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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

選挙を終えて

2007-07-31 08:27:04 | ひとから学ぶ
 別日記で「期日前投票」について触れた。総務省が29日に発表した今回の参院選の期日前投票の投票者総数は1079万8997人だったという。前回を大きく上回ったというが、前回の期日前投票者も約717万人いた。今回の数字は有権者の10.3%ということで、10人に1人が当日ではなく前日までに投票を終えている。有権者数に対してだから、投票率が約60%だったというから投票数の2割近くが事前投票ということになる。期日前投票は公示翌日から始まる。ということは選挙戦を戦うとは言うもの、何のための選挙戦なのかと気が抜けてしまわないか。

 2003年の公職選挙法改正により、それまでの不在者投票制度とは別に設けられたものという。「不在者投票制度が廃止されたわけではなく、この制度の代替制度というわけではない」という解りづらい説明もある。印象としては不在者投票制度がわずらわしかったこともあって、投票しやすいように、ようは投票率アップを目的に期日前投票が始まったと思っている。また「きじつぜん」が正確な呼び方だというが、世の中では「きじつまえ」と呼んでいる人が多い。お役所の「きしづぜん」に対して、庶民の「きじつまえ」といった感じだか。そんなことどうでもよいと思うのだが、これがなかなかこだわる人はこだわるのだ。この期日前投票ができるのは、 ①投票日に仕事や学校がある場合、②レジャーや旅行など、投票日に出かける場合、③病気、出産、身体の障害などのために、歩くのが困難な場合などという。そして、期日前投票制度で簡素化された手続きは、投票日当日と同様に直接投票箱に投票できること。わたしも前時代に不在者投票をしたことはあるが、それほど面倒であったという記憶はない。確かになぜ投票日に投票できないかということを聞かれはするが、それは期日前投票だって基本的には同じだ。

 世の中が、必ずしも日曜日にに投票できるとは限らないからそういうことになるのだろうが、それほど選挙が大事なら、国民全員が投票日に投票できるようなシステムを考えるべきだ。むしろ安易な感じの期日前投票は、許せない感じがする。そして選挙管理委員会は、期日前投票を投票率を上げるためのシステムのように説明しているのもどこかおかしい。

 牛歩村の村長さんは、「信毎の出口調査に追いかけ回されたり、嫌ですね。立会い人に、「アソコの息子が来てない」とか言われるのも嫌だし‥。」とコメントをくれた。最近はいかに出口調査で当確を早く見極めるか、という報道合戦もあったりするから、確かにそれも嫌なものだ。乱暴な意見だが、不在者投票だけに戻すべだというのがわたしの気持ちだ。それができないなら、期日前投票が公示日の翌日から始まるなんていうのを辞めてほしいものだ。だいたい決まった日にできないというのが許せない。だからこんな収拾のつかない世のなかになってしまっている。

 さて、自民大敗という結果であるが、いずれ地方の姿が消えていく以上、自民党に今までのような一方的な勝ちはなくなるだろう。ただ地方を民主党が救えるとはとても思えない。加えて企業はもう政治には期待しない。するとますます力優先の時代になる。政治と世のなかの動きはちぐはぐに動き出すかもしれない。この混迷こそが地方終焉への道なのかもしれない。

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