熱がりで入れないの?大変不快でした。

軽いハイキングで6山登ったが、榛名はまだ登り残しがあるのだった。次こそ完登かな?

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2 コメント

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榛名山 (重鎮)
2009-12-31 07:26:49
榛名山6山巡りお疲れ様でした。
しかしまだ残っているようですね。

私なんか榛名はいっぱい残っています。
高根はもちろん未登です。

榛名は、ボランティアと称して登山道整備や標識設置をしている人が多いですね。
こうなると、登山対象としては面白みが無くなっているというか・・・・

温泉は気分良く入れれば最高です。
私は反対に沢渡温泉で熱湯に入りました。
成分が薄くなると言って、老人が仕切っていて水を入れさせません。
これも閉口しました。

来年はあさぎまだらさんの後追いの山を増やしていきます。

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『温泉奉行』? (あさぎまだら)
2009-12-31 13:37:36
榛名はコブだらけの山群ですね。
おかげで登る山がいつまでも楽しめます。
次回、機会があれば完登?といきたいところですが。あるいは、まだ伏兵が居るかもしれません。つまり、実は名前がある山(ピーク)が新たに加わる可能性がありますからね。地図に山名記載の無い山があるでしょうし…。

温泉も最近はいわゆる日帰り温泉の混雑は閉口なので、入浴だけでもOKな温泉宿を探しています。その方が泉質もいいし、人も少なくて落ち着いて入れますよね。温泉奉行みたいな人が居る(変な老人が多い)所も過去いくつかありました。

ところで、佐久の山を楽しんだようですね。峰雄山はあっけない、裏山みたいな山でしょう?
男山は何回も登っていますが、何時行ってもいい山ですね眺めが最高です。佐久広瀬の駅付近から見た男山は素晴らしい鋭鋒で、おおっというくらいの山です。次は『ずみ岩』ですか?
あそこは楽しいです。文句無く秘峰です。

今年も楽しいコメントありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
群馬の山の大先輩、重鎮様
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