W杯の借りはW杯でしか返せない

2018年06月21日 09時39分31秒 | 社会・文化・政治・経済
ロシアで開幕したサッカーワールドカップ(W杯)。
4月上旬にヴァイッド・ハリルホジッチ前監督が更迭された。
日本代表の強化を司るサッカー協会技術委員長の西野朗が、後任として指揮をふるうことになる。
1955年生れの西野は、Jリーグ開幕前に選手として活躍し、1990年に引退後はすぐに指導者となった。
20歳以下日本代表の監督を務めながら日本代表にも関わり、1993年のアメリカW杯アジア最終予選では対戦国の分析を担当した。
監督としての実績は、1996年を起点とする。
実に28年ぶりとなる五輪予選突破を果たし、本大会ではサッカー王国として名高いブラジルを破ったのだ。
その後は柏レイソルやガンバ大阪の監督として多くのタイトルをチームにもたらし、J1リーグ歴代最多の勝利記録を持つ。
経験と実績を兼ね備えた西野は、日本サッカー界の切り札的存在なのである。
残り二か月の段階権を託された西野は「日本化した日本のサッカーはある」と話す。
ハリルホジッチ前監督が電撃解任されたのは、彼が目ざすサッカーと日本選手の特徴の乖離に大きな理由があった。
日本らしいサッカーを取り戻すことは、チーム立て直しの第一である。
「日本のサッカーには規律や組織に基づいて結束して戦える強さ、選手同士が化学反応をおこして戦える強さがある。そういうものを構築したうえで、選手たちが所属クラブで見せている良さを、ストレートに出せる状況を作りたい」
ヘッドコーチ格は手倉森誠だ。
指導者としての実績は申し分ない。
2008年から13年まで監督を務めたベガルタ仙台では、J1残留が目標だったクラブを強豪へ押し上げた。
2016年にはリオ五輪代表の監督としt、世界の舞台で熱戦を繰り広げた。
Wで激突するコロンビアとも対戦しい、二対二で引き分けている。
ハリルホジッチ前監督の指揮下でもコーチを務めてきた手倉森は、日本代表の現状を誰よりも理解している。
五輪代表を率いていた当時から、「国を背負って戦く誇りと責任」を選手たちに求めてきた。
西野監督が日本サッカーの長所にあげる規律や組織は、選手一人ひとりがもつチームへの忠誠心が土台となる。
「日本代表としての誇りと責任」を大切にする手倉森コーチの精神性は、チームを立て直していくために欠かせないものになっていくだろう。
W杯の借りはW杯でしか返せない
ロシアは捲土重来を期す<約束の地>なのである。
戸塚啓さん・スポーツジャーナリスト
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