
旅の二日目は試練だった。
尾道を朝、出発して国道184号線出雲街道へ道をとった。
中国山地の水郷、三次から江の川沿いの道を辿り河口の江津まで、
という計画を立てていた。
山間部に入り、息を切らせて登坂路を上りきったところで、
まず車体を支えるサイドスタンドが積載荷重に耐えられなくなったのか破損した。
工具を取出し、修復を試みるがフレームが歪みネジが一本無くなっている。
次の街の自転車屋さんまで、
とりあえず破損したスタンドを取り外し応急処置。
しばらく走っていると、
どうもペダルが重い、そして何かが擦れる異音が続く。
自転車を止めて仔細に点検する。
無くなったネジが支えていたキャリーフレームが歪んで
タイヤと摩擦を起こしているようだ。
さぁ困った。
ここは街から遠い山の中。
悪い事は重なるもので、
走行距離とスピードを計るサイクル・コンピュータまで
数字を表示しなくなった。
ここで旅はお仕舞なのか?
暗い絶望感が込み上げてくる。
とにかく次の街まで。
しばらく行ったところにGS(ガソリンスタンド)があった。
ダメ元で、飛び込んでみた。
無口な店員さんだったが親切だった。
キャリーフレームを支えるネジを取り付けてくれた。
これで、やっと真面に走れる。
「ありがとうございました」
「ネジ一本くらい、いいよ」
と笑って手間賃を受け取ってくれない。
しばらく走ったお堂で日盛りの午後、遅い昼食とした。
蝉しぐれの中、ほっと寛ぐ時間だった。
結局、三次までサイクル・コンピュータを扱っている自転車屋さんは無かった。
16時過ぎに三次に入り、
サイクルショップ・辻野さんで車体破損個所を修理。
その日は、江の川沿いの人家から遠い河原でテン泊。
汗びっしょりの身体を川に入り水浴び。
その間に川の水で冷やしておいた麦酒が、殊の外美味しい。
旅の三日目は、ひたすら中国地方一の大河、江の川沿いの道を走り続けて
河口の街、江津まで。
川風に吹かれ、時には木陰で微睡み、
日本の夏の只中を走る旅の歓びに浸った一日だった。
7/22 走行距離・およそ72km。
7/23 走行距離・116.29km。
鬼城さんご指摘の通り、日本の道路は車中心に造られています。、
特に主要幹線国道は酷いですね。
道路の路肩は狭く、路面が荒れているので大型車両が接近してくると
緊張を強いられます。
一番怖いのがトンネルです。
最近造られたトンネルは歩行者、自転車用に一車線分の広いスペースを取ってくれています。
残念ながら古い国道のトンネルは路肩は狭い、暗い、荒れているの最悪でした。
これらの悪条件も大きな街の近郊になると見事に改善されています(笑)
人の目に及ぶところと及ばないところの落差が大き過ぎます。
自転車で真夏の幹線国道を走る愚かさを実感しています(笑)
山間部では沢の水で体温を下げていました。
都市部では道の駅のトイレと自動販売機が体温を下げるための救いの神です。
そしてお昼にコンビニで食べるシャキシャキのカキ氷アイスが生きがいです(笑)
今日は松江と米子の中間点あたりまで来ました。
カキ氷アイス本当に美味しそうです。
何時も、少しハラハラしながらブログ読んでます。
リアルにそしてダイレクトに今日一日の出来事や息使いが伝わってきます。
本当に楽しそう?です。
今日の1曲は、あの名作イージ・ライダーで流れていた
ザ・バンドの「ザ・ウェイト」です。http://www.youtube.com/watch?v=QMy3AbpkYvw
お疲れ様、しっかりお休みなさい。
また細い針金を持っているとネジ紛失やキャリアなどの破損時の応急処置に使えます。キャリアは私も折れたことがあります。鉄工所に飛込んで溶接してもらいました!!
ホッホさん、しずくさん、ありがとうございます。
鬼城さんのコメントに返信したように旅の四日目は辛抱の一日でした。
当分、この国道9号線沿いを走ることになるので、距離を稼ぐことに徹します。
想像以上に真夏の自転車旅は過酷です。
自販機を見るたびに冷たい飲み物を浴びるほど飲みたい誘惑に駆られます(笑)
さぁ今日も頑張ります。