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わたしの中学生時代からの友人、とはいっても同級生でも同窓生でもなく、また地域の幼なじみというわけでもない。同好の友ということで知り合った友人で、沼津の方である。わたしが地域の仲間とともに作っていた同好の会に賛同されて入っていた方で、以前にも触れた京都の年配の方も、またそれ以外にも県外の方たちが何人か参加されていた。何を思ったのか、時おり例会のようなものを開いたもので、中学3年のころだろうか、生家で開いた例会に何人か訪れたこともある。その際にどなたが来たのかあまり記憶にはない。そんな例会に参加されたのか、また独自に希望されて来られたのか記憶にないが、沼津の友人も生家に来られて泊まられたこともあった。正確にその際に歳を聞いたわけではないが、まだ20歳代前半だったのだろう。中学生が主催している会に参加されたそうした県外の方たちは、沼津の方のような20歳代の方から、すでに定年退職されている60歳代の方までさまざまであった。もちろんたかが中学生の素人が主催している会なのだから、さほどアカデミックなものでないことは想像がつく。それでもそこに参加されてきた方たちにとっては、こ生意気なまだ子どもに対して、よくもおつきあいいただいたと今になって思うしだいである。
その友人に自宅に泊まっていただいたわけであるが、妻曰く「よくもそんな中学生に付き合っていただきました」となる。当時は子どもと大人。今ではどちらも中年。今になっての10歳弱の年齢差などほとんどないに等しい。友人とは言うものの、会うのは15年ぶりぐらいである。同級生でもよほどのことがなければ会うこともなくなるこの年代、だからそれも意外ではないのかもしれないが、子どもが育つ過程においては、なかなか会う機会もなくなる。ましてや遠い地の友人ともなれば仕方のないことではある。それでも年賀状では「今度またお会いしましょう」といつも声をかけてきたことも確か。ところが当時主催していた会の活動が停止してしまい、そうしたきっかけがなくなってしまったわけである。加えて、当時そんな子どものお相手をしてくださった方たちの多くが他界された。歳もそれほど違わなかった沼津の友人は、稀な存在でもあったわけである。
子どもさんたちから手が離れて以降、長期連休にはご夫婦で遠出されるようになったという友人と、辰野町で出会う。奥様は「はじめまして」と挨拶をされたが、わたしには記憶のどこかで会ったことがあるような印象もある。ようはそれほど友人とは言うものの会ったことは片手で数えるくらいなのだ。確認してみると、30年近く前に友人宅を訪れた際に、まだ結婚されて間もない奥様とはお会いしているようだ。めったに会わないだけに、できるだけのことはしたいと思うものの、それだけの環境があるとは限らない。妻がそれに応じてくれたことはまことに感謝である。できれば我が家から南アルプスがしっかりと見えるような天候であれば良かったが、それは適わなかった。不思議な関係の友人と過ごした連休であった。
見送った翌日は雲ひとつない天候で、これが昨日ならと思いながら近くの山へ登った。連休の最終日とはいってもまだ連休中、さすがに県外車が数台駐車場に停まる。わたしがここを訪れて、ほかに人がいることはそれほどない。とくに何台も車が停まっているような時には訪れはしないが、思い立ったときでないと足は進まない。そんな山からの下界を友人に案内をしようと思っていたものの、天候が悪く、写真のような風景をお見せすることはできなかった。
撮影 2008.5.6 AM8:30
参考に「分杭峠の混雑」
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