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夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

昔と今のリンク~1972-73年:ポーの一族、あぶさん

2005-06-22 | review

 72、73年の社会風俗みたいなものを扱います。流行した歌を挙げるのが常道のようなので、まず記しますと72年は「女のみち」、「どうにもとまらない」、「せんせい」、「喝采」、「瀬戸の花嫁」、「旅の宿」、「黒の舟歌」、「出発の歌」で、73年は「なみだの操」、「神田川」、「危険なふたり」、「くちなしの花」、「心もよう」、「草原の輝き」なんだそうです。ほとんど知ってる人も、全然知らない人もいるでしょうね(当たり前か)。演歌と生まれ始めたJ-POPと私的生活に傾斜するフォークの3つくらいに分類できそうで、それぞれのグループ内での前後関係はわかっても、それらが同じ年に売れていたって感じはしないかもしれないですね。この辺から世代や好みで個々ばらばらに聴く時代になり始めてたんでしょう。i-podはなくても、ラジカセはありましたから。

 72年には横井庄一さんがグァム島で発見されています。小野田寛郎さんはこの年に確認されていたんですが、帰還は74年です。この時ですら長い間よくもまあというのが正直なところでしたから、先日の情報はどういうことか理解に苦しみました。

 流行したものとしては、72年は日中国交回復を受けてパンダw、日本列島改造論、スマイル・バッチ、ホット・パンツ、ファスト・フード、ボーリングで、73年はオイルショックの影響でトイレット・ペーパーの買占め(流行か?)、ツチノコ探し、ハイセイコーだそうです。書いていて恥ずかしいのもありますが、パンダブームなんかは今の日中関係を考えると複雑な気持ちになりますし、列島改造論は今に至る土建国家の理論的裏づけですね。郵政民営化は30年後にはどのように評価されるんでしょうか。オイルショック以降、国内的には省エネが言われるようになり、国際的には産油国の発言権が増大しました。

 73年は政治ではあまり変化はないので、ざっと触れておくと、2月に1ドル360円の固定相場制から変動相場制に移行しました。中国が今そうしろと各国から迫られているわけです。8月に金大中さんが(後に明らかになったんですが)韓国の諜報機関KCIAに東京で誘拐されました。国際的には米軍が撤退し、ヴェトナム戦争が終わったのが大きいでしょう。それとウォーターゲート事件が明るみになりました。これも先日、ディープスロートが名乗り出ましたね。

 社会面的な事件に戻ると、72年では何と言っても2月の浅間山荘事件がテレビで中継されたことが大きいでしょう。つまり人が死ぬかもしれない状況が見物でき、それをみんな仕事も忘れて楽しんだということで、その方がプロジェクトXみたいな警察や人質や住民のエピソードよりよほど重要です。3月になって連合赤軍内のリンチにより殺された14人の死体がざくざく出てきたことと合わせて、20年後のオウム事件と非常に似ています。

 5月には、大阪の千日前デパートの火事で118人が死亡しています。次々と飛び降りていく人たちの映像もテレビで流されました。73年の11月には熊本の大洋デパートでも火災で101人が亡くなっています。

 73年には3月に当時の国鉄の順法闘争に憤激した乗客1万人(!)が上尾駅で電車や駅を破壊するといった暴動が起きました。他の駅でも同様の状態になったそうですから、一般人も今より気性が荒かったように思いますし、労働組合への憎悪が国鉄民営化を推し進める原動力になったでしょう。

 10月に滋賀銀行山科支店の女子行員が8億9千万円を詐取して逮捕されています。これは週刊誌をずいぶんにぎわせたものです。当時の1世帯当たりの平均月収は16万6千円だったそうで、これでもオイルショック当時の狂乱物価の影響で非常な勢いで伸びていました。

 さて、最後はマンガですw。72年は「同棲時代」、「ポーの一族」、「ベルサイユのばら」、「マジンガーZ」で、73年は「愛と誠」、「あぶさん」だそうです。古典と言ってもいいほどの名作「ポーの一族」とまだまだ連載の続く、しかも「ゴルゴ13」などとは違い、年齢をちゃんと刻んでいく「あぶさん」……一体これは何を意味しているのでしょうか? 私にはようやく社会に出て、消費生活の担い手となり始めたベビーブーマー、団塊の世代がそれらを支え続けたからだと思えます。ひょっとすると、上記の出来事の多くも。……


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トイレットペーパー (8マン)
2005-06-24 01:14:23
トイレットペーパーの買占めは、もしかするとガセかも知れません。全国的な騒動だったかのように皆が信じ込んでいますが、一部の地域・店舗の一時の騒乱(?)だった可能性があります…。



「旅の宿」は、おいおい拓郎…と思ったものです(笑)。「結婚しようよ」の免疫はあったのですが(笑)。
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Unknown (クラシカルな某)
2005-06-24 21:06:33
 「くちなしの花」と「心もよう」が一緒の時期だとは・・・半ばショックです・・・説明しにくいですが。



 「心もよう」は長いこと忘れていて、そしてkazamiさんが歌ったのでにわかに懐かしくなったものです。



 歳とるわけだなあ、とも思いました。
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8マンさんへ (夢のもつれ)
2005-06-25 04:24:33
コメントありがとうございます。

トイレットペーパー騒動のとき、うちの家でも知人の雑貨卸から段ボール箱で譲ってもらっていたのを憶えています。少なくとも1軒はしっかり乗せられていたようです(笑)。



「旅の宿」はドーナッツ盤を買って聴いた(これは大変なこと)のですが、なんじゃこれはと本心では思いながらも、いやこれがわからないのはこっちのセンスが悪いのだとけなげに思っていました(笑)。
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クラシカルな某さんへ (夢のもつれ)
2005-06-25 04:32:57
コメントありがとうございます。

そうですね。私も年表を写しながら、これとこれが同じ年の流行ってホントかなぁって思うことがしばしばでした。

単に好きな曲、想い出のある曲が近く感じるとか、そう単純ではないし……記憶のファイリングシステムって不思議ですね。



そういったもろもろの感慨にひたるためにやってるんですけど。……年を感じるという副作用は仕方ないですね。
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