とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

黒ボク土 新規開拓地の現況

2019年01月19日 | 日記
タマネギ畝横のブタクサ林(土壌は黒ボク土)を刈り倒し新たな畝を立ててから2ヶ月が経ちました。冬期なので、畝間に敷いた枯草(ブタクサなどの大型野草)の分解はまだ全然始まっていない様子ですが、土がよく乾いたことで地下水蒸発によるミネラル濃縮効果が現れているかもしれません。土壌PHを調べてみたいと思います。先ずは畝の表土から測定します。


<サンプルA:新規畝の表土>
畑湧水PH7.48に土投入→PH7.31
水道水PH6.94に土投入→PH6.98
※微弱なアルカリ性と推定


この場所ではありませんが、12月23日に調べたブタクサ林の表土はPH6.0程度でした。それに比べるとかなりPHが上がっていますが、湧水に比べれば低い値なのでまだまだ十分とは言えません。春になり雨が降り出すと溶脱によるミネラル減少が始まるので、冬の間にできるだけミネラルを蓄積しておきたいところです。

さて、元ブタクサ林となれば、ブタクサによるミネラル吸い上げがどの程度のものか気になります。ブタクサに吸収されたミネラルを湧水に抽出してみます。
<サンプルB:ブタクサ枯れ枝抽出液>
畑湧水PH7.47にブタクサ枯れ枝を投入して抽出
10分後:PH7.83
20分後:PH8.04
※高いアルカリ性。多量の集積を確認


ブタクサにこれほど吸収されていては、土が酸性化するのも当然です。野菜を作るには吸い上げられたミネラルを土に戻してやる必要があります。分解が進んでいない上に降水も少ないので、枯草からのミネラル放出はわずかと思われますが、一応、敷き草の下を調べてみます。


畝間に敷いた草をどけて表土を採取します。
<サンプルC:新規畝の畝間表土>
畑湧水PH7.51に土投入→PH7.36
※畝表土と同程度の微弱なアルカリ性


やはりミネラル放出はまだのようです。しかし、放出されたミネラルが沈降している可能性もあるので、土を掘って深部を調べてみます。


畝間を掘り、深さ10㎝付近の土を採取。パサパサの表土と異なり粘り気があります。
<サンプルD:新規畝の畝間深さ10㎝の土>
畑湧水PH7.51に土投入→PH7.47
※畝間表土より高いPHの弱アルカリ性。しかし、湧水よりまだ低い


意外に多くのミネラルが沈み込んでいました。では、もっと深い所はどうでしょうか。
<サンプルE:新規畝の畝間深さ20㎝の土>
畑湧水PH7.50に土投入→PH7.39
※畝間表土と同程度の微弱なアルカリ性

沈降したミネラルはごく浅い所に集積するようです。この結果は、秋に大豆後の畝などで観察されたのと同じ傾向です。
新規畝は今度の春作でジャガイモ栽培に使うつもりですが、ミネラルが深さ10㎝程度に集積しているとなれば、うまく土寄せしてやることで一気に土壌が改善する可能性が高いと言えます。なかなか面白くなって来ました。
コメント
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