国交省足立幹線鉄道課長、JR九州牛島新幹線計画部長をお招きして、今村雅弘先生主催の九州新幹線“佐賀・長崎ルート”について意見交換会が佐賀市で行われました。私はスタッフの一人として130名に及ぶ各界の方々にお集まりいただき、大変有意義な会になったこと嬉しく思います。
私が本日注目したことをいくつかピックアップしたいと思います。
➀まず、在来線に対する期待と配慮です。
佐賀県は福岡都市圏のベットタウン化を是とする風潮があります。在来線は必要であり、そのためにJR九州が在来線をどのように考えているのか。それに対してJR九州は先行した鹿児島ルートの事例を示しながら、それを活かすための様々な方策を説明されました。
➁次に、財源問題に対する国交省の誠意ある態度です。
国交省は問題解決の道筋をつけるために専門的立場からこれまで解決策を示され、また責任政党である与党PTによって審議されてきました。そしてその結果として、フル規格で残る新鳥栖武雄温泉駅間を整備することが最も望ましいとの結論が出されました。しかし、蚊帳の外となった佐賀県は反発を強め、仮定の話だとして議論に値しないとの立場です。そうした強い声を受けて、解決策の中で法改正が必要になれば誠意ある対応をしたいという足立課長の言葉は重く受け止めていいのではないでしょうか。
➂そして災害に強く、安心安全を求める声です。
昨年は佐賀県の多くの地域で豪雨被害が発生しました。鉄道は基幹となる交通機関であり、どんな時でも麻痺しない強靭性が求められます。新幹線はその点大変タフな交通機関であり、在来線が不通になってもいつものように使えることがその売りです。実際私の娘も在来線が停まった時は、博多駅から新鳥栖駅まで在来線の定期券ですが新幹線で帰っています。
➃最後に一日でも早い全線開通、少なくともその見通しが待たれます。
フリーゲージトレインはノルディック複合に似ています。新幹線はジャンプ競技であり、如何に早く走れるか、その探求はずっと続きます。しかしノルディック複合は飛ぶだけではありません。フリーゲージトレインは変化に満ちた在来線を走るとともに新幹線と同等の速さが求められます。そうした違った二つ要素を共に満たさなければならない(それは全体システムとして)不可能に近いリスクがあります。しかし問題を先送り、また変な妥協により議論することまで封じてしまい、その結果15年という歳月を無にしてしまいました。
次のルート問題は冒険することなく堅実な方法で考えなければなりません(新鳥栖駅ではここから佐賀・長崎へと分岐するための投資が既になされているという事実があります)。
時は金なりといいますが、対面乗り換えのリレー方式ではB/C0.5と、多方面に負の影響が出ることが予想されます。そこから一刻も早くみんなで抜け出さなければならない時に今我々は立たされている、私は改めてそう感じました。
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