夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

今日聴いた音楽~Haydn:Oboe,Trumpet,Harpsichord Concertos

2005-04-14 | music

 ハイドン(1732-1809)は、先輩・上司にしたい作曲家No.1ですねw。ユーモアがあって(「驚愕」)、部下に思いやりがあって(「告別」)、ちゃんと才能を評価してくれて(ハイドン・セットの逸話)、何より性格が穏やかで、しかも苦労人。彼の音楽を聴いてるとそう思います。例えばモーツァルトなんかだと、すぐに「おまえなんかバカ、バーカ。ケツをなめろ!」なんて言われそうだし、ベートーヴェンだと……うわー、オタクっぽいなぁ、話が続かないやなんて思っているうちに、「うるさい!出てけ!」ってでかい声で怒鳴られそう。ちなみに友だちにしたい作曲家No.1はシューベルトですね。
 冗談はさておいて、104の交響曲、80を超える弦楽四重奏曲、50曲以上のピアノ・ソナタ、20以上のオペラとオラトリオなどなど、残っているだけでもすごい数ですが、モーツァルト(1756-1791)が生まれた頃から、亡くなって10年後くらいまでの約40年間着実に進歩していった跡をたどると、その後の100年間のヨーロッパ音楽の隆盛の礎を築いたという感慨を持ちます。
 ハイドンの生家は、ウィーンから日帰りで行けるローラウという片田舎にあります。ご覧になってわかるように農家のような造りで、天井も低いです。ここから出発して、ザンクト・シュテファン大聖堂の少年合唱団に入団して音楽的キャリアを始め、地方の宮廷などを転々とした後、30歳前にエステルハーツィ宮廷の副楽長となり、楽長に昇進して30年間お殿様に仕え、その死後、宮廷オーケストラが解散(リストラ!)したのを機に、独立した音楽家としてウィーンなどで活躍したのです。
人通りもほとんどない(オーストリアの田舎町の休日は大抵そうですが)通りから、これまた訪れる人もほとんどない生家を見ていると、子どもの頃のハイドンと弟のミヒャエルの姿が浮かんでくるようです。
 今回のディスクの中では、チェンバロ協奏曲(演奏はハープシコード)が最も早く1782年で交響曲第73番「狩」の頃、トランペットが1796年で最後の「ロンドン」の頃、オーボエが真作かどうかはっきりしない作品ですが、1800年頃とされています。ただ聴いた感じでは、いわゆるザロモン・セットとは違って、いずれもエステルハーツィ宮廷時のスタイルで、協奏曲というバロック以来の社交的なジャンルにふさわしい、ゆったりと楽しめる音楽だと思います。


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8 コメント

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ハイドンはいいですね (yurikamome122)
2005-04-14 12:15:23
ハイドンを好きな人は、もう結構本当にクラシック音楽(という言い方は好きではありませんが)好きな人だと思います。マーラーやベートーベン、モーツアルトやショパンは割りととっつきやすいけど、ハイドンは聴きやすいようでちょっと気取ったところがありますよね。でも、スイッチが入ればもうなかなか切れません。私も大好きですが、なかなかいい演奏に恵まれないのもハイドンだと思うのですがいかがでしょう。
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コメントありがとうございます (夢のもつれ)
2005-04-14 12:45:07
そうですね。ドラティの交響曲全集も、グールドのピアノソナタもピンと来ないところがありますね。チェロ協奏曲の2番はナヴァラの名演があったように思いますが、ヴィルトージをひけらかすような性格でないことが原因かもしれません。

ハイドンのエステルハーツィでの立場は、料理人と同じようなものですから、シューマンみたいに「シェフの気まぐれサラダ」wのような作品は出せませんし、シューベルトみたいな下町っぽい作品もダメなんでしょうね。そういうことで気取ってるとも、元祖古典派wとも言えると思います。

これからもよろしくお願いします。
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はじめまして (しょうご)
2005-04-14 22:03:36
風のクラシックのTBを辿ってきました。私もハイドン好きですね~。交響曲にはどっぷりつかっています。44番とか39番とか26番みたいな短調の曲で衝撃を受けて以来ですね。
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はじめまして。 (other_wind)
2005-04-15 10:35:09
トラックバックありがとうございます。と言ってもトラックバックの意味がまだ良くわからないでいますが。Tpはマルサリスでしょうか。

私もハイドンは好きです。シンフォニーみたくユーモアたっぷりかなと思って聞いたピアノソナタがとっても真面目なのでびっくりしました。そして大好きになりました。

よろしくお願いします。
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しょうごさん、よろしく (夢のもつれ)
2005-04-15 11:56:18
ハイドンが好きな人が多くて、うれしいですね。モーツァルトじゃなくて、ハイドンの短調シンフォニーとは新鮮な視点ですね。そういう目で(耳でかな?)また聴いてみます。
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other_windさん、よろしく (夢のもつれ)
2005-04-15 12:04:30
えー、Tp奏者ですか、たぶんそうです。って、いい加減ですけど、実はこのCDは図書館で借りて、HDDに落として返却しちゃったのでわかんないです。

ハイドンのピアノソナタは、名手とは言いにくい人のソナタっていう意味で、シューベルトのと一脈通じるものがあるのかなって思ってます。

これからもよろしくお願いします。
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どうもでした (しょうご)
2005-04-15 21:51:51
返答ありがとうございました。101番「時計」あたりが後期の最高傑作ならば、44番「悲しみ」あたりが中期の最高傑作かなぁって思っています。別の視点で見れば53番「帝国」あたりもいいですけどね。

それから、事後連絡で恐縮ですが拙ブログのお気に入りに登録させていただきました!
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リンクありがとうございます (夢のもつれ)
2005-04-16 10:12:48
本当にハイドンがお好き&おくわしいですね。感服しました。

貴ブログを拝見させていただきましたが、新譜のレヴューなどうらやましい限りです。

私もお金→お酒の自動変換装置をどうにかしないと。

リンクをこちらでも張らしていただきます。どうそよろしく。

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