八月晦日の日は、いつも夏の扉が背中で閉じられるような寂しさが付き纏う。
病床の窓外で繰り返される、日が昇り沈む一日の移ろいを眺めていると尚更。 . . . 本文を読む
旅の終わりは、唐突に訪れた。 それは、あまりに暴力的で意識を断ち切るような終わり方だった。 その現実を受け入れるのに、どうしても時間を要した。 もう一度、そこに至る旅の最後の三日間を、時系列に沿って振り返り、 何が起きたのか再検証してみたいと思います。 . . . 本文を読む
夏台風は足が遅い。 西日本に猛威をふるっている大型台風は、遠く東北の地にまで連日雨を降らす。 ひとしきり降り続けた雨が止んで、薄陽が差したかと思うと、 また視界が煙るほどの、どしゃ降り雨が降り頻る。 なんとも判断に困る数日が続いている。 . . . 本文を読む
旅に出て16日目で東北に辿り着いた。 ふりかえれば長い道のりだった。 今日、新潟、山形の県境を越えて、もう旅が終わったような気分になってしまう。 唯、ひたむきに東北を目指した暑い夏の日々だったから。 . . . 本文を読む