
この本を読み終えてから、少し合間を置いた。
それは、此処しばらく胸のうちに渦巻いていたモヤモヤした理不尽さや遣り切れなさが、
スコンと、其処に納まるような合点の良さに戸惑い、
それをそのまま伝えることへの危うさが、身体感覚としてあったように思う。
例年になく早い桜の開花と爛漫の春の陽気に乗っかるようにアベノミクスバブルが、どんどん膨らんでゆく。
こんな時に水を差すようなことを言っても誰も聞く耳を持たない。
もう震災以来、不景気な話は散々聞いてきたのだから、辛気臭い話は聞きたくない。
そんな風潮に乗って、次々と怪しげな布石が打たれてゆく。
TPP参加。憲法改正。
そして例によって、メディアは肝心なことは何も伝えない。
瑕疵なく無難に過ごせば夏の参院選で自民党の圧勝は間違いない。
その後に待っているのは、担がれた神輿に乗っかった熱狂という言論封殺だろう。
いざとなったらメディアは大本営発表へと収斂されることは、3・11でもイラク戦争でも私たちは実感している。
本の紹介から、どんどん遠ざかってゆくが、怪しい布石にまず触れておきましょう。
TPPに日本が参加せざるを得ない現実。
その後に待っているのは間違いなくグローバリゼーションという市場原理主義の淘汰の嵐です。
そして憲法改正を進めている人たちの動きが、どんなものなのかという実体(憲法改正草案)が見えてきました。
実は9条の改正というよりも、もっと憲法の根幹とする国民主権そのものを変えようとしていることが分かってきました。
国家主権つまり国という公共の利益の前に個人の権利(基本的人権)を否定しようという
戦前の憲法への回帰です。
それが96条の改正や97条の削除という動きのなかに見え隠れするようです。
さて、ここから本の紹介です。
実は平川克美氏のブログのなかに文庫化にあたり本書の紹介記事をみつけました。
少し長くなりますが、是非読んでください。
3・11以降、感じ続けていた社会(システム)の理不尽さへの遣り切れなさが氷解した思いです。
![]() |
移行期的混乱: 経済成長神話の終わり (ちくま文庫) |
平川 克美 | |
筑摩書房 |
肝心の本の紹介が、そのまんま作者の要約文。
丸投げです(苦笑)
私の要領の得ない文章を書き連ねるより、本書の主旨が一番伝わると判断しました。
それでは何のための本の紹介なのか?
それは近頃の、もう二度と戻ってはいけないところに戻ろうとしている
怪しい動きへ警鐘を鳴らすためです。
このままでは次の参院選で、自民、維新、みんなの党とすべて改憲への動きです。
私たちの選択肢は完全に袋小路なのです。
春の陽気に浮かれていると、とんでもないところへ私たちは誘い込まれそう(汗)