江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

新しい提案、六択目の選択(当面佐賀市に新幹線駅を作らない)

2021-06-30 09:33:15 | 郷土愛

新幹線フル規格化問題に対して期待を持って佐賀県議会の議論を注目していましたが、聴いていてもなかなか先が見えてきません。

私は昨年の県議会で示された宮原県議(自民党県連幹事長)のご発言に、一筋の明かりを感じております。

 

まず、私なりに佐賀県の主張を要約すると、6者合意では新鳥栖武雄温泉間はフリーゲージトレインでという合意はしたものの、新幹線を前提とした議論は全くないのであり、フルを前提とする議論には乗れない。また、そこに至るまでに悲哀を味合う事になった地域の事を考えると、さらにその地域に譲歩をお願いすることは出来ない。

この考え方で一貫されていると、推進派と言われる私にも理解できるところであります。

 

ところが、国としては全国新幹線網を構築しなければならないという国益があり、ここに至っては何としても武雄温泉長崎間へともっとも信頼性の高いフル規格新幹線でつなぎたいという事です。

 

ボタンの掛け違いという事で済ませられる刹那的な出来事であれば、時間が解決することもありましょうが、インフラ整備においては何とか知恵を絞り、子々孫々から笑われぬようにしなければいけないし、子々孫々がこの地からいなくなるようなことは避けなければなりません。

そうした時、宮原県議の発言に私はなぜか強く惹かれました。そしてご自宅でその趣旨を深くお聞きして、これしかないという確信に変わりました。

 

先ずは、新鳥栖武雄温泉間を新幹線で真っ直ぐつなぐこと。

フリーゲージトレインが新幹線と同等のものなら、そのまま事業が進むことがもっとも良かったものの、国が行く末を案じ、断念された。そしてその非も認め、善後策を考えられている。新幹線を先ずは繋ぐこと、日本の中の佐賀県としてこれは必要ではないか。

 

一方、佐賀県は佐賀駅に新幹線はいらないと一歩も引かぬ強い姿勢を見せられている。ならば当面佐賀市に駅を作らず、将来新幹線駅を作ることで一致した際には、無条件で新幹線駅を佐賀市に作ると言いう事でどうだろうか。

 

佐賀県議会を中心としたこれまでの議論を私も聴いてきて、自民党幹事長として素晴らしいの落としどころを見出されたと感じました。

 

私はこの提案のすばらしさは次の点にもあると思う。

佐賀駅に新幹線が停まらないことから在来特急の運行が現状のまま維持されることが期待される。佐賀駅が福岡市のベットタウン化している理由の一つとして、安い特急を利用できるという事がある。このメリットが手放せないのは理解できる。

 

また、肥前鹿島、さらには肥前浜駅まで電化区間が残った。よって特急かもめは肥前浜折り返しとなり、収益も上がり効率的な運行が出来ることが期待され、23年とは言わず、未来永劫特急が走る可能性もある。

これで佐賀県が言っている6者合意と同等の条件が確保されるのではないだろうか。

 

新幹線の歴史を顧みると、我田引鉄として、有力政治家がその地盤を強引に通そうとし、新幹線事業そのものが先に進めなくなった苦い経験がある。そこで、新たな整備新幹線は極力線路を真っ直ぐに引き、効率化が図られてきた。国交省が非を認めたとして、佐賀県のためにどこまで、“わがまま”を聞いてもらえるだろうか。全国には我先に新幹線をと、虎視眈々と順番を待つ所が多々あるという現実も知るべきである。

 

そうすれば、60年アセスルートをベースとして佐賀駅を通さず、直線を引くと、佐賀県庁、佐賀大学、南部環状線の南辺りを通ることになる。もしそこに将来新幹線駅を作るとなると、佐賀空港まで車で10分程度で時間が読めることになり、佐賀空港の利用も便利になる。

 

また、この新幹線の費用は武雄温泉長崎間の利便性を高めるためにするものであるから、その佐賀長崎の享受する利益に応じて負担すべきことになる。この考え方は武雄温泉肥前山口駅間の複線化の際に既に使われた手法である。長崎県のためになぜ佐賀県が地元負担しなければならないのかという佐賀県の不満にも応えられると思う。

私は佐賀県が孤立するのが怖い。困っている方々は何とか早く事態が進展することを願う。そうした人々の前で時間をかけて悠久な議論をしていると、思わぬ“恨み”を買っていまわないだろうか。

佐賀県はスポーツで活路を見出そうとしている。スポーツ選手は多くの人々の支持と称賛によって益々強くなり、輝いていく。佐賀県としても同じではないだろうか。

与党PTの提案もこれまでの定石にはかなっているとは思うものの、佐賀県の言い分をよく吟味の上、新しい提案をされてはいかがだろうか。

時間はかけられないと私は思う。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
西九州新幹線について (epawa387)
2021-12-21 00:55:55
個人的には佐賀空港経由が最も良いと思います(2021年11月報道の佐賀空港経由の建設費試算には疑問点があります。トンネルを掘るような場所じゃ無い)

一つ提案ですが、新鳥栖で鹿児島ルートに合流するのではなく、久留米駅で合流する経路も考えていくべきと思います。

久留米接続で久大本線を介して東九州方面への鉄道の利便性を高めるため。既存の在来線では長崎・佐賀←→大分県方面の行き来の利便性は高くないので、新幹線という新たな線路で在来線の足りない部分を補う。こういう考え方が広まると良いのですが。

このほか、
西九州新幹線問題について自分なりに考察をまとめた記事をnoteに書いています。もし良ければご覧頂きたいです。
https://note.com/epawa387/n/n7b8f356086e4
長崎新幹線 鉄道網全体で考えて(その過程で唐津~熊本空港直通在来線も考えた)

https://note.com/epawa387/n/n8ba147840bf7
【3/3】西九州新幹線と在来線広域間・空港連絡鉄道(東九州・九州横断新幹線ルート案考察から派生)
返信する

コメントを投稿