優勝候補の筆頭で、その通り圧倒的な底力で優勝した日大三高。見事であった。
日大三高が負けたのは、センバツの九州国際大付高と、春季関東大会の習志野高だけである。実力は誰も文句のつけようがなかったと思う。
とはいえ、2回負けている。彼らは、おそらくは自分たちの実力を知り尽くしていて、ふつうに戦えばだれにも負けないとわかっていたはずである。にもかかわらず、実際、2回負けているのである。
したがって、今回の大会前も、彼らは「絶対に取りこぼしなく勝つ」ということに全力を注いでいたであろう。そのプレッシャーは、全国でどこの高校にもない、彼らだけが挑まねばならない戦いであった。
名将小倉。優しそうな人だが。
いくら強いといっても、負けるときは負ける。トーナメントの怖いところである。本命の辛いところは、相手がチャレンジャーとして失敗を恐れず立ち向かってくるところである。そしてそれらを一つ一つ打倒し、ついに栄冠をつかんだ日大三高におめでとうといいたい。