民俗地図をGISで作成するとなれば、多様な情報を図上に表示可能となる。しかしながらわたしたちの視野に入る図ともなれば、印刷ベースならA4、パソコン画面や印刷ベースならここで試作品を示している程度だろうか(ここに掲載している画像は横幅560ピクセル)。したがってあまり情報が多いと煩雑化して意図させにくくなるし、単純化したものの方が見やすい。
図1
図2
図1は、稲ハザの段数を示したもの。これも過去に触れており、2019年9月24日に「“はさ干し“ ②」と題してここに記した。もちろんそのデータを結合して図1はQGISで作成したものだが、これまでにも民俗地図を作成するうえで必要とされてきた標高1000メートルラインを表示している。ところが国土地理院から入手し小原稔さんが編集してくれた1000メートルラインは、精度は高いのだろうが、あまりにも曲がりが多いため、データが重い上に、ここに示すような図画では意図に反してしまう傾向がある。わたしとしては1000メートルラインとともに1000メートル以上に着色、あるいは以下に着色のような編集をしないと意図を図上に見せられないと考えている。今回は1000メートルラインでは見づらいため、そこに同じく国土地理院から入手した農業振興地域のデータを載せてみた。農業振興地域のうち農業地域を着色したわけであるが、そもそも農業地域は集落と整合する。裏を返すと農業地域の着色されていないエリアは集落がない地域とも言える。もちろん農業地域に対して都市計画地域の用途区域があるため、着色されていないエリアにそれは存在する。ようは無着色のエリアは山岳地帯か都市部ということになる。図2は図1の稲ハザの段数を示す記号を調査地点に変えたものであり、集落と農業地域、そして1000メートルラインとの関係が見えてくるだろう。印象としては1000メートルラインと着色エリアが近似しているともいえるのだが、あくまでも印象レベルで、拡大してみればそうとも言えない。繰り返すが見せる図の大きさによってその印象は大きく変わるということである。
いずれにしても調査地点は集落であり、地点分布のイメージは1000メートルライン、あるいは農業地域や都市計画地域と関係していることを踏まえたうえで、表示方法について今後考えていかなければならない点である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます