江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

フル規格で三方一両損(大岡裁き)一部修正

2020-01-18 20:43:22 | 交通機関

全国津々浦々、新幹線を求める声があるものの、テーブルにも乗らない大きな壁があります。

そうした中、長崎(西九州)ルートは国がフル規格で進めたいと熱望する稀有なケースです。なぜかと言えば、一部開業するものの、新幹線と在来線を乗り継ぐ“リレー方式の対面乗り換え”で対応せざるを得ない事態となったからです。これは新幹線を作っても今までよりかえって悪い(この場合B/Cが0.5しか出ない見込みのため。因みに1を超えて初めて収支改善効果が出てくる)事態が続く恐れがあるということを意味します。

実はフリーゲージトレインがもし実現していたとしても、財務省の試算によれば、収支改善効果は(在来線区間を含めれば)でないという事が見込まれていました。それでもフリーゲージトレインに国がこだわったのは、聞くところによると、もし完成すれば、新幹線をもうこれ以上作らないで済ませることが出来るという財務省の論理が強く働いたと聞いています。その甘い誘惑から長崎ルートは15年間もフリーゲージトレインに振り回されたのであり、やはり佐賀長崎は踏んだり蹴ったりもいいところではないでしょうか。

そこで私が今すぐにフル規格で進めるために重要と思う3点を以下にお示します。

➀先ずはフリーゲージトレインを前提とした6者合意のゼロベースでの見直しです。

儲からないから、平行在来線として位置づけられた肥前山口駅から諫早駅間を経営分離しようとしました。しかし、残された新鳥栖武雄温泉区間をフル規格で整備すれば、その区間は大きな利益が見込めることを示す、B/Cも3.0と出されました。新幹線からの利益と在来線を維持発展させたいという沿線自治体の熱意とJR九州の営業努力で、在来線の存続は可能かと思います。皆様から喜ばれる方向にもっていくのが政治ではないでしょうか。

➁次に、フル規格では佐賀県内の在来線は特急がなくなり、普通運賃で乗れる快速を中心としたダイヤが組まれ、在来線が活性化します。

今でも佐賀駅は特急が安く利用でき、今のままでいいという理由となっています。しかし、それは高速バスと競合するため佐賀駅だけに認められたものです。快速天国の在来線は沿線どの駅でも快速を乗り継ぐことで、例えば博多駅まで短時間で行くことが出来ます。通勤通学定期などを利用できれば、極めて安い運賃ですべての駅が利用できるようになります。

③最後に、実質660億円の地元負担の問題も国が負担すべき特別な事情がある。

15年間フリーゲージトレインという幻想に引きずられて、これからいつまで続くともわからない、まちづくりに多大な負の影響を受ける佐賀長崎の先行区間の事を考えれば、国がそのすべてを負担してもなんら不思議ではないと私は思います。沿線を不便と負債に苦しめるリレー方式の対面乗り換えから脱却するためには、一刻の猶予もありません。財務省は自ら招いた甘い誘惑の責任を取り、660億円を負担すべきです。

 

大岡越前守の三方一両損は落語でよく聞く話です。財務省も積極的に大岡裁きをしてみてはいかがですか。


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