夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

自分探しの旅

2006-11-24 | review
 有名サッカー選手だけじゃなく「自分探しの旅」っていうのが流行っているようです。でも、これってなんか変な言葉です。まず自分を探すって、どこかに置き忘れたんでしょうか?本当にそうなら警察や鉄道会社の遺失物係りにでも訊いてみたんでしょうか?

「あの、私をどこかに置き忘れたんですが、ないでしょうか?」
「ああ、最近多いんですよ。雨の日は傘、今日みたいにカラッと晴れた日は自分を落としちゃったって人がね。……でも、ないみたいですね。見つかったら連絡しますよ」

 そんな会話がもしかしたら交わされてるのかもしれません。……次にその自分はなぜ旅行して探すんでしょうか?行ったこともない土地、例えばタヒチwになぜあると思うんでしょうか?ひょっとすると旅行代理店では「自分探しならここ!」なんて広告をしてるかもしれません。

「あの、この『自分探しの旅~7泊8日』なんですけど、前にも参加したんですけど、見つからなかったんですよ。今度参加してダメだったらおカネ返してくれます?」
「申し訳ございません。私どもとしてはお客様が自分をめでたくお探しいただけるよう最大限の努力をさせていただいておりますが」
「それってホテルが鏡だらけだったり、観光地を歩いてると『自分』って書いたカードが落ちてるとかですか?……そんなことじゃなくて、本当の自分を探したいんです」
「承知しております。今度はだいじょうぶです。世界1周しますから」

 えっと、小噺やってるんじゃないんですがw。……たぶん自分探しの旅って観光とかグルメとかの特定の目的を持たずに自分とは一体何かを見つめ、一体これからどうやって生きていったらいいかを探すための旅といったところなんでしょう。でも、そういうのってわざわざ人に言うような話だとは思わないですし、それを目的にするのって私に言わせれば勘違いしています。


 この辺からセレンディピティの話になるんですが、セレンディップの3人の王子様は国を悩ましているおそろしいドラゴンを退治する秘法を探して来るよう父王に言われて旅に出たんです。だから、その旅の中でお嫁さんを見つけたのは余計なことですし、秘法は見つからなかったんで旅としては失敗です。ドラゴンは秘法を知っている賢者の化身がやっつけてくれたんでめでたしめでたしですが、王子様たちはけっこうしょげて王様の元に戻っています。でも、もちろん王様は結果よければすべてよしってことであたたかく迎え入れてくれるんですね。

 王様が最初から嫁を探して来いと言ったらどうだったでしょう?おそらく美女を拉致監禁している怪物なんかがいて……って話になるような気がします。ところがこのお話ではとても簡単にお相手は見つかります。だってそれはひょっこり出会っちゃったんですから。そんな簡単にいい人が見つかるなんてお話だからだわって思う人も多いでしょうし、それはそうですが、でも私はお嫁さんを探していなかったから見つかったんだろうと思います。それ以上に秘法を探すことに一生懸命だったから。

 果報は寝て待てとか、イヌも歩けば棒に当たるとかいうことわざがありますし、わらしべ長者とかものぐさ太郎とかのおとぎ話もありますが、それらとは少し違っているように思います。一生懸命に何かに集中していて、ふと立ち止まったときに別のものを発見することがあるような気がします。それが恋愛であっても自分であっても、あるいはノーベル賞級の発見でも私はある意味で同じじゃないかなって思います。……だってそれを発見した時に世界が違って見えるはずですから。

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2 コメント

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そうですね (ぽけっと)
2006-11-25 00:51:36
そして王子さまたちが「今は秘宝を探している途中なんだからお嫁さんなんていらないやい!」とか思わずに素直に見つけたことを喜んだ(のでしょう?)というのも大事なことですよね。
確かにそのとき、王子さまたちの世界は一挙に広がったでしょうね、大切な物は自分の想像を超えてまだまだありそうだ、というのに気づいて。
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いえいえ (夢のもつれ)
2006-11-25 14:23:33
お嫁さんが要らないなんて言うようでは王子様でありません。長男から順番にすぐに恋に落ちてしまいます。。秘法を探してる途中だから結婚は後回しですけどね。

長男は農家の娘、次男はペルシア皇帝の妹、三男はインドの女王と、身分が高くなるのもおもしろいなって思っています。。
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