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九頭竜様の祭り

2024-08-25 23:22:10 | 民俗学

 長野県民俗の会第242回例会が上伊那郡飯島町と旧高遠町で開催された。日程は下記のようなものだった。

午後1時~2時〔見学〕
 ○「犬神」碑
 ○飯島町における畔草管理の姿

午後2時10分~4時30分〔発表〕 飯島町文化館会議室2
 〇「犬神碑考」伊藤修氏
 ○「畔草管理の実態とこれから」三石稔氏

午後5時45分~6時30分〔見学〕
 〇伊那市高遠町島畑「二十二夜様」

 

九頭竜様の祭り(渡辺宏氏撮影)

 

 犬神碑の見学時に分乗して乗っていた車がバッテリートラブルで動かなくなるというトラブルがあって、発表は30分遅れで始まるという、ちょっとしたアクシデントもあったが、最後の二十二夜様の見学まで、ほぼ予定通り終えることができ、さらにはその後の懇親会には12名の方が参加され、盛況だったと、例会担当としてはホッとしたところである。最初の見学と発表については後日触れるとして、二十二夜様には付録があった。二十二夜様については、昨年触れているのでここでは触れないが、実は今回の例会、参加者が16名と多かったこともあり、高遠での見学は駐車場を分散せざるを得なかった。二十二夜様のみ訪れるには、花見の際に利用される三峰川河川敷が最も近いことに気がつき、懇親会に参加されない方たちにはそちらの駐車場を案内した。参加者が10名程度だったらそのような案内はしなかったところ。ところがその駐車場を案内したことでわかったことが、天女橋南側でもお祭りがされていたことが分かった(二十二夜様が行われるのは天女橋北側)。九頭竜様のお祭りで、いわゆる水神様である。天女橋の脇に祭壇が設けられていて、祠が置かれていた。ふだんは民家の軒先のようなところに祀られていたもので、河川敷の駐車場に車を停められた人たちが気がついたわけである。

 祭壇を設けるだけで神事などはなく、対岸の二十二夜様が片付けられると同様に片付けるという。橋を渡る人たち、二十二夜様にお詣りする人たちを含めて、そうした人たちが通ってお詣りされる方がいるという。幟旗に「旧七月二十二日」とあるから、二十二夜様と同じ日が旧来から祭日だったようだ。ここは多町といい、九頭竜様を祀っているのはだいぶ減ってしまって、現在は3戸だという。祭壇を設けられていた場所の道を挟んだ向かいの家の方が祀っている仲間の一人で、いろいろ話を伺えたのと、過去の資料などを見せていただいた。

 なんとも残念なことは、この日カメラにメモリーカードを入れていなかった。したがって撮影したデータは消滅していて、ここに掲載できなかった。ぜひ来年も訪れて九頭竜様について確認したい。

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