
一閃の昇陽が世界を一変させた。
どよめきとシャッター音が静寂を破り連続する。
赤々と燃え上がる天狗岳が薄明の境界を越えて、昏い夜の縁(ふち)から競り上がるように屹立する。



夜半、天幕を打つ音に幾度も目覚め、浅い眠りを繰り返した。
前日の午後から山を覆った霧が、夜露となって深夜降りて来た。
そして谷から吹き上げる風が梢を揺らし、雨のように天幕に降り注ぐ。
午前1時過ぎ、山上の気温は2℃まで下がった。
そのたっぷり水気を含んだ樹々が朝陽を浴びて
常にも増して艶やかに光り輝いた。






溢れる人波に揺らぐように、沢山の旧知の人たちと出会い旧交を温めた。
秋の石鎚は懐かしい人との再会の場でもある。
そして朝の光に包まれた天狗尾根から墓場尾根を辿った。
空は抜けるような紺青の深みをたたえ、
長く背負ってきた屈託を忘れさせてくれる、のびやかな秋の一日だった。
墓場尾根の紅葉は例年になく葉っぱの傷みが少ない。
この先、15日から今週末あたりのピーク時には、どんな鮮やかな彩りに覆われるか?
そんな期待感を抱かせる紅葉の進み具合でした。
母の胃ろうの手術が決まった。
私に残された山の時間は、この秋いっぱいかもしれない。
燃える天狗岳
神秘の世界
見事な石鎚山を見せて頂き、ありがとうございました。
お母様、どうぞお大事に。
お母様とランスケさんの大切な時間が、静かに優しく穏やかに続きますように。
やっぱり山は朝陽が昇る、この瞬間ですね。
それまでの風景が見事に一変する、あの魔法のような時間。
また、このマジックアワー(本来の映画用語の意味とは違いますが)
の虜(とりこ)になりそうです。
そのためには山上で一泊しなければなりません。
母が完全看護で比較的安定している、この時期が唯一のチャンス。
そして手術予定の11月までがリミットです。
秋限定の撮影行…短期集中で、しっかり愉しんでおきますね。
開門を待ってスカイラインを走り、まだ十分余裕がある駐車場へ車を止めました。
東稜の分岐あたりから、沢山のカメラヤさん達とすれ違いました。皆さん土居さん同様、日の出の舞台を終えての下山、良いお顔をされていました。
天気に恵まれ、山頂の紅葉を満喫することができました。二の森への北斜面の紅葉がきれいに見えていましたが、今回は時間の都合で断念しました。残念!です。
石鎚の短い紅葉シーズン、そして連休唯一の晴天。
11日は予想通りの大混雑でした。
それでも今年のような、それなりに美しい紅葉ならば救われます。
昨年のピーク寸前の強い風雨による落葉に当たってしまうと悲惨です。
比較的当たり外れのない初夏の新緑と違い、
秋の紅葉や春のアケボノツツジは自然条件に大きく左右されます。
そして毎年、その展開に一喜一憂させられます。
マロンさん、私の場合はHP「石鎚山の四季」で本名を明記しているので
問題ありませんがインターネット上では、それぞれがHN(ハンドルネーム)
を建前としているので気をつけましょうね(苦笑)
ご忠告をありがとうございます。
短い山の秋を楽しもうとすると、休日(私の場合、ほとんど平日)が晴れることを祈る思いで天気予報とニラメッコしています。
墓場尾根の撮影予定日も晴れるとよいですね。
あって、私たちは何時もその鳥羽口で、
戸惑ってしまいますよね。
近頃、自発的に書き込みをしてくれる
マロンさんにとても感謝しています。
これに懲りないで、また気に入った記事が
あったらコメントくださいね。
ご心痛お察しいたします。伯母も嚥下障害が出てきましたので、その辛さを感じていました。
急に弱ってくるものです。十分にお話をしてあげてください。息子が好きな山の話をするだけで心の中は元気になると思います。
一方ではお母さん、ご心配ですね。お見舞い申し上げます。看病されているランスケさんの健康も心配です。無理をされないように・・・
実は今でも悩み続けています。
ネットで「胃ろう」を検索しても色々な意見があります。
主治医は手術を終えリハビリ後、退院できると楽観的な発言をします。
でも、それからの介護が長くて辛い日々になりそうです。
病院に行っても、ほとんど反応を示さない母ですが、
たまに本当に囁くように意志を表す時の、哀しそうな表情が、
切なくて母を愛おしむ想いが込み上げてきます。
これを生きる証と取るか?
もう死なせてほしいという意志と取るか?
確かに痴呆と老衰による嚥下障害(口から食事や水分の摂取が出来ない)
からの「胃ろう手術」は延命治療なのかもしれません。
でも、やっぱり私には血色も良くなった母の命を
私自身の手で絶つことは出来ません。
母との残された時間を思うと辛い分、
現在は山へと逃避しています。
今日も石鎚へ一泊山行です。
ブログの方も快調ですね。
意外に?(失礼)繊細な日常に対する目線に、
否、心配りの館長さんらしい目線ですね(微笑)
何時も新鮮な気持ちにさせられます。
さて石鎚紅葉の主役「天狗岳の朝焼け」
皆さんの写真を観ると、赤く燃える紅葉写真は空の茜色が飛んでしまい、
空の茜色が綺麗だと紅葉は黒く影に沈んでしまっています。
この両方を表現するために、今まで随分試行錯してきました。
それがデジタル一眼レフカメラの登場で可能になりました。
撮影のその都度、画像を確認できるデジカメは、
撮影現場での露出調整が出来ます。
なんとかこの秋の天狗岳の朝焼け写真は合格範囲です。
また逆光撮影のゴーストを極端に嫌う人もいますが、
人間の瞳の虹彩自体が強い日光に晒されるとハレーションを起こす
のですから、この画像の光線に連なるゴーストは私にとって
許容範囲内です。
夕映えの墓場尾根の撮影とは云え、
すいぶんゆっくりしてしまいました。
それでは石鎚へ行ってきます。
結果をお愉しみに(笑)