Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

こんな組織もあるものだ

2007-11-09 12:26:59 | つぶやき
 生まれ育った地域でまもなく町長選挙がある。現職のほか立候補表明はしていないようだが、対立候補を、という動きもないわけではないようだ。人口1万1千人あたりで人口は増えもせず減りもせずいた町である。以前から触れているように伊那の谷は南北に割れている。郡がふたつあるからそれぞれの中心があって、それぞれの中心から遠いほど郡境域という図式は当たり前のことである。そんな郡境域であっても南の郡境域というのは、その地域にとって日の当たらない地域ということになる。そうした環境にあった町だから人口が一定しているだけまだ良好ともいえるのだろうか。そんな町の町長選を迎えるにあたって「飯島の明日を見つめて」という「長野日報」の記事が目に入った。行財政改革といって、職員の削減を図っているという。50歳代がもっとも多いという職員構成をみると、グラフ(25は20歳から25歳まで、60は55歳から60歳まで)のように逆ピラミッドというよりもT字型の極端な形を示す。124人のうち、50歳以上が62人いる。この形をみて正常と思う人は1人もいないだろう。2人に1人が50歳以上という職場が、若者にとってどう見えるか、想像もつかない。ただ女性職員が半数近くいるということで、保母さんや保健師さんという特定の部署があることを忘れてはならないが、それにしても高齢化社会を絵に描いたような組織だ。この町の職員と仕事でも関わってきたが、これほどの環境にあるということは知らなかった。職員削減の中で「進まない事務事業」というが、これほど50歳代が多いと、企画力は極端に低下するだろうし、これまでの関係もあって意見も通り難いだろう。



 実はこの年齢構成を見ているとわが社に似ていると思う。しかし、50歳代以上が半分というほど極端な状態ではない。この町では、2004年度比26%減の100人体制に2015年度までにもっていくという。これもまたわが社の動向に似ている。わが社は同2015年までの計画を立てていて、現在の約60%まで社員を減らすという計画を模索している。ただでさえ忙しい現状の中で、仕事が減少していくことが見えているために算出している数字だが、現実的ではないという意見も強い。これでも今までにも希望退職を募り、削減してきたにもかかわらずの現実である。この町の年齢構成を見ていて、何もしてこなかったとはいわないが、それにしてもこういう構成はある程度わかっていただろうに、なぜここまで至ったのか、執行者を含めて責任は重い。わが社においても、会社を継続していくという観点があるならば、若い世代をこのまま採用せずに組織していくことは健全ではないという意見で一致している。ということで、上が辞めて下を入れるということになるのだが、今いる社員には不服も多いだろう。それでも組織を安定したものへ、また継続していくためには必要なことだと説いている。そこへゆくとこの町の構図にはそうした意図が見えない。このまま町が終わりへ向かうという意図としか見えないのだ。先ごろ合併という問題がどこの自治体にもあった。そういう問題が地域の行政体を不安定にしてきたことも事実だろう。しかし、この町の姿は、合併ありきで職員を構成させていたのだろうか。

 グラフにはわが社の社員構成も並べてみた。実は55歳以上は参考値である。わが社に正規で55歳以上はいない。退職後の再雇用と特殊職員をこの55歳以上にいれてみた。だから本当は55歳以上はゼロなのだ。採用控えたここ10年ほどは新規の社員がいなかったから極端に層が薄い。逆ピラミッドの高齢化会社と言ってはいるが、この比較した町にくらべればまだまだ健全といえる。にもかかわらず赤字を出していて、8年後には40%の社員削減、そして3割以上の給与削減といわれている。いかに税金で食べている人たちに危機感がなかったかがよく解るだろう。

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