逆転呼んだ二盗三盗「やっと自分の仕事できた」
6/23(日) デイリー
「交流戦、阪神6-2西武」(22日、甲子園球場)
体がうずいていた。沈滞ムードを何とか打破したい。その一念で足が動いた。西武バッテリーのスキを突く2盗塁を見事に成功させた阪神のドラフト1位・近本(大阪ガス)。試合の流れを自慢の快足で一気に引き寄せた。
2点を追う四回だ。先頭打者として迎えた第2打席で、一、二塁間を痛烈に破って出塁。続く糸原の2球目、本田のモーションとともに、二塁へスタートを切った。間一髪のタイミングでセーフ。西武・辻監督がリクエストを要求するも判定は覆らず。6月4日のロッテ戦以来、16試合ぶりとなる今季17個目の盗塁を決めた。
さらに1死後、勢いに乗る足は止まらなかった。「やっと、自分の仕事ができた。しっかりとタイミングを計って、いつでもいけるようにと思っていたので。チームにいい流れを呼び込むことができた」と、糸井の2球目に今度は三塁へスタート。意表を突いた三盗が、糸井の適時打、そしてマルテの逆転打を呼んだ。
ルーキーの躍動が断ち切った劣勢の流れ。その勢いは衰えず、中盤以降も着実に得点を積み重ねて連勝を呼んだ。矢野監督は「口火はもちろんそうですし、大きく流れを変えてくれたのは近本。負けている場面でも、挑戦していく気持ちでやってくれたプレーが一気に流れを呼び込む点になった。素晴らしかった」と絶賛した。
打率・176と苦戦する交流戦。初対戦の投手が多いが、自分の能力を発揮するための準備に抜かりはない。「盗塁に関しては初見の投手でも、映像で見られるので」と分析をし、結果へと結びつけた。
「塁に出ることで相手に嫌なイメージを与えることができる。プレッシャーを与えられるようにしっかりやっていきたい」。全てはチームが勝つため。近本の全力プレーが勝機を引き寄せる。
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