江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

150年先を見据えて

2019-08-02 02:40:58 | 交通機関

【速報】新幹線「フル規格」「佐賀駅経由」提示へ

長崎ルート、与党検討委が5日の会合で

https://www.saga-s.co.jp/articles/-/408137

という佐賀新聞の記事を見て佐賀県が揺れている気がします。

 

私は今回の新聞記事の見通しについては歓迎するものです。言うまでもなく私がこれまで議員活動を通して訴えてきたことに他ならないからです。

しかし、本件が確実に先に進みだし、また幸せと利益を我々にもたらさなければ元も子もありません。

 

5日の会合にはまだ3日ある本日8月1日に、このようなスクープをするというのは国がかなり追い込まれている証ではないかと思います。

 

フリーゲージトレインの断念により武雄温泉駅で新幹線と在来特急を乗り換えるリレー方式が当面行われます。実はこのリレー方式では収支改善効果がない、B/Cが1を下回ると見込まれています。つまり赤字になるということです。よって、理論上折角新幹線を造ってもJR九州から貸付料を取ることもできません。収支の面からみれば失敗という烙印が押される国家事業となります。

このような事態を招きかねない、そういうリスクがあるからそれを回避したいというのが国の本音でしょう。

 

その解決策はというと、新鳥栖駅から武雄温泉駅まで、収支改善効果が見込まれる標準的な新幹線であるフル規格でつなぐこと、整備することしかありません。この自明のことを確認するのが5日行われる与党PTでした。ところが、これまで表に出さなかった本音が、何故かスクープとして早々に出てしまいました。

 

時間をかければそれだけ赤字が続くし、失敗策として国民に迷惑をかける、そういう思いが国にはあるのだと思います。

であれば、これで様々な異論が5日まで渦巻くだろうとは思いますが、一日も早く方向性を示すことが求められます。

 

国にお願いしたいことは、これまで財源及び負担の在り方について、かなり佐賀県に配慮したアイデアを示されてきました。これはフリーゲージトレインという未完の大器を武器に、それまで新幹線を頑なに拒んできた佐賀県を妥協させたこと、しかし、その当てが外れ、佐賀県に迷惑をかけた責任を感じてのことだと思います。

 

失敗に終わったフリーゲージトレインを使ったスキームの中で、貧弱な在来線約14㎞の複線化改良工事を新幹線工事の共通費として、佐賀県内でもあるにかかわらず、佐賀長崎の共通費とされました。それは長崎県へ新幹線を通すためには必要な経費だから、長崎県にも負担してもらうという理屈です。私は武雄温泉から新鳥栖駅までの、今度は新幹線工事ですが、長崎県へ新幹線を通すためには必要な工事費ということでは全く同じです。

私は反対される佐賀県人の中に、感情的に長崎県のために何でお金のない佐賀県が負担せんといかんとね、という声をよく聞きます。私はそれには反論できません。やはり長崎県か国に佐賀県の地元負担を同じ理窟から求めることも必要かと思います。地元負担の問題も5日の会合では方向性を示していただきたいと願っています。

 

山口知事は躊躇される理由の一つに在来線の問題を挙げられます。しかし、先ごろJR九州は九州管内の在来線の輸送密度を発表されました。それを見ると、長崎本線も佐世保線も重要な路線であることがわかります。JR九州はまちづくりのパートナーという姿勢を鮮明にされています。駅を中心としたコンパシティとそのネットワーク、これから地方自治体に求められる在り方かなと思います。

またMaasという大変革の時代に世界は向っていますが、Maasという移動しやすさを求める時代を迎えると、既に新幹線網に列ねる大都市と佐賀県内の都市が結ばれることはまちを維持発展させるためには必須のことかと思います。

 

昨年佐賀県は維新150年事業を成功させました。そして明治維新という国家の大事業を佐賀県ゆかりの方々が如何に活躍されたか、多くの人が改めて知ることとなりました。

温故知新という言葉があります。今明治維新に深く感銘した我々は、150年先の佐賀県に思いをはせるときではないでしょうか。そうした時、佐賀県にとって新幹線は必要ないといえるでしょうか。

新幹線は道具でしかありませんが、全国に張り巡らされる新幹線網によって、先に富み、人口を多く抱える地域がたくさんあります。孫子の代まで佐賀県が栄えるためには、なるべくお金のかからない、富をもたらす新幹線が私は必要だと確かに思います。


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